思考の整頓

"もやもやしたもの"に輪郭をあたえる

1万円課金して、ストレングスファインダーの資質34位まで開示してわかった7つのこと

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数年前、ストレングスファインダーの資質34位まで開示するために1万円を課金した。

お互いの性格をよく知っている親友と全資質を開示した上で、数ヶ月に渡り、自分たちの性格を徹底的に議論した。僕も親友も上位5つの資質に「個別化」があったこともあり、相手の才能を観察し、このフレームワークで人間理解を深めることにどはまりした。

この記事は、1万円課金して資質34位まで開示し、仲の良い友人・先輩・後輩30人に受験してもらいデータを取った後、親友と議論の過程で気付いたことを、資質や強みのことをもっと知りたいという方のために約20000字でまとめたものである。

(※2020年現在では4680円で課金できるようになりました。)

 

【目次】
1.ストレングスファインダ-とは
◆上位5つの資質は、自分が最初に活用するもの

2.1万円課金して34位まで開示してわかった7つのこと
①資質は、単独ではなく、組み合わせで考えるべき
②相反する資質を持ち合わせることはありうる
③1つの資質に複数の側面がある
④もう性格は変わらない
⑤資質には個人差がある
⑥特定の職種に向いている特定の資質はある
⑦弱み対策ができる
Ⅰ.強みと弱みは表裏一体
Ⅱ.弱みを克服するために強みを活かす
Ⅲ.弱みを補ってくれるパートナーを見付ける
Ⅳ.弱みを打ち明ける
Ⅴ.強みの種が弱みとして出てしまうことも
Ⅵ.それでも苦手なことを伸ばしたい方へ

3.大事な人とやると、お互いの理解が深まる
①リクラブするなら、ストレングスファインダー
②この一言で、強みはこの資質に決まり!?
③本当の意味で多様性を受け入れられるようになる

4.ありのままの姿を肯定して、受け入れる
◆自分のできないことばかりに目がいっていた大学時代。あるきっかけで幸せになる一番の近道を見つけた

 


■1.ストレングスファインダ-とは

ストレングスファインダ-を受験したことある人向けの記事なので、ここはさくっと。

『さぁ才能に目覚めよう』は「強み」について書かれた名著。

この本を買うと、自分の才能が何なのかがわかる「ストレングスファインダー」という性格診断テストを自宅で受けられる。そして34つある資質のうち、自分の強みのもとである上位5つがわかる。

さらに89ドル(約1万円)を課金すれば、残りの6~34位までの資質を開示することができる。→ここから課金できます

(※追記.現在は4680円で購入できるようになりました!)

自分の強みは意外とわからないものなので、おそらくストレングスファインダーを受験した人は、「当然みんなができることだと思ってたけど、これが自分の強みだったのか……!」と膝を打った人も多数いると思う。

これと同じくらい、34位まで開示すると「自分の弱みはこれか……!」と合点がいくはずだ。

受験生の偏差値みたいに露骨に周りと比較できるような資質なら、すぐに自分がその資質が優れているのか劣っているのかわかるが、こと性格に関してはなかなか比較しづらい。

それだけに、これが今まで知らなかった様々な自分の一面を知ることができる。

 

さて、ストレングスファインダーを受験してしばらく経つという人もたくさんいると思うので、「1万円課金して34位まで開示してわかった7つのこと」に入る前に、5つの資質に関してのおさらいからさせてください。

 

◆上位5つの資質は、自分が最初に活用するもの

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上位5つの資質は、何か問題にあたる際、自分が最初に活用するものである。どのような状況であれ、まずその5つの資質が判断を下し、その人特有の行動をその人に起こさせる。

一方、その他の資質はたまにしか反応しない。それも特別な状況のときだけだ。

 

たとえば、「内省」の資質を持つ人は、常に何かを考えている。困難にぶちあたった時はもちろんのこと、何もないときでさえ一人で物思いにふけっている。一方、この「内省」を強みとしていない人の場合には、課題か何かを解決したいときくらいしか反応しない。

また「成長促進」の資質を持つ人は、他の人を指導して、さらに成功に導く機会はないかと常に目を光らせている。指導育成する相手の成長が気になって仕方がない。一方、この「成長促進」が強みの資質にない場合、誰かが目の前にやってきて、仕事に関するアドバイスを求めたときぐらいにしか反応しない。

 

これらの強みの資質は、まさしく天賦の才であり、いかなるときもたくましさを失わない。

本書によると、成長の可能性を最も多く秘めているのは、一人ひとりが一番の強みとして持っている分野であると言う。

どのような業務が適していて、大勢の中で自分が秀でた才能を発揮できる分野とは何かがこの性格診断でわかるのである。

特に他人と比べることがないような資質は、これで初めて知ることができる。

 

例えば、僕は上位5つに「内省」が入っていたのだが、読書好きなのですごくすごく納得した。

前述した通り、「内省」の資質を持つ人は、常に何かを考えている。困難にぶちあたった時はもちろんのこと、何もないときでさえ一人で物思いにふけっている。

読書とは「自分との対話」である。本から「情報」を手にする以上に、「内省する時間」を得ている。本の内容を咀嚼することで、今までの自分を見つめ直し、これからありたい未来の自分に想いを馳せることができる。そのため、良書に出会うと途中で読めなくなってしまうことがある。考え込んでしまうからだ。

だから本を読むことが好きなのかと、「内省」が強みだと知り、すごく腑に落ちた。

このように他人となかなか比較しづらい資質が優れているのかどうかを知ることができるのでとても面白いし、自分を知る上で本当に役に立つ。

 

やっと次の章から本編がスタートします!!!!!


