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思考の整頓

"もやもやしたもの"に輪郭をあたえる

1万円課金して、ストレングスファインダーの資質34位まで開示してわかった6つのこと

数年前、ストレングスファインダーの資質34位まで開示するために1万円を課金した。

お互いの性格をよく知っている親友と全資質を開示した上で、数ヶ月に渡り、自分たちの性格を議論した。僕も親友も上位5つの資質に「個別化」があったこともあり、相手の才能を観察し、このフレームワークで性格分類することにどはまりした。

この記事は、1万円課金して資質34位まで開示し、仲の良い友人・先輩・後輩20人に受験してもらいデータを取った後、親友と議論の過程で気付いたことを、資質や強みのことをもっと知りたいという方のためにまとめたものである。

約16000字の超長文となっているので、どこか気になるところから読んでもらって大丈夫です!


【目次】
1.
ストレングスファインダ-とは
5つの資質の強みは、自分が最初に活用するもの

2.1万円課金して34位まで開示してわかった6つのこと
①資質は、単独ではなく、組み合わせで考えるべき
相反する資質を持ち合わせることはありうる
もう性格は変わらない
自分のことを深く知ることで、相手のことをより理解できるようになる
弱み対策ができる
Ⅰ.強みと弱みは表裏一体
Ⅱ.弱みを克服するために強みを活かす
Ⅲ.弱みを補ってくれるパートナーを見付ける
Ⅳ.弱みを打ち明ける
.それでも弱みを伸ばしたい方へ
⑥資質によって向いている職種がある

3.大事な人とやると、お互いの理解が深まる
①リクラブするなら、ストレングスファインダー
②この一言で、強みはこの資質に決まり!?
③人は、自分に似ている人と、憧れの人と一緒にいたい

4.ありのままの姿を肯定して、受け入れる
自分のできないことばかりに目がいっていた大学時代あるきっかけで幸せになる一番の近道を見つけた


■1.ストレングスファインダ-とは

ストレングスファインダ-を受験したことある人向けの記事なのでここはさくっと。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

 

『さぁ才能に目覚めよう』は「強み」について書かれた名著。

この本を買うと、自分の強みが何なのかがわかる「ストレングスファインダー」という性格診断テストを自宅で受けられる。そして34つある資質のうち、自分の強みである上位5つがわかる。

さらに89ドル(約1万円)を課金すれば、残りの6~34位までの資質を開示することができる。→ここから課金できます

自分の強みは意外とわからないものなので、おそらくストレングスファインダーを受験した人は、「そうそうこれが俺の強み!合ってる!」または「これが自分の強みだったのか……!」と膝を打ったと思う。

これと同じくらい、34位まで開示すると「自分の弱みはこれか……!」と合点がいくはずだ。

受験生の偏差値みたいに露骨に周りと比較できるような資質なら、すぐに自分がその資質が優れているのか劣っているのかわかるが、こと性格に関してはなかなか比較しづらい。

それだけに、これが今まで知らなかった様々な自分の一面を知ることができる。本当にすごい!

さて、ストレングスファインダーを受験してしばらく経つという人もたくさんいると思うので、「1万円課金して34位まで開示してわかったこと」に入る前に、5つの資質の強みに関してのおさらいからさせてください。(最近受験したという方は次の章から読んでみてください!)

ちなみに僕の34資質の順位はこちら↓↓(自分の性格の隅々まで知られるようで恥ずかしいですが笑) 

1.個別化
2.競争性
3.目標志向
4.未来志向
5.内省
6.自我
7.規律性
8.社交性
9.最上志向
10.達成欲
11.分析思考
12.調和性
13.収集心
14.学習欲
15.指令性
16.共感性
17.ポジティブ
18.運命思考
19.アレンジ
20.成長促進
21.信念
22.自己確信
23.戦略性
24.コミュニケーション
25.慎重さ
26.公平性
27.責任感
28.包含
29.着想
30.回復志向
31.活発性
32.親密性
33.原点思考
34.適応性 

 

5つの資質の強みは、自分が最初に活用するもの

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5つの強みである資質は、何か問題にあたる際、自分が最初に活用するものである。どのような状況であれ、まずその5つの資質が判断を下し、その人特有の行動をその人に起こさせる。

一方、その他の資質はたまにしか反応しない。それも特別な状況のときだけだ。

たとえば、「内省」の資質を持つ人は、常に何かを考えている。困難にぶちあたった時はもちろんのこと、何もないときでさえ一人で物思いにふけっている。一方、この「内省」を強みとしていない人の場合には、課題か何かを解決したいときくらいしか反応しない。

