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思考の整頓

"もやもやしたもの"に輪郭をあたえる

「ドッチボールが地獄だった」と女の子に言われてハッとした話

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小学生の頃、僕にとって「ドッチボールが強い」ことは正義だった。

毎日毎日、休み時間はドッチボール。

体育の時間にドッチボールをするとなったときは、飛んで喜んだ。敵チームの相手に向かってボールを力強く投げつけ、いかに誰よりも長くコートにい続けられるか。

今思えばよくあんなに飽きずに同じことばかりできたなぁと思うけれど、それくらい夢中で楽しかった。

それから学年が上がり、中学生になり、いつの間にかドッチボールをしなくなっていった。

そんなことすら忘れていた最近、Twitterを何気なく見ていたら、同じゼミだった先輩が「ドッチボールは地獄だった」とつぶやいていて、思わず首を傾げた。

ドッチボールが地獄?あんなに楽しかったドッチボールが?

即座にそのツイートに返信した。ドッチボールが地獄ってどういう意味ですか?と。するとこう言われた。

「ボールに当たるのが痛いのに、ボール当てるゲームとかほんとに怖さしかなかった……人にボールを当てて何が楽しいのよ」

これを聞いて愕然とした。

仲良くなるために強制的に参加させられる男女混合のドッチボール大会。特に運動が苦手な女の子は足がすくみ、ただただ怯えた時間を過ごす。

いかに弱いボールで外野に出るか、または気配を消してゲームに参加していない空気を出すかで必死になる。

逃げ回ったら逃げ回ったで、恐怖が続く。ゲームの終盤は早いボールを投げる人しか残らないから、地獄が待っている。

僕はドッチボール強者だったのでまるで気づかなかった。ある女の子にとってドッチボールは地獄だったと知って、思わず言葉を失った。


無差別殺戮か、救済か

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前に『ねずみに支配された島』という生物多様性について書かれた本を読んだことがあったのを思い出した。

捕食者のいない島の生物は、大陸で進化した捕食者が侵入すると瞬く間に絶滅の危機に追い込まれてしまうらしい。

地球の片隅の島で絶滅に向かっているそんな動物たちを救い、捕食者を殲滅しようとする人たちの物語。

オセアニアでは、人間が連れてきたネズミのせいですでに2000種類近くの動物が消えたと書かれている。

そんな捕食者であるネズミを殲滅させるため、ネズミ駆除作戦が実行される。人間たちが連れてきたのに、いざ問題が起こると駆除するというなんとも自分勝手な話だが、考えさせられるのはここからだ。

絶滅に向かっている動物にしてみたら「救済」かもしれないが、ネズミにとってみればただの「殺戮」なのである。

それでも、ネズミを駆除しなければ、島は絶滅する。ネズミだらけの島になってしまう。保護活動家は、新しい殺鼠剤で、一匹残らずネズミを殲滅しようとする。 そしてそれを聖戦と言う。

ネズミを殺戮することは、はたして本当に聖戦なのか。どこまでが救済で、どこからが無差別殺戮なのか。

 

僕たちはどんな社会にいかに生きたいのか

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何が正義で、何が悪なのかわからなくなってきた。

自分がやっていることは本当に正しいのかを考えさせられる。正義だと思っていたことが、違う人からしたら悪な場合がある。

小学生の僕にとっての「ドッチボールが強いこと」という正義は、本当に正義だったのか。

数学の試験みたいに、これが正解!ときっぱりと答えを出せないのがとてももどかしい。

バトル漫画で、すごい悪いヤツだと思っていた敵キャラが、敵キャラは敵キャラで自分の正義にのっとって、自分の信じる道を進んだ結果であって、本当は悪いヤツではなかったのかもしれないと、倒した後になって気づくあのもどかしさにすごく似ている。

これから死ぬまでにこのもどかしさに何度か出会う日が来るかもしれない。

貫き通さねばならない正義とは、大切にすべき価値観とは。

子どものドッチボールから、戦争という大きな問題まで、社会のいたるところで意見の分かれる"正義"が起きている。

正解のないこの問いに答えるためには、僕たちはどんな社会にいかに生きたいのかを考えておく必要があるのかもしれない。

時に意見をぶつけ合い、折り合いをつけ、差異を受け入れる。

きっとどこかに共通善が存在すると信じて。

 

 

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