思考の整頓

"もやもやしたもの"に輪郭をあたえる

誕生日を祝ってもらえる人と、祝ってもらえない人のたった一つの違いとは

昔々、ある遠い国に、どんなことでも「科学」で悩みを解決することのできる神様がいました。その神様のもとには、悩める老若男女が夜な夜な通い、人生相談をしに来ていました。

そして今宵も……。

コンッ、コンッ。ノックの音が聞こえた。

あなたがどんな悩みも科学で解決できる神様ですか?

あぁ、そうじゃ。わしが神じゃ。

ただの噂だと思っていましたが、ほんとにいるんですね……。早速ですが、私の悩みを聞いてくださいますか?

もちろんだとも。お前さんの納得がいくまで人生相談乗ってやろう。さぁ、部屋へお入り。

  

■悩み:友達から誕生日をあまり祝ってもらえないこと(相談者:女子大生・22歳)

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悩みの神様が長椅子に腰掛けると、ゆっくりと口を開いた。

深刻な顔をしとるが、どんな悩みを抱えておるのじゃ。見た感じ、今どきの女子大生って感じで、容姿も整っておる。何一つ不自由にしとらん気がするがなぁ。

そんなことはありません。

私は4年前に東京の大学に通うために上京してきました。つい先日、22歳の誕生日を迎えました。しかし、私はあることに気付いてしまったのです。周りの大学生よりも、あまり誕生日を祝ってもらえないことに……。

ほほぉ。友達から誕生日を祝ってもらえないことが悩みというわけじゃな。

はい、そうなんです。大学生最後の今年の誕生日こそは、盛大にやってみたくて、でも周りが計画してくれるわけもなく、自分で企画しようとしたんです。でも、それすら人数が集まりそうになくて、結局、「誕生日は家族と過ごすことになった」って嘘付いて、誕生日会を中止にしたくらいなんです。

それなのに、周りの友達たちがSNSで頻繁に「サプライズで誕生日祝ってもらいました(^O^)/」みたいな投稿をしているのを見て、すごく羨ましいし切なくって……。

本来なら楽しみであるはずの自分の誕生日なのに、祝われないで一人で過ごす自分の誕生日が来るのが怖いです。明るい性格ではないし、友達も多くないので、祝われないのは当然なんですかね。こんな悩みですが、解決できるでしょうか……。

うむ。もちろんじゃ。わしの言うことを聞いて実践すれば、必ずしっかりと祝われるようになるぞ。 

 

◆誕生日を祝ってもらえる人と、祝ってもらえない人のたった一つの違い

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ところで、お嬢ちゃん。最近いつ友達の誕生日を祝った?

友達の誕生日ですか?

うーん、そうですね……そういえば、もうしばらく祝ってないですねぇ。かれこれ2年前くらいですかね。

やはりな。祝ってもらえない原因はそれじゃ。

どういうことですか?

何か勘違いしとるかもしれないから言っておくが、誕生日を祝ってもらえる人はな、その人が周りから好かれるキャラだから、輪の中で中心にいる人気者だからとか思ってはおらんか?

え?違うんですか?

私はクラスの中心でも人気者でもないから祝ってもらえないんだと思っていたのですが……。

「誕生日を祝ってもらえない原因は、友達の誕生日を祝っていない」からなんじゃ。 

 

◆今の自分の環境は、自分の心を映す鏡

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お嬢ちゃんが「誕生日を祝ってもらえない」ということは、お嬢ちゃんが「誰か大切な人を祝わずに生きている」ということ。

現実の出来事は、一つの結果なんじゃ。その結果には必ず原因がある。その原因がどこにあるかと言うと、お嬢ちゃん、あんたの心の中にあるんじゃよ。

つまりだな、お嬢ちゃんの人生は、お嬢ちゃんの行動を映し出した鏡なんじゃ。相手は自分の鏡。これを鏡の法則というんじゃ。

鏡の法則

うむ。世の中に起こる出来事の結果には、必ず原因がある。原因をしっかりと見つめ直すことで、未来に起こる出来事、つまり結果を変えることができる。

お嬢ちゃんに起きている結果は、「大切な人から誕生日を祝ってもらえない」ということ。考えられる原因は、お嬢ちゃんが「大切な人を祝っていない」ということなんじゃ。

 