また「成長促進」の資質を持つ人は、他の人を指導して、さらに成功に導く機会はないかと常に目を光らせている。指導育成する相手の成長が気になって仕方がない。一方、この「成長促進」が強みの資質にない場合、誰かが目の前にやってきて、仕事に関するアドバイスを求めたときぐらいにしか反応しない。

これらの強みの資質は、まさしく天賦の才であり、いかなるときもたくましさを失わない。

本書によると、成長の可能性を最も多く秘めているのは、一人ひとりが一番の強みとして持っている分野であると言う。

どのような業務が適していて、大勢の中で自分が秀でた才能を発揮できる分野とは何かがこの性格診断でわかるのである。

特に他人と比べることがないような資質は、これで初めて知ることができる。

例えば、僕は上位5つに「内省」が入っていてすごくすごく納得した。だから本を読むのが好きなんだなぁと腑に落ちた。

前述した通り、「内省」の資質を持つ人は、常に何かを考えている。困難にぶちあたった時はもちろんのこと、何もないときでさえ一人で物思いにふけっている。

読書とは、「自分との対話」である。本から「情報」を手にする以上に、「内省する時間」を得ている。本の内容を咀嚼することで、今までの自分を見つめ直し、これからありたい未来の自分に想いを馳せることができる。そのため、良書に出会うと途中で読めなくなってしまうことがある。考え込んでしまうからだ。

だから本を読むことが好きなのかと、「内省」が強みだと知り、すごく腑に落ちた。このように他人となかなか比較しづらい資質を優れているのかどうかを知ることができるのでとても面白いし、自分を知る上で本当に役に立つ。


■2.1万円課金して34位まで開示してわかった6つのこと

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①資質は、単独ではなく、組み合わせで考えるべき

5つの資質の組み合わせは3300万通り以上ある。そのため5つとも同じ資質を持つ人はいないに等しい。

親友と34位まで開示してお互い最初に気付いたことは、「資質は、単独ではなく、組み合わせで考えるべき」ということだった。

というのも、同じ資質を持つ者同士でも組み合わせ次第でまったく性格が変わるからだ。

例えば、僕の持っているこの3つの資質を見てほしい。

「自我」6位
「社交性」8位
「コミュニケーション」24位

僕は「自我」が強いので、目立つのは好きで、「社交性」も高く人見知りしないので比較的誰とでもすぐに仲良くなることができる。しかし、「コミュニケーション」が24位と低いので、大勢の前で話すのは苦手だ。

一方で、「社交性」が28位とだいぶ低いのに、「自我」5位と「コミュニケーション」3位という友人がいる。

その人はどういう性格かと言うと、普段は人見知りをし、とても人前で話すようなタイプには見えないのだが、「自我」と「コミュニケーション」の資質により、人前に立つと急にアドレナリンが出てぞくぞくとすると言っていた。気分が高揚し、反対に気持ちが落ち着くのである。

人前で話すことが得意そうに見られる僕が実はすごく苦手で、人付き合いが苦手そうな人が大勢の前だととても流暢に話したりするのである。

これは資質一つだけを見ていては判断できないことで、資質の組み合わせによって、こんなにも性格が違ってくるのだ。資質一つずつ入れ替えただけで、かなり性格が変化する。

優位を占める5つの資質は切り離して考えず、どう影響し合っているのかを見極め、それぞれが組み合わされるとどのような効力を生むのかを知ることが、自分の強み理解の第一歩である。


相反する資質を持ち合わせることはありうる

次に気付いたことは、「相反する資質を持ち合わせることもありうる」ということだった。

僕は「内省」が5位と強みである。

「内省」が高いと、とにかくフットワークが悪くなる。例えば、仕事終わりに飲み会に誘ってもたいてい断られ、直帰してしまう。同じコミュニティに何人かは必ずいると思うが、そういう人はみんなでわいわいするよりも、一人家で読書している方が落ち着くし好きなのである。

一方で、僕は「社交性」8位とそこそこ強みである。

「内省」(5位)×「社交性」(8位)だとどうなるかと言うと、飲み会に行くまでは「あぁ早く家に帰って本を読みながらゆっくりしたい……」と思うのだが、いざ飲み会に行くと、「社交性」が高いので、さっきまで嫌々参加するはずだった飲み会をすごく楽しむことができる。初対面の人に積極的に話しかけに行き、「また今度飲もー!」と次の予定を誰よりも早く取りつけるのである。