■2.1万円課金して34位まで開示してわかった7つのこと

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①資質は、単独ではなく、組み合わせで考えるべき

5つの資質の組み合わせは3300万通り以上ある。そのため5つとも同じ資質を持つ人はいないに等しい。

親友と34位まで開示してお互い最初に気付いたことは、「資質は、単独ではなく、組み合わせで考えるべき」ということだった。

というのも、同じ資質を持つ者同士でも組み合わせ次第でまったく性格が変わるからだ。

例えば、僕の持っているこの3つの資質を見てほしい。

「自我」6位
「社交性」8位
「コミュニケーション」24位

僕は「自我」が強いので、目立つのは好きで、「社交性」も高く人見知りしないので比較的誰とでもすぐに仲良くなることができる。しかし、「コミュニケーション」が24位と低いので、大勢の前で話すのは苦手だ。

一方で、「社交性」が28位とだいぶ低いのに、「自我」5位と「コミュニケーション」3位という友人がいる。

その人はどういう性格かと言うと、普段は人見知りをし、とても人前で話すようなタイプには見えないのだが、「自我」と「コミュニケーション」の資質により、人前に立つと急にアドレナリンが出てぞくぞくとすると言っていた。気分が高揚し、反対に気持ちが落ち着くのである。

人前で話すことが得意そうに見られる僕が実はすごく苦手で、人付き合いが苦手そうな人が大勢の前だととても流暢に話したりするのである。

これは資質一つだけを見ていてはとても判断できないことで、資質の組み合わせによって、こんなにも性格が違ってくるのだ。資質一つずつ入れ替えただけで、かなり性格が変化するのである。

上位を占める5つの資質は切り離して考えず、どう影響し合っているのかを見極め、それぞれが組み合わされるとどのような効力を生むのかを知ることが、自分の強み理解の第一歩である。


相反する資質を持ち合わせることはありうる

次に気付いたことは、「相反する資質を持ち合わせることもありうる」ということだった。

僕は「内省」が5位と強みである。

「内省」が高いと、とにかくフットワークが悪くなりがちだ。例えば、仕事終わりに飲み会に誘ってもたいてい断られ、直帰してしまう。同じコミュニティに何人かは必ずいると思うが、そういう人はみんなでわいわいするよりも、一人家で読書したり、アニメや映画を見ている方が落ち着くし好きなのである。

一方で、僕は「社交性」8位とそこそこ上位の資質である。

「内省」(5位)×「社交性」(8位)だとどうなるかと言うと、飲み会に行くまでは「あぁ早く家に帰って本を読みながらゆっくりしたい……」と思うのだが、いざ飲み会に行くと、「社交性」が高いので、さっきまで嫌々参加するはずだった飲み会をすごく楽しむことができる。初対面の人に積極的に話しかけに行き、「また今度飲もー!」と次の予定を誰よりも早く取りつけるのである。

このように「内省的なのに社交的」と一見矛盾していそうだが、相反する資質を持つことはありうるのである。

34位まで開示したおかげで「内省的なのに社交的」という自分の矛盾していそうな性格の説明をつけることができ、非常に納得がいった。

 

またこの記事を書くにあたって、ヨガインストラクターの友達にストレングスファインダーを受験してもらった。

結果は、「内省」4位、「活発性」5位だった。この結果を見て、この友達に抱いていたある違和感がやっと解消された。

というのもヨガのインストラクターという体の専門家であるアスリートなのに、将来は作家になりたいと言っていたからだ。アスリートなのに文才があって、どこか違和感を抱いていた。

しかし、両極端である相反する「活発性」と「内省」を上位5つの資質を持っている人であるとわかり非常に納得した。

このことから、人間の性格はそんなに単純ではなく、複雑にできているのだなぁと気付かされた。 

 

③1つの資質に複数の側面がある

この次に発見したことは「1つの資質に複数の側面がある」ということだった。

これは自分の「共感性」(16位)の順位に納得がいかなかったことから見つけた。

自分は、相手の感情を読み取るのが得意で、幼い頃からいわゆる〝空気を読む〟を地でやってきたタイプだっただけに、もっと共感性が高いはずなのに!なぜ!と思っていた。

実際に周りからも「森井さんもっと共感性高いと思っていました」「TOP5に入っていてもおかしくなさそうなのに」と言われていた。

そこで、TOP5に共感性を持つ人達にヒアリングしてみたところ、言われたのが「15秒のCMを見ただけで泣ける」だった。

僕はまず泣けない。そこで気づいた。

共感性という資質は、

1.周囲の人の感情を読み取れる
2.読み取った感情を自分事化できる

の2つの意味合いがあったのである。

そして、僕には2つ目の才能がなかったのだ。

 

1つの資質に複数の側面があるのは、他の資質も同様で、

例えば、「社交性」の資質だと、

1.知らない人と出会うことが好き
2.自分のことを好きにさせるのが好き

の2つがあり、社交性と聞くと1つ目が思い浮かぶが、1つ目しか理解していないと見誤ることになる。

 

「調和性」という資質だと、

1.対立したくない、大声を聞きたくない、喧嘩したくない

といった争いを避ける方向性と、

2.対立するのは時間の無駄なので、妥協点をみつけて次へ進みたい

と前に進ませるために合意点を見つける、という傾向性の両方を含んでいる。

 

なぜ1つの資質が複数の側面を持っているかと言うと、そもそも、ストレングスファインダーの開発は、200万人に対するインタビューからスタートした。

ある人が成果を出しているときに、無意識のうちにどんな才能が使われているのか。それを探るインタビューから、人の様々な才能が5000個以上挙がってきた。

それを似たもの同志でクラスター化し、最終的にお互いに重複を極力なくしていった結果、34個の資質になったのである。

いろんな業界の中で、5000以上の才能の中から優秀のものをぎゅっとしてできたのがストレングスファインダーであり、34資質がすべて成功のもとなのである。

 

ーーーーー 

ちなみに、就活生の頃、企業の人事の方や周りの友達から僕の長所は「素直さ」だと言われていた。

この記事を書くにあたって一緒に議論したストレングスファインダーの相棒に〝バカ素直〟とあだ名を付けられたこともあったほどだ。

それなのに「素直さ」という資質がないのはなんでだろうと考えていた。大事な資質じゃないか!僕のアイデンティティだぞ!と。

 

それに対して、日本におけるストレングスファインダーの第一人者である森川里美さんのセミナーに行った際、こんなことを言われた。

「何かで成功するためには物事を最後までやり通す〝粘り強さ〟がないといけません。それなのに、〝粘り強さ〟という資質がないのは、誰でも好きなことなら粘り強くできるからです。だから34資質にはありません。ある意味、全ての資質に入っているからです」