思い返してみたら、最近友達の誕生日を祝った記憶がなかった。正直、他人の誕生日に興味がなかった。自分にとって自分の誕生日はとても大切なかけがえのない日だが、自分にとって相手の誕生日はとるに足らない日。そんな風に思っていた。だから祝ってなかったのであった。

 

◆利他意識は伝染する

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鏡の法則以外に「好意の返報性」という法則も知っておくべきじゃな。

あ!それは大学の心理学の授業で聞いたことがあります!

うむ。好意の返報性とは、「他人がこちらに何らかの恩恵を与えたら、似たような形でそのお返しをしなくてはならない」と無意識で思ってしまう心理のこと。

そこでお嬢ちゃんの悩みの解決策の一つはこれじゃ。

「友達にひと月に1回「お誕生日おめでとう!」としっかり祝うこと」

まずは見返りを求めないで、祝い、与える。そして、してもらったことは覚えておいて、いつか必ず返す。

お嬢ちゃんが憧れる誕生日を祝ってもらっている人というのは、自分から祝ったり、とにかく人に何かを与え続けている人じゃ。いわゆるギブギブギブと言われるやつじゃな。それが、鏡の法則や返報性の原理などによって、回り回って返ってくるから、結果的にギブ&テイクになっているだけで、もとはギブし続けているだけなんじゃ。 

「どれだけ普段から人に与えているか」を肝に銘じておくことじゃな。仮にクラスの人気者であっても与えていなかったら、誕生日を祝ってもらえる確率は低くなる。

一方で、普段から利他行為をしている人は、利他意識が伝染し、周りにいる人達も利他行為をするようになる。その結果、回り回って自分の誕生日になったとき周囲からたくさん祝われるようになるだけじゃ。ギブギブギブが良いと言われるのはそういうことじゃな。

社会的ネットワークの性質上、そういった周囲から受ける恩恵というものは、クラスの人気者といったような「ネットワークの中心」にいる人の方が、「ネットワークの周縁」にいる人よりも享受できる。

そのためクラスの中心人物が頻繁に祝われているように見えるかもしれないが、元は普段から与え続けているだけの話なのじゃ。

 

◆大事な仲間の人生を懸けた挑戦の時は、必ず立ち合い、応援する

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自分の誕生日会に友達を誘ったのに、誰も来てくれなかったと言っておったな。

はい、悲しいことに。

また思い返してみぃ。最近、友達の誘いに断ってばっかりではなかったか?

そういえば、確かに……。ついこないだもダンスサークルの仲の良い友達から引退イベントに誘われていたのですが、あんまり興味がなくて、本当は空いていたのに「バイトがあって行けない」と言って結局行かなかったんです。今までも何度か誘われたこともあったのですが、「行けたら行くね」と言って流してしまうことばかりで……。

そうじゃろうな。お嬢ちゃんに起きていることを見れば、お嬢ちゃんの心の中を覗くことができるわい。

いいか、よく聞きぃ。ただの飲み会や遊びの誘いなら断ってもそこまで支障はないかもしれない。しかし、本当にこれからも仲良くしていきたいと思っている相手の「ここぞ!という大事な誘い」だけは絶対に断ってはいけない。

今まで何か月も何年も、ずっと努力して積み上げてきた集大成の場。そんな誘いに来てくれないということは、「その友達のことなんてどうでもいい」と間接的に言っているようなもんじゃからな。

それなのに自分の誘いは来てほしい?