このように「内省的なのに社交的」と一見矛盾していそうだが、相反する資質を持つことはありうるのである。

34位まで開示したおかげで「内省的なのに社交的」という自分の矛盾していそうな性格の説明をつけることができ、非常に納得がいった。

またこの記事を書くにあたって、ヨガインストラクターの友達にストレングスファインダーを受験してもらった。

結果は、「内省」4位、「活発性」5位だった。この結果を見て、この友達に抱いていたある違和感がやっと解消された。

というのもヨガのインストラクターという肉体派なのに、将来は作家になりたいと言っていたからだ。肉体派なのに文才があって、どこか違和感を抱いていた。

しかし、両極端である「活発性」と「内省」を上位5つの資質を持っている人であるとわかり非常に納得した。

このことから、人間の性格はそんなに単純ではなく、複雑にできているのだなぁと気付かされた。 


③もう性格は変わらない

これを書くにあたり、本を買い直し、3年ぶりに試しに2度目のストレングスファインダ-を受験してみた。結果は、上位5つの資質のうち4/5が3年前と同じだった。そして、入れ替わった資質は、もともと上位にあったものだった。

もう一度受験したら一つ二つは変わるかもしれないが、資質は永続的なもので、本書によればどれほど自分を変えようとしても、資質は絶対に変わらないそうだ。

しかし、新たな資質は得ることはできないが、新たな「知識」や「技術」を身につけた結果、意欲的に取り組める新たな分野が見つかる可能性は大いにある。

本書にダニエル・Jという女性の例が出てくる。その話がわかりやすいので引用する。

ダニエル・Jは「共感性」と「指令性」の資質に恵まれ、自らの力で成功したジャーナリストだった。インタビューの相手をくつろいだ気分させるのにはおそらく「共感性」がうまく機能し、ひるむことなく厳しい質問を相手にぶつけるのには「指令性」がプラスに働いていたのだろう。

この二つ以外に、文字情報を深く読み取る洞察力にも優れていたので、素晴らしい成果を上げ、彼女は特別記事が書ける地位まで昇進する。ところが、ジャーナリズムの世界に身を置いて10年が経ったところで、突然辞表を出して人生の方向を変えた。セラピストになって、ホスピスに自らの新たな職場を求めたのだ。

長い入院生活を送っている母親を見舞い、何度となく病院に足を運ぶうち、自らの人生を見直すようになり、愛する人の死と向かい合わなければならない人達の役立つ仕事で、より一層世の中に貢献したいという思いが強くなったからだった。

興味深いのは、ジャーナリストとセラピストとでは、要求される「知識」も「技術」もまったく異なるにも関わらず、どちらの場合でも「共感性」と「指令性」が彼女を行動に駆り立て、すぐれた成果を生み出す原動力になったということだ。

「共感性」のおかげで、彼女には、患者の苦痛が肉体的なものか、精神的なものかを見分けられるだけでなく、患者の家族がうろたえているときに、適切な言葉を彼らにかけることができた。

「指令性」もまた大いに役立った。患者の死後が近いとき、患者の家族にどういう事態を覚悟すべきか、何を準備すべきか、そういうことをはっきりと誰かに言うことができた。家族が望むやり方でその場をうまく取りしきる能力があったのである。

このように活かされる資質は変わらなくても、ダニエル・Jのように新たな技術と知識を身に付け、人生の方向を変えることは可能だ。

新たな資質を得ることはできないが、備わっている資質を活かして、新たな強みを築くことはできるのである。

 

自分のことを深く知ることで、相手のことをより理解できるようになる

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ストレングスファインダーを受験する前に、自分の強みの資質はこの5つかなと予想したが、たった一つしか当たらなかった。

僕は「内省」の強みに持っているので家で読書する時間がすごく好きだ。読書とは、自分との対話である。わりと長い時間かけて自分と向き合ってきたので、周りのみんなより自己分析はできているつもりだったのに(就活でも自己分析で苦労しなかった)、たった一つしか当たらなかったのである。

5つの資質を見て「内省」と「競争性」は納得。他の「個別化」「未来志向」「目標志向」は「これが自分の強みだったのか!」と衝撃だった。

特に「個別化」「未来志向」「目標志向」は他人となかなか比較しづらいので、気付きにくい。自分のことくらいある程度はわかるだろうと思うかしれないが、これが意外とわからない。

なぜなら、強みとは自分が無意識でやれることであり、自分にとってあまりにも当たり前なことであるから気付かないのだ。客観的に言われて初めて、「あ、そうそう!」「そうゆえば、よく○○がすごい!って言われてたっけ」とやっと気付くことができるのである。

