思考の整頓

"もやもやしたもの"に輪郭をあたえる

幸せの閾値と、子どもの世界が終わるとき

「あぁ、人生終わった」

子どもの頃、そんな悪夢のような恐ろしい出来事がたびたび僕の身に降り注いだ。

確認したことがないからわからないが、もしかしたら周りの友達もそうだったのかもしれない。

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例えば、小学生2年生の頃。買ってもらったビーダマンのおもちゃを3日で壊してしまったとき。

人生終わった、と思った。ずっと欲しかったおもちゃが壊れてしまったというどうしようもない現実と、壊してしまったという罪悪感から、いてもたってもいられなくなった。

壊してしまったことが、買ってもらった相手に発覚するまでの1週間、壊れたおもちゃのことで頭がいっぱいで食事が喉を通らなかった。ばれないように外出するときは持ち歩いていた。壊してしまったなんて絶対に言えなかった。

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例えば、小学4年生の頃、算数のテストで15点をとったとき。

どちらかと言えば、成績優秀な方だった僕にとってありえない点数だった。

このときこそ本当に人生が終わったと思った。

15点の答案用紙をスパルタ教育ママに見せた暁には、とんでもない仕打ちが待っている。

「どうにかしてこの答案用紙を死ぬまで隠し通さなければならない」

僕は、その残酷で、過酷すぎる運命と向き合い続けなければならないのだと、まる一日考えた末至った結論がそれだった。

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心理学者ポール・ジャネが発案したジャネーの法則によると、人間は、「0歳から20歳」までと、「20歳から80歳」くらいまで年月とでは、体感時間が同じだそうだ。

現在20歳の人は体感時間としてすでに人生の半分を過ごしたことになる。

例えば、50歳の人にとって1年の長さは、今まで生きてきた人生の50分の1である。

一方で、5歳の人間にとって1年間は、人生の5分の1に相当する。

つまり50歳の人にとっての10年間は、5歳児にとっての1年間にあたるのだ。だんだん年を取っていくと、生きてきた年数によって1年の長さの比率が小さくなり、どんどん時間が早く感じるようになる。

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10年間しか生きていないとすると、子どもはその中で物事を判断するしかない。

「買ってもらったばかりのおもちゃを壊してしまったこと」や「テストで15点を取ってしまったこと」といった大人からしてみたらどうとでもないようなことでも、子どもからしたら「世界の終わり」のように感じることがあるのである。

初めての彼女。行きたかった大学に合格し、夢にまで見た東京での一人暮らし。親友と行った海外旅行。

まだまだ楽しいこと、嬉しかったこと、ワクワクすることはたくさんある。

あのとき人生終わらなくて本当に良かったと思う。

幼少期、あなたはどんな「世界の終わり」を経験したことがあるだろうか?

世界の終わりは意外と相対的なのかもしれない。

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少し話が変わるが、擦れていない女の子が好きだ。

おそらく男子はみんな好きなのが「純粋無垢で、ピュアな女の子」

女子が待ち望んでいる「白馬の王子様」が、男子にとっての「女子の処女性」だ。

男子からしたら白馬の王子様なんているかと思うように、女子からしたらそんな女いるかと言われそうだし、いないのはわかってはいるがやはり求めてしまう。

去年、後輩である大学3年生の女の子を、鳥貴族に連れていったことがある。

そのとき言われた言葉がこれだ。

「わたし、鳥貴族めっちゃ行きたかったんです!!!」

未だに門限のあるような子で、あまり居酒屋というものに行ったことがなかったのだろう。この言葉は、おそらく心の底から出た言葉であるが、この子の中では相対的に「鳥貴族」は相当なものだったのだろう。

お互い家が近所で、たまたま近くにあったという理由だけで選んだお店なのだが、おしゃれなお店などではなく、大衆居酒屋である鳥貴族でこんなに喜んでくれるなんてと、この子の擦れて無さに感動したことがあった。

幸せついて考えさせられる。

子どもの世界の終わりが相対的なように、みんな経験値の少なかった子どもの頃を思い出して、「幸せの閾値を下げることができれば、もっといろんなことに感動でき、毎日ハッピーに生きられるはずだ。

  

 


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