「粘り強さ」だけでなく「素直さ」も同じようなことなんだろうなぁと思った。


④もう性格は変わらない

この記事を書くにあたり、本を買い直し、3年ぶりに試しに2度目のストレングスファインダ-を受験してみた。

結果は、上位5つの資質のうち4/5が3年前と同じだった。そして、入れ替わった資質は、もともと上位にあったものだった。

もう一度受験したら一つ二つは変わるかもしれないが、資質は永続的なもので、本書によればどれほど自分を変えようとしても、資質は変わらないそうだ。

 

しかし、新たな資質は得ることはできないが、新たな「知識」や「技術」を身につけた結果、意欲的に取り組める新たな分野が見つかる可能性は大いにある。

本書にダニエル・Jという女性の例が出てくる。その話がわかりやすいので引用する。

ダニエル・Jは「共感性」と「指令性」の資質に恵まれ、自らの力で成功したジャーナリストだった。

インタビューの相手をくつろいだ気分させるのにはおそらく「共感性」がうまく機能し、ひるむことなく厳しい質問を相手にぶつけるのには「指令性」がプラスに働いていたのだろう。

この二つ以外に、文字情報を深く読み取る洞察力にも優れていたので、素晴らしい成果を上げ、彼女は特別記事が書ける地位まで昇進する。

ところが、ジャーナリズムの世界に身を置いて10年が経ったところで、突然辞表を出して人生の方向を変えた。セラピストになって、ホスピスに自らの新たな職場を求めたのだ。

長い入院生活を送っている母親を見舞い、何度となく病院に足を運ぶうち、自らの人生を見直すようになり、愛する人の死と向かい合わなければならない人達の役立つ仕事で、より一層世の中に貢献したいという思いが強くなったからだった。

興味深いのは、ジャーナリストとセラピストとでは、要求される「知識」も「技術」もまったく異なるにも関わらず、どちらの場合でも「共感性」と「指令性」が彼女を行動に駆り立て、すぐれた成果を生み出す原動力になったということだ。

「共感性」のおかげで、彼女には、患者の苦痛が肉体的なものか、精神的なものかを見分けられるだけでなく、患者の家族がうろたえているときに、適切な言葉を彼らにかけることができた。

「指令性」もまた大いに役立った。患者の死後が近いとき、患者の家族にどういう事態を覚悟すべきか、何を準備すべきか、そういうことをはっきりと誰かに言うことができた。家族が望むやり方でその場をうまく取りしきる能力があったのである。

このように活かされる資質は変わらなくても、この女性のように新たな技術と知識を身に付け、人生の方向を変えることは可能だ。

新たな資質を得ることはできないが、備わっている資質を活かして、新たな強みを築くことはできるのである。

 

⑤資質には個人差がある

本書を読めば、各資質の定義のようなものとその説明はある。

しかし、これらはあくまでそういう傾向があるというだけで、絶対に当てはまるというわけでは決してない。

例えば、僕は「未来志向」が4位とかなり上位だ。成功体験であっても過去には一切興味がなく、現在もそこまでで、常に未来に生きている。自分の未来にしか興味がない。

たいてい5~10年後を見据えて行動していて、10年後くらいまでであれば、自分の未来が見えるのである。

しかし、この未来がどのくらい見えるかはかなり個人差がある。

僕はMAX10~15年後くらいまでしか未来は見えないが、まだ30歳なのに老後のことや自分の死んだ後のこと(自分が死んだら○○しなさいと子どもに言ってしまったり)を考えてしまう人もいるみたいだ。

 

また、元旦に「目標志向」が上位の友達に「あけましておめでとう!今年の抱負決めた?今年もよろしくね」とLINEで送ったら、

「まだ60個しか決めてない!」

と返ってきて本当に驚いた。いや、笑った。

「多すぎだからwwww」と返したら、

「去年は100個決めて50個しか達成できなかったの!」

と言われた。

僕は目標志向が3位でかなり強みだと思っている。1、3、5、10年後の目標といった長期的に目標はもちろんのこと、今月の目標、今週の目標、今日の目標と、本当に常に目標のことを考えている。目標ができるとワクワクしてエネルギーがわいてくるほどだ。

そんな目標志向強めの僕でさえ、「まだ60個しか決めてない!」「去年は100個決めて50個しか達成できなかったの!」にはかなり驚いた。

このように資質には個人差があるのである。

『さあ、才能に目覚めよう』を読めば、「この資質の定義と説明は○○」と正解があるように思うが、書かれていることはあくまでそういった傾向がありますよ、といった傾向性に過ぎない。一人一人違っているのである。

だから人間は複雑で、奥が深く、面白い!!!

(追記:関心がないからか世界がこれからどうなっていくのかといった未来は一切わかりません。ただ、つい最近になって、本当によく知っている友達の未来ならだんだんと見えるようになってきて驚きました。また、自分にしか使えていなかった「目標志向」も、目標を立てるのが苦手な人の目標を一緒に考えてあげたりと、他人にも適用できるようになってきて進歩を感じています!) 

 

⑥特定の職種に向いている特定の資質はある

これは僕調べだが、起業家の人は、「最上志向」「自己確信」や「活発性」「ポジティブ」の資質を持っている人が多い。

起業家はいつどうなるかわからない。多額の借金を背負う可能性もある。そんな過酷な状況下でも自分を信じ、楽しみながらやり抜くためにはやはり「自己確信」や「ポジティブ」といった資質が必要になってくるのだろう。

本書によれば、ジャーナリストの大半が、優位に占める5つの資質の中に「適応性」を持っていると言う。

一般にジャーナリストというのは次の日にどこに行くのかもわからないような仕事。常に場所が変わると精神的に負担を感じる人もいるが、「適応性」に優れている人は、そういった状況下だからこそ、むしろ意欲がわくのである。予期せぬ出来事が生きる糧になってくる。

また医者の多くは専門分野がなんであれ「回復志向」に秀でているらしく、教師はだいたい「成長促進」と「共感性」と「個別化」に優れているみたいだ。

しかし、資質と職種に関連があると言っても、短絡的に結び付けてはいけない。資質がまったく異なる人たちが、同じ職務で成果を上げているからだ。

例えば、コーチングのコーチは理想型があるわけではなく、共感性が高いコーチングスタイルもあれば、最上志向で相手を向上させるコーチングスタイル、戦略性×未来志向でVisionを描く質問が得意なコーチングスタイルなど多種多様である。