そして、ここが重要なのだが、しっかりと自分の持つ資質を知ることで、自分にはない資質を持つ人たちをより深く理解できるようになる。

例えば、「内省」が強みの人は、家で一人じっくり考えることが好きだ。もし、社内に「内省」を資質に持つような人がいれば、あまり無理に飲み会に誘ったり、無駄な会議に参加させてはいけない。一人でじっくり内省するための時間がないことが一番の苦痛なのである。(フットワークが重いのは確かだが、決してノリが悪いヤツなんて思わないでほしい)

自分の「内省」の性格をちゃんとわかっていれば、例えば、真逆の「活発性」の資質を持つ相手のことも理解できるようになる。

僕は「活発性」31位で、外に出て動き回るのが苦手だ。

一方で、「活発性」と「達成欲」が強みの友達は、スケジュール帳に予定がびっしりで、「外に出て動き回ると元気になる」と言っていて、始めはまるで理解できなかった。

しかし、この「活発性」の資質も、僕にとって「内省」や「社交性」と入れ替えて考えると理解できるようになった。

「内省」の資質が活きる家でじっくり物事を考えることや、「社交性」が使える知らない人と出会える場は、僕にとって非常にわくわくする。初対面の人が多い場面で、かつそこで良い出会いがあると、アドレナリンが出て次の日朝起きたらすごく目覚めが良かったりするくらいだ。

それが「活発性」と「達成欲」が強みの人で言う、「スケジュール帳に予定がびっしりで、外に出て動き回ると元気になる」なのだろう。

他にも、課題処理に長けている「アレンジ」の人や、強みよりも欠点の回復に力を注ぎたい「回復志向」の人、言いたいことを我慢しない「指令性」の人から、相手の話を聞くのが上手で、好きな相手とより一層親密な関係を築こうとする「親密性」の人までいる。

もちろん本当の意味で、自分の持っていない資質を理解することはできない。

しかし、自分の資質の価値がわからなければ、他の人の資質がわかるはずがない。こうやって自分の複雑な資質の仕組みを把握することで、他の人の資質も理解できるようになり、その価値を認めることができるようになるのだ。


弱み対策ができる

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.強みと弱みは表裏一体

強みと弱みは表裏一体である。僕の5つの強みに「未来志向」と「目標志向」がある。

何かをするとなったとき、僕はまずそれを成し遂げた時の輝かしい未来を想像したり、5年後という将来を見据える。そして、そのためにはどうすればいいか、中・長期的目標と短期的目標を細かく立てていく。

特急列車のようだと言われたりするが、その自分で立てた目標に沿って、ゴールまで最短ルートで行動したいし、実際に行動しようとする。

そのため、途中でハプニングが起きると対応するのがすごく苦手だ。

34ある資質のうち最下位だったのは「適応性」だった。これは非常に納得だった。前々から突発的なハプニング対応が苦手な方かなぁとは思っていたけど、なかなか人と比較できる性格でもなかったので確信が持てなかったが、これで確信ができたのであった。

ここで「適応性」が最下位になったのは、やはり「未来志向×目標志向」が強すぎるからではないかと思う。

僕は「未来志向×目標志向」で「未来」しか見ていないので、自分にとって「過去」(原点思考・33位)はもちろん、「今」(適応性・34位)も重要ではない。

そのため、現在のことでイレギュラーなことが起きるとなかなか対応できない。未来しか見てなさすぎて、今を柔軟に対応できなくなってしまうのである。

回復志向(30位) ⇔ 最上志向(9位)
活発性(31位) ⇔ 内省(5位)
親密性(32位) ⇔ 社交性(8位)
原点思考(33位) ⇔ 未来志向(4位)
適応性(34位) ⇔ 未来志向(4位)

ワースト5の弱みの対となるような資質は、全てトップ10以内に入っている。このように強みも、裏返すと弱みになるのである。(もちろん先ほども述べたが、相反する資質も強みに持ちうるが)

また表裏一体なのは、1つの資質内でも言える。

例えば、「目標志向」。

「目標志向」の人は、目標をまず設定し、そこから逆算して考える。その分、効率よく動くことができ、ゴールまで最短ルートで行くことができる。一方で、それだけに「目標がなければ動けない」「考え方に遊びや副産物が生じない」「目標まで最短ルートではなくなるハプニングに弱い」という弱点もある。