そんな人の誕生日会に誰が来るんじゃ。お門違いにもほどがあるわい。ここぞ!という時に来てくれない友達は、本当の友達ではないからな。

言われてみれば、おっしゃる通りです……。ということは私が今までしてきたことは、「もうあなたとは仲良くする気はないです」という合図にもなっていたのですか……。私はなんてことをしてしまっていたんでしょうか、うぅ。。

だからな、そんな時はどんなに忙しくても、ちょっとでもいいから顔だけでも出すんじゃ。どんなに忙しくたって5分くらいは行けるだろう?

仮に友達の出番がほとんど見られなくても、「わざわざ忙しい中、自分のために顔を出してくれた」ということが相手を喜ばせるのじゃよ。

「友達に会いに行く」ということは、自分の時間を相手に割くという素敵な贈り物。

こう言うとどこかテクニックのように聞こえてしまうかもしれないが、要は相手のことや状況、立場をどこまで気遣えるか、想像できるかだと思ってくれてええじゃろう。

自分にとってはたかだが1時間のイベントでも、相手にとっては何百時間の積み重ねの上にできた1時間なんじゃ。この相手の背景をどこまで想像できて行動できるかが、人付き合いがうまくいくかの分かれ道じゃ。

そんな自分の集大成の場に来てくれた人は一生忘れないし、ずっと感謝し、次何かあったら絶対に返そう!と思うもんじゃからのぉ。

確かに、そうですよね。先日、第一志望の会社から内定をもらうことができ、無事に就職活動を終えることができました。すごくお世話になった先輩がいたので、内定報告を電話でしたんです。そうしたら、「直接おめでとうを言いたいから、すぐに今日祝わせてくれ」と言われ、内定した日に内定祝いをしてくれたんです。

内定祝いを「来週やまた今度」ではなく「内定した今日」しようと言ってくださったことが、すごく嬉しくって、思わず泣いちゃうくらい感動しました。今でも思い返すと、嬉しいですし、きっとこれからも一生忘れないと思うんです。

そうじゃろう。大事な仲間の人生のターニングポイントや、人生を懸けた挑戦の時は、必ず立ち合い、応援すべき理由がわかったじゃろう。 

 

◆まずは身近な人から、150人

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お嬢ちゃん、ダンバー数という言葉を聞いたことはあるか?

いえ、まったく。何ですかその数?

ダンバー数と言って、一人の人間が関係を結べるのは約150人までと言われておるのじゃ。

お嬢ちゃん、大学でサークルか何か入っているか?

はい、茶道サークルに所属していました。

では、そんなサークルで、メンバー全員の顔がわかるレベルで仕事ができるのは、150人くらいまでと言われておるのじゃが、今までまったく周りの人達とうまく関係を築いてこなかったやつが、いきなり毎日いろんな人を祝うは少ししんどいかもしれない。

だから、まずは本当に仲良くしたいと思うこの大事な150人の中にいる人から、コミュニケーションの仕方を変えてみてはどうじゃろうか。誕生日を祝うだけでなく、それこそ後輩の内定を祝ってやるのもよし、自分の内定を祝ってくれた先輩を大事にするのもよし。

ただ、すぐに結果を期待するではないぞ。与えたことは、全て忘れることにするのじゃ。返してくれないからといって、関係を切ってはならんぞ。そして、与えてもらったことは、全て覚えておいて返すのじゃ。

一年から二年、意識を変えて接すれば、きっと自分の誕生日が楽しみになる日もそう遠くはないじゃろうな。幸せの連鎖が続くことを祈っておるぞ。 

 

_________

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今日はありがとうございました!

自分の誕生日を祝ってもらえない本当の理由がやっとわかりました。なんだがすっきりしたし、来年以降の誕生日が楽しみです。言われたことをやってみますね!

正直、始めは悩みの神様とかうさんくさいと思っていたけど、親身に相談を乗ってくださり、私の悩みに対して多くの気付きをもらった気がします!

ということで、来年の私の誕生日の時にまた顔を出しに来ます!誕生日プレゼント待っていますね!