特定の職種に向いている特定の資質はあるが、自分の主要な資質が常に活かせるような演じ方を考えれば、どんな職種であっても最高のパフォーマンスを発揮することができるのだ。


⑦弱み対策ができる

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.強みと弱みは表裏一体

強みと弱みは表裏一体である。僕の5つの強みに「未来志向」と「目標志向」がある。

何かをするとなったとき、僕はまずそれを成し遂げた時の輝かしい未来を想像したり、5~10年後という将来を見据える。そして、そのためにはどうすればいいか、中・長期的目標と短期的目標を細かく立てていく。

特急列車のようだと言われたりするが、その自分で立てた目標に沿って、ゴールまで最短ルートで行動したいし、実際に行動しようとする。

 

そのため、途中でハプニングが起きると対応するのがすごく苦手だ。

34ある資質のうち最下位だったのは「適応性」だった。これは非常に納得だった。

前々から突発的なハプニング対応が苦手な方かなぁとは思っていたけど、なかなか人と比較できる性格でもなかったので確信が持てなかったが、これで確信ができたのであった。

 

ここで「適応性」が最下位になったのは、やはり「未来志向×目標志向」が強すぎるからではないかと思う。

僕は「未来志向×目標志向」で「未来」しか見ていないので、自分にとって「過去」(原点思考・33位)はもちろん、「今」(適応性・34位)も重要ではない。

そのため、現在のことでイレギュラーなことが起きるとなかなか対応できない。未来しか見てなさすぎて、今を柔軟に対応できなくなってしまうのである。

回復志向(30位) ⇔ 最上志向(9位)
活発性(31位) ⇔ 内省(5位)
親密性(32位) ⇔ 社交性(8位)
原点思考(33位) ⇔ 未来志向(4位)
適応性(34位) ⇔ 未来志向(4位)

ワースト5の弱みの対となるような資質は、全てトップ10以内に入っている。このように強みも、裏返すと弱みになるのである。

(もちろん先ほども述べたが、相反する資質も強みに持ちうるが)

 

ーーーーー 

また表裏一体なのは、1つの資質内でも言える。

例えば、「目標志向」。

「目標志向」の人は、目標をまず設定し、そこから逆算して考える。その分、効率よく動くことができ、ゴールまで最短ルートで行くことができる。

一方で、それだけに「目標がなければ動けない」「考え方に遊びや副産物が生じない」「目標まで最短ルートではなくなるハプニングに弱い」という弱点がある。

このように、弱みは「資質を持たないことによる弱み」と「資質を持っていることによる弱み」の2種類あるのである。 


Ⅱ.弱みを克服するために強みを活かす

そんな強みと弱みが表裏一体である資質だが、34ある資質で補い合うようになっている。しっかりと自分の資質を理解しておくことで、強みで弱みを補うことができる。

例えば、34位中31位が「活発性」だとわかれば、対策は打てる。

「活発性」が弱みの人で、それでも外に出てばりばり行動しなければいけないときがある。僕にとって大学生の頃の就職活動時期がそれにあたった。

そういうときは、行動する期間に入る前にじっくり「内省」をした上で、「未来志向」と「目標志向」が強みなので、「次の1年間は、読書を減らし、外に出て行動する1年間にしよう」と目標を決める。

そう割り切ることで、「活発性」の無さをカバーし、無事に就職活動を終えることができたのであった。

 

また、アナウンサーの友達にヒアリングをしたところ、「適応性」が弱みであることがわかった。

これは勝手なイメージだが、アナウンサーというと生放送だったり中継やロケといった適応力がより求められる仕事かと思っていたので、「適応性が弱みだと大変じゃない?ハプニングとかよく起きそうだし……」と聞くと、こんなことを言われた。

「特にアドリブとか苦手だしすごい大変。ほんと当日ぶっつけ!みたいな人もいるけど、私にはできないからなぁ……そういう人はハプニングが楽しめて、中継とか得意だと思う。

ただ、(私は適応性がないのがわかっているから)いつもシミュレーションと準備はめちゃくちゃしてるよ。イベントとかでも台本に書き込み多いし、中継だととにかくイメトレをする。

自分の原稿とVTRは死ぬほどチェックするから、仕事遅いけど正確さはあって、あんまり内容的に直されることも少ないかも。

準備はめちゃくちゃ時間かかるし、準備してないと不安だから前日寝られなかったりするけど、ただ、だからこそ、他の人より生放送には強いと思ってる」

なんと下位の資質である適応性(27位)を、強みである「慎重さ」(1位)でカバーしていたのである!

弱みを克服するのにも、やはり強みである才能を活かすことを心掛けた方がいいのだ。

(※「慎重さ」の資質にすぐれた人は、決断や選択をする際に、細心の注意を払うことが特徴的です。この人は、常に障害に備えており、決して油断しません) 

 

余談だが、最後にこんなことを言われた。

「確かに生放送は本質的にはめちゃくちゃ苦手なことしてるわ。でも苦手なことをできるのが好きなの」

なるほど、さすが「回復志向」が3位なわけだ。


Ⅲ.弱みを補ってくれるパートナーを見付ける

佐渡島庸平さん率いるコルクでは、社員にストレングスファインダー受験を導入したみたいだ。

有能なリーダーは、常に自分の強みに投資しているだけでなく、フォロワーたちの強みを理解し欲求を満たしてくれる。

自分の強み弱みだけでなく、相手の強み弱みまで考える。

そして、相手の強みを知っておくことで、自分の弱みを補完してもらうことができるのである。

資質34位まで開示することで、正確に苦手なことがわかれば、前述した「弱みを自分の強みでカバーする」という方法だけでなく、「自分の弱みを補ってくれる相手を見付ける」という手段も取ることができる。

 

友人に、「最上志向」を強みに持つ経営者がいる。その経営者は、「最上志向」を持っていることもあり、自分の専門分野はずば抜けている。

しかし、自分がやりたいこと以外の能力は並以下で、完全に抜け落ちてしまっていた。

人より劣っていることに時間を投資しようとしない「回復志向」の無さが自分の弱みでもあることに気付いていたその経営者は、マネージャーに「回復志向」と「成長促進」を強みに持つ人を置いた。