このように、弱みは「資質を持たないことによる弱み」と「資質を持っていることによる弱み」の2種類あるのである。 


Ⅱ.弱みを克服するために強みを活かす

そんな表裏一体な資質だが、34ある資質で補い合うようになってる。しっかりと自分の資質を理解しておくことで、強みで弱みを補うことができる。

34位中最下位の「適応性」の資質が弱みだとわかれば、対策は打てる。例えば、「適応性」がないなら、複数何かを同時に進行させるのをやめ、集中力を一つに絞ってみたり、あらかじめ目標が決まっていても、それを固執せずに、ある程度柔軟に考え、流れに身を任せるよう心掛ける。

「未来と現在は繋がっている」ということを意識することから始め、「未来志向」特有の現実離れした感覚と折り合いをつけるようにすればいい。

「適応性」の才能が無くても、強みである「未来志向」と「目標志向」を伸ばすことができれば、極端の話だが、未来がある程度予測できるので、その分ハプニングに対処できる力が上がる。ハプニングを想定して目標を立てたり、未来予測すれば、緊急事態に対処できるようになるのである。

また「活発性」が弱みの人で、それでも外に出てばりばり行動しなければいけないときがある。大学生の時、僕にとって就職活動時期がそれにあたった。

そういうときは、行動する期間に入る前にじっくり「内省」をした上で、「未来志向」と「目標志向」が強みなので、「次の1年間は、読書を減らし、外に出て行動する1年間にしよう」と決める。そう割り切ることで、「活発性」の無さをカバーし、無事に就職活動を終えることができたのであった。

弱みを克服するのにもやはり強みである才能を活かすことを心掛けた方がいいのである。


Ⅲ.弱みを補ってくれるパートナーを見付ける

佐渡島庸平さん率いるコルクでは、社員にストレングスファインダー受験を導入したみたいだ。

有能なリーダーは、常に自分の強みに投資しているだけでなく、フォロワーたちの強みを理解し欲求を満たしてくれる。自分の強み弱みだけでなく、相手の強み弱みまで考える。そして、相手の強みを知っておくことで、自分の弱みを補完してもらうことができるのである。

資質34位まで開示することで、正確に弱みがわかれば、前述した「弱みを自分の強みでカバーする」という方法だけでなく、「自分の弱みを補ってくれる相手を見付ける」という手段も取ることができる。

友人に、「最上志向」を強みに持つ経営者がいる。その経営者は、「最上志向」を持っていることもあり、自分の専門分野はずば抜けている。しかし、自分がやりたいこと以外の能力は並以下で、完全に抜け落ちてしまっていた。

人より劣っていることに時間を投資しようとしない「回復志向」の無さが自分の弱みでもあることに気付いていたその経営者は、マネージャーに「回復志向」と「成長促進」を強みに持つ人を置いた。「欠点の回復」をそのマネージャーに補完してもらうことで、自分の強みをさらに伸ばすことに成功したのであった。

悪く言うとだが、「最上志向」の一つのことしかできないことと、「回復志向」の器用貧乏であることのお互いの欠点を、補い合うことで危機を乗り越えたのである。

また、5つの強みに「コミュニケーション」「達成欲」「活発性」を持っている友人がいる。かなりの行動派である。「休みの日に家にいたら逆に疲れる」と言っているくらいだ。

しかし、この友人は「内省」が弱みで、じっくり一人で考えるのが苦手である。そんなとき「内省」を強みで、かつ「活発性」を弱みに持つ僕のようなタイプがパートナーだと、じっくり考えた結論をもとに、パートナーにはばりばり動いてもらうということができる。

このようによきパートナーが見つかれば、お互いの弱みを、強みでカバーし合えるのである。


Ⅳ.弱みを打ち明ける

始めから自分の弱みを明確にわかっていれば、対策を打つことが可能である。「強みでカバーする」「弱みを補ってくれるパートナーを見つける」以外に、「自分の弱みを上司や同僚に打ち明けておく」ということが挙げられる。

「個別化」と「共感性」が弱みの後輩がいる。その後輩は、相手の感情や個性といったものを読み取ることがすごく苦手であると気付いていた。この後輩がすごいのは、弱みをそのままに放置しておくのではなく、それらを周りのメンバーにしっかりと伝えることにしたことである。

自分は相手の気持ちを理解することが苦手である。そのせいか子どもの頃、仲間外れにされいじめられていたことがあったということまで洗いざらい全て話した。

「もし、今後自分と仲良くやっていこうと思ってもらえるなら、自分にやってほしいことや理解してほしいことがあれば、直接言ってほしい。日本人特有な以心伝心というやつは悲しいことに僕にはできないのです」

自分の弱みを打ち明け、さらけ出すことで、彼は周りから受け入れられ、周りから協力してもらうことができたのであった。

 