与えてもらいたかったら、まずは与えることですよね?ねぇ、神様♡

 

 

■悩み:友達から誕生日をあまり祝ってもらえないこと(相談者:女子大生・22歳)

■解決策

1.友達にひと月に1回「お誕生日おめでとう!」としっかり祝う。

2.大事な仲間の人生を懸けた挑戦の時は、必ず立ち合い、貢献する。

■科学の法則

1.鏡の法則:現実に起きる出来事は、自分の内面を映し出した鏡であること。

これは、心理学用語で「投影」というメカニズムが働いていて、自分の心の状態を人やモノに映し出すことを言います。

例えば、夜に桜の木を見ていたとしましょう。ある人は「綺麗で、なんて良い日なんだ」と思うかもしれませんが、ある人は「不気味で、今にも枯れそうな寂れた木だ」と思うかもしれません。同じ木を見ていても、人によって感じ方が違います。自分の内面が幸せな時には、輝いているように見え、一方で寂しい時には寂しそうに見える。このように、自分の心をモノに映し出すことを「投影」と言います。

2.好意の返報性:人から好意を受けた場合、それを相手に返そうという感情が抱く心理。

3.ネットワーク理論:ネットワークを通じて、利他意識や幸福を始め、肥満、細菌、お金、暴力、ファッション等、様々なものが伝染する

4.ダンバー数:一人の人間が関係を結べる人数は約150人。

■理論の補足説明(実験結果)

1.募金をしてほしければ、まず先に花を渡すべき?

「好意の返報性」の心理を利用して、莫大な資金を集めた宗教団体がありました。信者達の主要な財源は、公共の場所での通行人から得る寄付金です。始めは、大した効果を上げることはできませんでした。そこで、彼らは、寄付金を募る前に、狙いをつけた人に花をプレゼントしました。勧誘者は「私達からの贈り物です」と無理やり何も知らない通行人のジャケットにピンで花を留めました。

このように好意の返報性の心理を、その場に持ち込んだ上で、寄付をするよう要求します。これが恐ろしいほどうまくいき、募金を募ることに成功をおさめたのでした。返報性の心理は、要請者への嫌悪感さえ凌駕して力を発揮するので、注意が必要でもあるのです。

 

2.肥満は、友人の友人の友人まで伝染する?

ネットワークを通じて、幸福や肥満を始め、細菌、お金、暴力、ファッション等、様々なものが伝染します。

ある研究によれば、直接つながっている人(一次の隔たりにある人)が幸福だと、本人も約15%幸福になるという。しかし、幸福の広がりはそこでは止まりません。
二次の隔たりのある人(友人の友人)に対する幸福の効果は約10%、三次の隔たりのある人(友人の友人の友人)に対する効果は約6%あるそうです。この幸福の影響は、四次の隔たりまでいくと消滅します。

例えば、もし自分が肥満になると、友人の友人の友人まで肥満になる可能性が上がるのです。なんとネットワークを通じて、三次の隔たりまで私たちに影響を及ぼします。

 

3.組織の規模は何人以上になると、さぼりや病欠が増える?

組織の規模が、150人くらいまでなら、全員の顔がしっかりとわかる状態で仕事ができますが、それ以上になったら、序列構造を導入しない限り、仕事の能率は落ちると言われています。150人を超えると、さぼりや病欠が一気に増えるのです。

これはビジネスの世界だけでなく、学問の世界でも同じです。サセックス大学教育学部のトニービーチャーが理系・文系の12分野を対象に調べたところ、研究者同士が注目し合えるのは、100~200人の規模であることがわかりました。研究者の数がそれより多くなると、その学問分野はいくつかの領域に分裂する傾向にあるという実験結果が出ています。

  

 

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本文で紹介したダンバー数のダンバーさんの著書。 

 

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

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 好意の返報性について詳しく書かれています。

 

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 鏡の法則について。