「欠点の回復」をそのマネージャーに補完してもらうことで、自分の強みをさらに伸ばすことに成功したのであった。

「最上志向」の苦手なことを伸ばせないことと、「回復志向」の器用貧乏であることのお互いの短所を、補い合うことで危機を乗り越えたのである。

 

また、5つの強みに「コミュニケーション」「達成欲」「活発性」を持っている友人がいる。かなりの行動派である。「休みの日に家にいたら逆に疲れる」と言っているくらいだ。

しかし、この友人は「内省」が弱みで、じっくり一人で考えるのが苦手である。そんなとき「内省」を強みで、かつ「活発性」を弱みに持つ僕のようなタイプがパートナーだと、じっくり考えた結論をもとに、パートナーにはばりばり動いてもらうということができる。

このように良いパートナーが見つかれば、お互いの弱みを、強みでカバーし合えるのである。


Ⅳ.弱みを打ち明ける

始めから自分の弱みを明確にわかっていれば、対策を打つことが可能である。

「強みでカバーする」「弱みを補ってくれるパートナーを見つける」以外に、「自分の弱みを上司や同僚に打ち明けておく」ということが挙げられる。

これは誰かと一緒に働く上でとてもとても重要なことである。

 

「個別化」と「共感性」が弱みの後輩がいる。その後輩は、相手の感情や個性といったものを読み取ることがすごく苦手であると気付いていた。

この後輩がすごいのは、弱みをそのままに放置しておくのではなく、それらを周りのメンバーにしっかりと伝えることにしたことである。

自分は相手の気持ちを理解することが苦手である。そのせいか子どもの頃、仲間外れにされ、いじめられていたことがあったということまで洗いざらい全て話した。

「もし、今後自分と仲良くやっていこうと思ってもらえるなら、自分にやってほしいことや理解してほしいことがあれば、直接言ってほしい。日本人特有な以心伝心というやつは悲しいことに僕にはできないのです」

自分の弱みを打ち明け、さらけ出すことで、彼は周りから受け入れられ、協力してもらうことができたのであった。

 

Ⅴ.強みの種が弱みとして出てしまうことも

ストレングスファインダーは、〝才能の傾向性〟を測るツールであり、177問の質問に答えたあとに出てくる5つの資質は、実はまだ〝強み〟ではなく、〝強みや才能の種〟みたいなものである。

それらは効果的に活用すれば〝強み〟になるが、非生産的に使ってしまうと〝弱み〟にもなってしまう。

例えば、「最上志向」。自分を向上させ、より改善していきたい。より優秀になりたい。

その欲求が動機となって成果を出していくときには強みとなるが、「上司は部下より優秀でなければならない(のに、自分はなぜこんなにも無能なのか)」「自分はもっと出来るはずなのに、全然出来ていない」と自分をいじめてしまうと、せっかく持っている最上志向という素晴らしい資質を生産的には使えていないことになる。

 

また、「責任感」(3位)の元教師・現在大学院生に話を聞いてみたら、こんなエピソードを話してくれた。

「教員1年目終わりに、尼崎の荒れすぎて崩壊したクラスと部活指導の長時間労働が本当に苦しくて辞めたかった。でも、ここで辞めたら迷惑がかかるし(基本的に中1~中3は連続して同じ担任が持つから)、採用してくれた人や育ててくれた上司に申し訳なくて、今見てる学年を卒業させなければだめだと思って続けた。

3年目終わり、本当は冬の院試を受けて春から大学院生をしたかったけど、担任をしている中3の進路指導で調査書とか授業とか子どもの人生がかかってるから休めないと思って仕事をして、結局、大学院には1年間入学を遅らせた。

基本的に嘘つきたくない嫌われたくないから、頼まれたことは先に終わらせて言ったことは守る。書類提出は貰った瞬間すぐに出す、私が提出遅れることで相手が迷惑するから。それもあって全部自分のことは後回しになって疲れてしまっていた。

うまく使えば、「責任感」という資質は、他人に対しては誠実だから絶対的に信頼される強みになるだろうけど、私にとっては自分で自分を生きづらくしてる要因であって強みではないのかもしれない。

教員辞めたのも、非行犯罪、ネグレクト、不登校自死リストカット、いじめ、怪我、責任が重すぎて、もし私のせいで助けられなかったら一生後悔するし、そこまで全力でしたとして自分のプライベートがなくなる私には無理と思ったから辞めてしまったの」

 

最上志向や責任感そのものが強みなのではなく、この自分の資質を、どんな場面でどう使うか。効果的に使っている場面を発見し増やしていく。非生産的に使っている場面を認識し使い方を変えてみる。

そうすることで、きっと資質を最大限に活用する=強みになるはずだ。 

 

Ⅵ.それでも苦手なことを伸ばしたい方へ

本書によると、

「強み」=「才能」+「知識」+「技術」

「弱みと折り合いがついた状態」=「知識」+「技術」

である。

弱みは、時間をかければ「知識」と「技術」である程度のレベルまではカバーできる。

しかし、「才能」がない状態で「知識」と「技術」のみで頑張るのはとてもしんどいので、強みにはしないほうがいい。

 

例えば、「親密性」がない人は、人と親密になるのが苦手だ。それを克服するために「コーチング」や「コミュニケーションスキル」を学んだとする。

それらを学ぶと確かに人と親密になるための「知識」や「技術」は身につく。「親密性」を持つ人の特徴である「真っ白な気持ちで、相手の話を遮らずに最後まで聞く」ということがいかに大事かということもわかると思う。

しかし、「才能」(「親密性」の資質)を持つ人にはかなわない。

なぜなら、親密性を持つ人は「相手の話を遮らずに最後まで聞く事が苦にならない人」だからである。

強みの定義は「自分を強いと感じさせる活動」だ。

(逆に言うと、「自分を弱いと感じさせる活動」が弱みのもっとも明確な定義である。ある活動を従事しているときの気持ちが、その活動の得手不得手を決定する)

今から自分に話しかけてくる人全員の話を、手を止めて興味深そうに相づちをうちながら途中で一切遮らずにツッコミや確認も入れずに最後まで聞くということを毎日24時間続けられるか?