.それでも弱みを伸ばしたい方へ

弱みと折り合いをつける方法・自力解決編:さあ、才能に目覚めよう ファンサイト〜やえばの才能研究所〜

こちらのストレングスファインダーのファンサイト「やえばの才能研究所」で「弱みとの折り合いの付け方」についてが、すごく的確に書かれているので、引用させていただきます。

(資質の説明は正直、本書よりこのブログに書かれている方がわかりやすかったりするので、本の資質の説明を読んでもいまいち理解できなかった人はこのブログがオススメです。翻訳って難しいね!笑)

本書によると、「強み」=「才能」+「知識」+「技術」
「弱みと折り合いがついた状態」=「知識」+「技術」

つまり、弱みは、「知識」と「技術」である程度のレベルまではカバーできる。しかし、「才能」がない状態で「知識」と「技術」のみで頑張るのはとてもしんどいので、強みにはしないほうがいい。

例えば、「親密性」がない人は、人と親密になるのが苦手だ。それを克服するために「コーチング」や「ピープル・スキル」を学んだとする。いずれも「親密性」を持つ人の行動を知識や技術に置き換えたような学問である。「真っ白な気持ちで、相手の話を遮らずに最後まで聞く」ということを説いている。

それを学ぶと確かに人と親密になる「知識」や「技術」は身につく。しかし、「才能」(「親密性」の資質)を持つ人にはかなわない。

なぜなら、親密性を持つ人は「相手の話を遮らずに最後まで聞く事が苦にならない人」だからである。

今から自分に話しかけてくる人全員の話を、手を止めて興味深そうに相づちをうちながら途中で一切遮らずにツッコミや確認も入れずに最後まで聞くということを毎日24時間続けられるか?

「親密性」の「才能」のない人は、それが必要だと分かっていても、3日と持たない。

しかし、「親密性」を持つ人は、必要ならばこういうことがずっとできる。というより、それが自然な状態なのである。才能があるということはそれぐらいすごいことなのだ。

「才能」がない場合は、程々に「知識」と「技術」を身につけ、「折り合いをつける」ことを心掛けることが大事だ。

例えば、どうしても「親密性」を発揮したいなら、使う相手を限定すればいい。恋人、家族、大切な友人など、どうしても親密になりたい人にだけ「技術」を用いれば良い。そういう限定条件を用いれば、「弱みと折り合いをつける」ことも不可能ではないのだ。 

 

⑥資質によって向いている職種がある

こちらの記事でブロガーのイケダハヤトさんが、起業家は「最上志向」が強みの人が多い気がすると言っているが、確かに資質によって向いている職種が存在する。

これは僕調べだが、起業家の人は、「最上志向」以外に、「活発性」や「ポジティブ」の資質を持っている人が多い。起業家はいつどうなるかわからない。多額の借金を背負う可能性もある。そんな過酷な状況下でも楽しみやり抜くためにはやはり「ポジティブ」な資質が必要になってくるのだろう。

本書によれば、ジャーナリストの大半が、優位に占める5つの資質の中に「適応性」を持っていると言う。

一般にジャーナリストというのは次の日にどこに行くのかもわからないような仕事。常に場所が変わると精神的に負担を感じる人もいるが、「適応性」に優れている人は、そういった状況下だからこそ、むしろ意欲がわくのである。予期せぬ出来事が生きる糧になってくる。

また医者の多くは専門分野がなんであれ「回復志向」に秀でているらしく、教師はだいたい「成長促進」と「共感性」と「個別化」に優れているみたいだ。

しかし、資質と職種に関連があると言っても、短絡的に結び付けてはいけない。資質がまったく異なる人たちが、同じ職務で成果を上げているからだ。

特定の職種に向いている特定の資質はあるが、自分の主要な資質が常に活かせるような演じ方を考えれば、どんな職種であっても最高のパフォーマンスを発揮することができる。


3.大事な人とやると、お互いの理解が深まる

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①リクラブするなら、ストレングスファインダー

イケダハヤトさんが奥さんとストレングスファインダーをやって盛り上がったとブログに書いていた。

当時、就活中で自己分析が必要だったということもあり、僕はその時付き合っていた彼女とずっとストレングスファインダーの話をして盛り上がっていた。

就活生でリクラブするなら「ストレングスファインダーやろう!」って言ったほうがいい。自己分析になるのはもちろん、相手のことを深く知るきっかけになる。

ストレングスファインダーを受験して自分の強みを知りそこでおしまいという人と、僕みたいにはまる人の違いは、議論する相手がいるかどうかだと思う。

恋人と一緒にやると本当に盛り上がるのでオススメです!

ちなみにカップルがストレングスファインダーにはまるとこういう会話になる。笑

以下、「活発性」と「達成欲」の強い彼女との実際にあったLINEでの会話です↓↓ 
__________

彼女:「悠太のインドア派なとこは「内省」があるからなのね」

「私、昨日から今日までのスケジュールがハードすぎて、悠太に引かれるくらい「活発性」発揮してる。結局飲んで友達の家に行って2時間くらいしか寝てないwwからの今帰宅途中でそれからバイト行ってくるね!」

森井:「やばすぎ…家でゆっくりしようや笑」

彼女:「私、眠いけど外出たら元気になる。すっごい眠いけど映画見たいし、今日安いから映画行ってくる!「活発性と達成欲」強いから、忙しければ忙しいほど元気になるの!アドレナリンで今身体動かしてるもん」

森井:「さすが「活発性」の極み…「内省」強くて「活発性」弱みの俺には、その予定詰めまくりなとこまったく理解できないからな」 

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彼女:「「収集心・内省・規律性」が弱みトップ3ですけど何か?」
「なんかさ、この3つ弱みって言われるだけで、どんな人か想像できるよね笑笑」

森井:「がさつで周りのことが見えない猪突猛進型タイプ」

彼女:「うるさいwwwでも当たってるwwww」

「ただ頭の悪さは「活発性×達成欲」で補ってるんで笑」

「それに本の「内省」の説明のところに書いてあったけど、「活発性」に優れた人と組ませると良いって書いてあったよ?」

森井:「わろた。やはり俺たち相性良かったか笑」
「「内省」の強み持つ人同士だと、フットワーク重たいからなかなか予定合わないんだけど、「活発性」の人だとスピード感半端なくて、すぐ予定合うから居心地良いねん」 

__________

彼女:「悠太って、「目標志向」と「未来志向」が強みだからか、すごい夢みがちだよね!笑」

森井:「うーん、悪く言えばな!笑 ただ、「原点志向」低い俺にとって過去ってほんとどうでもよくて、なんだったら「適応性」が最も弱みなくらいだから、今・現在にもそこまで興味なくて、未来しか見てないのは確か。過去の成功体験が捨てられないってたまに言うけど、過去のことなので成功体験であっても興味ないんよ」

彼女:「なにそれ、未来のために生きてるの?」

森井:「そう。輝かしい(であろう)未来を想像すると、今がどんなに苦しくても頑張れるし、楽しくなれるかな!」

彼女:「……(理解できない様子)。「未来志向」強すぎて怖い笑」

森井:「俺は目標が高ければ高いほどテンション上がるんだけど、タスクは多ければ多いほど生産性落ちていく」

彼女:「私はタスク多い方がテンション上がる!!逆に目標は低く最初設定して、クリアしたら高くしてくって感じ!」

森井:「「目標志向×未来志向×適応性(弱み)と達成欲×活発性」の資質の違いだわ笑」

彼女:「悠太が私の忙しさを理解できないって思ってるのと、「未来志向」強すぎて怖いって思ってるの似てるってことかな!笑」

森井:「せやね。そう思うとなんか急に理解できた気がする!」

__________
という風な会話でしばらく持ちきりになります(笑)

本書には、34ある資質の説明から、その強みの資質をどうやったら活用できるのか、一人ひとり違う個々の資質をどう活かすかまで書いてあるので、大事にしたい人の強みを教えてもらい、その資質の説明を読むことで、さらに人間関係がうまくいくようになると思う。

そうしていくうちに34の資質に詳しくなっていき、自分の強みを伸ばすだけでなく、様々な相手のことも深く考えられるようになるはずだ。

 

②この一言で、強みはこの資質に決まり!?

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この一言を言えばこの資質だというのがある。もちろん必ずそうだとは言い切れないが、頻繁にこの言葉を言っていれば間違いないだろう。

例えば、友人と最近の悩みについて語ったとき。「悩みは寝たら治るかなぁ」とたまに言う人がいる。「ポジティブ」17位の僕からしたらこれは考えられないのだが、これを言う人はほぼほぼ「ポジティブ」が上位の資質に入っている。

他には、「競争性」が上位の資質にある人の口癖は、「○○ができれば勝ちやな」「これができたら俺の勝ちや」「いやぁあの人には勝てない」「負けたくない」で、勝ち負けで判断できないようなことでも、すぐに勝ち負けで判断してしまうのが特徴だ。とにかく競争し、人と比べ、白黒つけたがるのが好きなのである。