「親密性」の「才能」のない人は、それが必要だと分かっていても、3日と持たない。

しかし、「親密性」を持つ人は、必要ならばこういうことがずっとできる。というより、それが自然な状態なのである。

才能があるということはそれぐらいすごいことなのだ。

「才能」がない場合は、程々に「知識」と「技術」を身につけ、「折り合いをつける」ことを心掛けることが大事だ。

例えば、どうしても「親密性」を発揮したいなら、使う相手を限定すればいい。恋人、家族、大切な友人など、どうしても親密になりたい人にだけ「技術」を用いれば良い。そういう限定条件を用いれば、「弱みと折り合いをつける」ことも不可能ではないのだ。

 


3.大事な人とやると、お互いの理解が深まる

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①リクラブするなら、ストレングスファインダー

就活生だった頃、自己分析が必要だったということもあり、僕はその時付き合っていた彼女とずっとストレングスファインダーの話をして盛り上がっていた。

就活生でリクラブするなら「ストレングスファインダーやろう!」と言ったほうがいい。自己分析になるのはもちろん、相手のことを深く知るきっかけになるからだ。

ストレングスファインダーを受験して自分の強みを知りそこでおしまいという人と、僕みたいにはまる人の違いは、議論する相手がいるかどうかだと思う。

恋人と一緒にやると本当に盛り上がるのでオススメです!

ちなみにカップルがストレングスファインダーにはまるとこういう会話になります(笑)

以下、「活発性」と「達成欲」の強い彼女との実際にあったLINEでの会話です↓↓ 
________

彼女:「悠太のインドア派なとこは「内省」があるからなのね」

「私、昨日から今日までのスケジュールがハードすぎて、悠太に引かれるくらい「活発性」発揮してる。結局飲んで友達の家に行って2時間くらいしか寝てないwwからの今帰宅途中でそれからバイト行ってくるね!」

森井:「やばすぎ……家でゆっくりしようや笑」

彼女:「私、眠いけど外出たら元気になる。すっごい眠いけど映画見たいし、今日安いから映画行ってくる!「活発性と達成欲」強いから、忙しければ忙しいほど元気になるの!アドレナリンで今身体動かしてるもん」

森井:「さすが「活発性」の極み……「内省」強くて「活発性」弱みの俺には、その予定詰めまくりなとこまったく理解できないな」 

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彼女:「「収集心・内省・規律性」が弱みトップ3ですけど何か?」
「なんかさ、この3つ弱みって言われるだけで、どんな人か想像できるよね笑笑」

森井:「がさつで周りのことが見えない猪突猛進型タイプ」

彼女:「うるさいwwwでも当たってるwwww」

「ただ頭の悪さは「活発性×達成欲」で補ってるんで笑」

「それに本の「内省」の説明のところに書いてあったけど、「活発性」に優れた人と組ませると良いって書いてあったよ?」

森井:「わろた。やはり俺たち相性良かった笑」
「「内省」の強み持つ人同士だと、フットワーク重たいからなかなか予定合わないんだけど、「活発性」の人だとスピード感半端なくて、すぐ予定合うから居心地良いねん」 

_______

彼女:「悠太って、「目標志向」と「未来志向」が強みだからか、すごい夢みがちだよね!笑」

森井:「うーん、悪く言えばな!笑 ただ、「原点志向」低い俺にとって過去ってほんとどうでもよくて、なんだったら「適応性」が最も弱みなくらいだから、今・現在にもそこまで興味なくて、未来しか見てないのは確か。過去の成功体験が捨てられないってよく言うけど、過去のことだから成功体験であってもまったく興味ないんよ。余裕で捨てられる」

彼女:「なにそれ、未来のために生きてるの?」

森井:「そう。輝かしい(であろう)未来を想像すると、今がどんなに苦しくても頑張れるし、楽しくなれるかな!」

彼女:「……(理解できない様子)。「未来志向」強すぎて怖い笑」

森井:「俺は目標が高ければ高いほどテンション上がるんだけど、タスクは多ければ多いほど生産性落ちていく。目標志向強めだから、何か一つに絞りたい」

彼女:「私はタスク多い方がテンション上がる!!逆に目標は低く最初設定して、クリアしたら高くしてくって感じ!」

森井:「「目標志向×未来志向×適応性(弱み)と達成欲×活発性×アレンジ」の資質の違いだわ笑」

彼女:「悠太が私の忙しさを理解できないって思ってるのと、「未来志向」強すぎて怖いって思ってるの似てるってことかな!笑」

森井:「せやね。そう思うとなんか急に理解できた気がする!!!」

________
という風な会話でしばらく持ちきりになります(笑)

本書には、34ある資質の説明から、その資質をどうやったら活用できるのか、一人ひとり違う個々の資質をどう活かすかまで書いてあるので、大事にしたい人の強みを教えてもらい、その資質の説明を読むことで、さらに人間関係がうまくいくようになると思う。

そうしていくうちに34の資質に詳しくなっていき、自分の強みを伸ばすだけでなく、様々な相手のことも深く考えられるようになるはずだ。

 

②この一言で、強みはこの資質に決まり!?

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「この一言を言えばこの資質だ」という傾向性がある。あくまでそういう傾向があるというだけだが、頻繁にその言葉を使っていればその資質が高い可能性がある。

例えば、友人と最近の悩みについて語ったとき。「悩みは寝たら無くなるかなぁ」とたまに言う人がいる。「ポジティブ」17位の僕からしたらこれは考えられないのだが、これを言う人はほぼほぼ「ポジティブ」が上位の資質に入っている。

他には、「競争性」が上位の資質にある人の口癖は、「○○ができれば勝ちだな」「負けたくない」「一番になりたい」「日本一を獲る」で、勝ち負けで判断できないようなことでも、すぐに勝ち負けで判断してしまうのが特徴だ。とにかく競争し、人と比べ、白黒つけたがるのが好きなのである。

SNSを見ているだけでも、どんな資質が上位にあるのかわかったりもする。「今の自分があるのは、過去の自分があるから」「今があるのは、あの時の辛かった経験のおかげ」のようなことをつぶやいている人(特に女性に多い気がします)がたまにいるが、「原点思考」が強いのだろうと予想できる。

一方で、去年知り合った友人に、初対面でいきなり「夢は?」と聞かれた。その後、次に会ったときも、「今はまったく違う仕事をしているけど、将来、陶芸家なりたい」と言ってた。いつも未来をみていて「未来志向」が上位の資質にある人なんだろうなぁと気付いた。(実際にやってもらったらTOP5だった)

以前に後輩と話していたら、「ホワイトデーは全員違うものを返しますよ」と言っていて、あぁ「個別化」出てるなぁと。(実際に個別化9位)

テレビを見ていて神対応と呼ばれるアイドルを見ると、「この人は完全に社交性の人だ」などと思ってしまう。

 

社交性と言えば、ペットショップで働いてる先輩に「ペットショップで働いていて、何しているときが一番楽しいですか?」と聞いたら、「クレーム対応してるときかな。クレームを言ってきたお客さんが常連さんになってくれたとき、一番嬉しい!」と言っていた。

クレーム対応が得意な資質は「回復志向」。回復志向×社交性が出てる!

(生き物関係ないし、クレームなんて大嫌いなのですごく驚きました。笑)

僕は回復志向が30位なので、この資質のことが全然理解できず、本を読んでみると「3歳の娘が初めてセーターのボタンを留めようとしていて、それがずれていたりすると、飛んで行って直したい衝動にかられます」というエピソードが出てきて、さらにわからなくなりました(笑)

回復志向(3位)と成長促進(8位)の友達が「才能ある人よりダメ男が好き。ダメ男を良くしてあげたい」と言っていた。僕は才能ある人に惹かれる(最上志向)ので、真逆だなぁと。

また、ストレングスファインダーにはまる人は、「個別化」を強みに持っている人が多いような気がするのだが、「個別化」がない人は、相手の資質が何か見極めることが困難である。

ストレングスファインダーをやってもらった友達に「森井の強み何だった?」と聞かれて、「何だと思う?」と聞き返すと、一切当てようともせず「わからない」とだけ言う人は「個別化」ワーストのことが本当に多かった。

 

ストレングスファインダーのフレームワークで人を観察していたら、このように相手が話すちょっとした言葉や何気ない一言から、相手がどのような資質を持っているのか、性格が掴めるようになり、その人にどんな強みや弱みがあるのかがわかるようになってくるのである。

(※勝手にレッテルを貼るのは良くないので、もちろん注意が必要です) 

 

③本当の意味で多様性を受け入れられるようになる

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ストレングスファインダーの理解を深めていくと、

「決断は早く」
「メールは即レス」
「考える前に動き出せ」
「他人と比べたり、競争してはいけない」
キャリアプランなんていらない、今を生きろ」
「夢があるのに行動してないやつはくそ」
「5年後、どうなっていたいのかを考えなさい」

といった、いわゆるできるビジネスマン風なTipsがいかに嘘であるかがわかる。

全て一部の資質にしか当てはまらない内容だからだ。相反する資質を持つ人が上記のようなことをすると、真逆の悲惨な結果をもたらすことになる。

ネットで飛び交うこのような言葉に決して惑わされてはいけない。

 

他には、

「友達は、広く浅くより、狭く深くの方がいい」

「社交性」の資質を知っているあなたなら、もうこれがおかしいということがわかると思う。「親密性」の人にしか当てはまらない言葉だ。

「目標志向」の人にとって、やるべきことは一つに絞るべきだが、
(実際に、僕は一番目に成し遂げたいことのためなら優先順位の二番目以下は全て犠牲にする覚悟を決めている)

「アレンジ」がある人にとって、一つに絞ることはむしろ非効率であり、マルチタスクの方がいいのである。

 

ということは「回復志向」の人にとっては「弱みではなく強みに投資せよ」も嘘ということになる。

この資質を上位に持つ人は、弱みを改善することにワクワクし、輝くからだ。

(回復志向の人にとって「弱みを改善すること」が〝強み〟なので、そういう意味では、「弱みではなく強みに投資せよ」は真実でもある)

 

ーーーーー 

自分の話をさせてもらうと、最近僕は「目標」(目標志向)を否定された。

本作りの教科書としている本があるのだが、とても尊敬しているその本の担当編集者に「40歳までにその本を超える本を作ることが目標です!」と宣言したら、

「目標とベンチマークは違う。ベンチマークならいいけど、目標は違う」

とまさか僕の目標を否定されてしまったのである。

言いたいことはわかるが、目標が違うなんてことはない。尊敬している編集者に否定されたからといって、前言撤回するつもりはない。

なぜなら、これが僕の成長スタイルだからだ。

「目標志向」と「競争性」が強いので、ライバルと競争しながら、憧れな人を目指して精進する。そして、たゆまぬ努力の末、憧れの人に近づいてきたら、また新たな憧れ(目標)を見つけ、精進する。

一般的には人と比べるのは良くないとされているけれど、これが僕の成長スタイルだ。

ライバル(目標)がいなくなると途端にモチベーションが落ちてしまうし、競争は楽しいから競争している。

何より、ライバルと競争しながら切磋琢磨する過程こそが僕にとっての最良の瞬間(幸せ)なのである。

 

このように物事を一義的に捉えていたら、人間を理解し損なって、他人(または自分)を否定しかねない。

つまり、大事なのは、

「より自分に合った方法を見極めた上で、自分の強みが活きる方法でやる」

だ。

(ほんとはそんなことないが)世間一般に良いとされている価値観に惑わされてはいけないのである。

 

ストレングスファインダーによって才能に34個の名前が付けられたことで、今まで見えてこなかったことが見えてくるようになり、自分をコントロールしやすくなるだけでなく、多様性を受け入れられるようになるはずだ。

まずは自分に詳しくなること。

しっかりと自分の持つ資質を知ることで、自分にはない資質を持つ人たちをより深く理解できるようになる。

もちろん本当の意味で、自分の持っていない資質を理解することはできない。

しかし、自分の資質の価値がわからなければ、他の人の資質がわかるはずがないのである。自分の複雑な資質の仕組みを把握することで、他の人の資質も理解できるようになり、その価値を認めることができるようになるはずだ。

 

僕はストレングスファインダーを学ぶことで、他人だけでなく自分もとにかく否定しなくなった!

どんなにすごい〝あの人〟にだって、34番目の資質があることを知ったからだ。完全無敵の超人に見えるあの人にだって、何者でもない自分よりできないことがあるのである。そして、自分の方が優っていることは誰にでも絶対に一つはあるのだ。 

 


■4.ありのままの姿を肯定して、受け入れる

◆さいごに:自分のできないことばかりに目がいっていた大学時代。あるきっかけで幸せになる一番の近道を見つけた

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大学1、2年生の頃、自分のできないことばかりに目がいっていた。自分は何もできないろくでなし。時事、英語、プログラミング、数字……苦手なことばかりで、もっと弱みを克服しないと!とずっと思っていた。

でも弱みはたいてい好きじゃないことで、克服するのがとても苦痛だった。もちろんなかなか得意や好きに変わることはなかった。自分の弱みにばかり時間を使い、その度に何もできない自分に嫌気がさしていた。

そんな「できないことばかりの自分」が大学3年生のある日、たまたま手に取ったのが『さあ、才能に目覚めよう』だった。

自分の強みがわかるからと、友達に薦められた。自分に強みなんて何もないと思っていたから、半信半疑でストレングスファインダーを受験することにした。

30分後、パソコンの画面に5つの資質が表示された。すぐに本に書いてある資質の説明を読んだ。

「これが俺の強み……?」

衝撃だった。自分のなんでもない性格が強みだと言われ、初めて自分を認めてもらえた気がした。それから自分の持っている資質の箇所をむさぼり読んだ。気付いたら本は赤線と付箋でいっぱいになっていた。

本書では「弱みではなく、強みに投資せよ」と書かれている。『さあ、才能に目覚めよう』を読んで、「なんだ、弱みではなく、強みに投資すればいいのか!」とやっと気付くことができた。今思えばなんでもないことなのだが、当時の自分からしたら大発見だった。

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僕の強みの資質に「個別化」がある。「個別化」を強みに持つ人は、一人ひとりが持つユニークな個性に惹かれる。個人個人の違いに注目し、人の性格、動機、考え方、関係の築き方を観察している。

つまり、目の前の相手に合った、その人に対してだけの一番いい接し方がわかるのである。

大学生の頃、同期が200人くらいいるかなり大きなインカレサークルに所属していた。そんな大きなサークルだとなかなか輪に入れず辞めていく人が多数いた。

辞める理由の大半は人間関係だったりするのだが、何かやりたいことがあって前向きな理由で辞めるのならいいが、人間関係で辞めるのはもったいないと、サークルを辞めそうな人を見つけてはいつも声をかけていた。

なぜ辞めようとしているのか、またその人が何を求めてこのサークルに所属しているのか。この人の良いところはここで、それは今のサークルだとこうやってうまく活かすことができるんじゃないだろうか。

それらがわかって解決できれば、きっと辞めなくてすむと思っていたからだ。

そして、辞めそうな人に声をかけるなんて当たり前にみんなできることだと思っていた。

しかし、ストレングスファインダーを受験して初めて、これは自分だからできる「個別化」と「共感性」の資質のおかげなんだと認識することができた。僕はその人だけの想いに気づくことができたのだ。

衝撃だった。いや、正確には、すごく、嬉しかった。

こんな資質、比較できないから自分が秀でているなんて夢にも思わなかったからだ。

その後、強みや自分の好きなことに時間を使うようになり、一気に毎日が楽しくなった。苦手で好きでもない勉強をやめ、時間を忘れて好きな文章をひたすら書いた。

「個別化」と「内省」という資質的にも向いていたので、ぐんぐん伸びていった。

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本書では終始「弱みではなく、強みに投資すべき」と書かれている。これにはもちろん同意だが、それだけではない気がしている。

ストレングスファインダーのおかげで、自分ことをもっと知ることができる。自分に強みなんて何もないと思っている人にも、何が秀でているのかを教えてくれる。

自分はこれが優れているのだと、自分を肯定してあげられるかもしれない。今の自分でいいんだと、背中を押してもらえるかもしれない。

今のありのままの自分を受け入れることができたら、きっと相手にも優しくなれる。もっと相手のことを知ろうとするきっかけにもなる。相手のことを深く理解できれば、きっと相手も自分に優しくなるだろう。そうなれば、みんな自分らしくもっともっと生きやすくなるはずだ。

「自分も大事なあの人のことも、ありのままの姿を肯定して、受け入れることができるようになる

これがストレングスファインダーの隠された本当の良さなんじゃないかなぁと今では思う。

強がって必死に虚勢を張っていたあの時の僕に、「ありのままの自分でいいんだ」と言ってやりたい。

それまではすぐに他人を否定してしまっていた。他人を否定することでなんとか自分を保とうとしていたからだった。それは、今のありのままの自分を受け入れられていないだけだった。

もちろん自分を甘やかすことと、そのままの自分を受け入れることは違う。

それでも、一人でやろうとせずに、苦手なことは得意な人に任せればいい。決して弱みを無視しろというわけではない。弱みとうまく付き合い、自分の強みを最大限伸ばしていく。そうすれば、きっとありのままの自分を受け入れることができるはずだ。

そして、何よりそれが幸せになれる一番の近道なんじゃないかなぁと今の僕は確信している。 

 

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【※追記:2020/10/19】
3年半の時を経て、続編を書きました!!!!!

「ストレングスファインダーオタクの僕が診断結果を捨てて辿り着いたたった一つのこと」

です。

今読んでいただいた記事は、大きな枠組みとしての大事な考え方をまとめたストレングスファインダーの「決定版」の記事を作ろうと約20000字かけて書きました。

それだけに、もうこれ以上アマチュアの僕が書くことはないだろうなと思っていたのですが、僕の中で一つ大きな発見をしまして、これは書いておかなければ!!!と思い、再び筆をとることにしました。

良かったら御高覧ください!!!!!

ーーーーー
続編を書いていたときに気付きましたが、僕のブログのタイトルとコンセプトは「思考の整頓~"もやもやしたもの"に輪郭をあたえる~」です。考えることが好きという内省と分析思考の資質がもろに出てました(笑)

7年前に付けたブログ名ですが、今でもとても気に入っています。コアな資質はなかなか変わらないですね!

 

 

参考文献:『さあ、才能に目覚めよう』(マーカス・バッキンガム)『最高の成果を生み出す6つのステップ』(マーカス・バッキンガム)、ストレングスラボ基礎コース事前資料
 

 

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(4月13日だからシイサーで覚えてね!)

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