SNSを見ているだけでも、どんな資質が上位にあるのかわかったりもする。「今の自分があるのは、過去の自分があるから」「今があるのは、あの時の辛かった経験のおかげ」のようなことをつぶやいている人(特に女性に多い気がします)がたまにいるが、「原点思考」が強いのだろうと予想できる。

一方で、去年知り合った友人に、初対面でいきなり「夢は?」と聞かれた。その後、次に会ったときも、「今はまったく違う仕事をしているけど、将来、陶芸家なりたい」と言ってた。いつも未来をみていて「未来志向」が上位の資質にある人なんだろうなぁと気付いた。

また、資質は組み合わせで考えるべきと前述したが、「ふだんこんなこと言わないけど、正直、能力の低い人間が好きではなく、あまり関わりたくない」「全部5みたいな人は興味ない。残り全部1でいいから、一つで10叩き出せる人なら好きなんだけど」と口を滑らせて言ってしまうような人は(笑)、「最上志向」が上位の資質にあるが、「調和性」が下位の資質である可能性が高い。

また、ストレングスファインダーにはまる人は、「個別化」を強みに持っている人が多く、「個別化」がない人は、相手の資質が何か見極めることが困難である。

ストレングスファインダーのフレームワークで人を観察していたら、このように相手が話すちょっとした言葉や何気ない一言から、相手がどのような資質を持っているのか、性格が掴めるようになり、その人にどんな強みがあるのかがわかるようになってくるのである。 


③人は、自分に似ている人と、憧れの人と一緒にいたい

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ストレングスファインダーを約20人に受験してもらったが、相手のことを普段からよく知っている人、つまり自分が好きな人に頼んだ。そのため、良くも悪くも少しデータが偏ってしまった。 

個別化
収集心
内省
____

ポジティブ
活発性
コミュニケーション

データを見たら明らかに資質の偏りがあった。ほとんどの人にこの6つの資質のうち1つ以上が入っていた。(中には3つ以上の人も)

ここからわかったことが二つあり、一つは類は友を呼ぶということ。

上の半分が僕の上位に入っている資質である。類友とは言うが、本当に似たような人を引き寄せて、付き合っているんだなぁと気付いた。

そしてもう一つは、自分にはない理想な性格の人に惹かれるということだ。

僕にとって先ほど挙げた下半分の3つがそれにあたる。僕自身あまりポジティブではないということもあり、ネガティブな人があまり好きではない。いつも前向きで明るい人が好きなのだが、仲の良い人にまさに上位5つの資質に「ポジティブ」が入っている人が多くて納得した。

また、内省的でフットワークが重たいので、行動力がありコミュ力が高い人に憧れるという意味で「活発性」と「コミュニケーション」だ。

人は、自分に似ている人と、憧れの人と一緒にいたいと思う生き物なのである。

僕の友人の友人にもストレングスファインダーをやってもらったが、これはおそらく正しい。データを取ってみた感じ、おのおのが好きで憧れの資質は異なるが、やはり自分の周りには、自分と似ている人か、自分にはない憧れの資質を持っている人が多いことがわかった。

 

ところで、興味がないかもしれませんが笑、ここで個人的な理想の資質トップ5がこちらです。

個別化
ポジティブ
社交性
コミュニケーション
内省

34ある資質に優劣はない。何か劣っていれば、他の資質で補えるようになっていたり、内省⇔活発性のように真逆の資質があったりする。

しかし、特に「ポジティブ」は他の資質ではなかなかカバーできない。「ポジティブ」の資質があったらどんな状況下に置かれても人生楽しめるだろうなと夢見る。

あとはざっくり言うと、「コミュ力高いんだけど、しっかりと考えられる人になりたい」という表れで他の資質を選びました。

現場からは以上です。笑


■4.ありのままの姿を肯定して、受け入れる

自分のできないことばかりに目がいっていた大学時代。あるきっかけで幸せになる一番の近道を見つけた

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大学1、2年生の頃、自分のできないことばかりに目がいっていた。自分は何もできないろくでなし。時事、英語、プログラミング、数字…苦手なことばかりで、もっと弱みを克服しないと!とずっと思っていた。

でも弱みはたいてい好きじゃないことで克服するのが苦痛だった。もちろんなかなか得意や好きに変わることはなかった。自分の弱みにばかり時間を使い、その度に何もできない自分に嫌気がさしていた。

そんな「できないことばかりの自分」が大学3年生のある日、たまたま手に取ったのが『さあ、才能に目覚めよう』だった。

自分の強みがわかるからと、友達に薦められた。自分に強みなんて何もないと思っていたから、半信半疑でストレングスファインダーを受験することにした。

30分後、パソコンの画面に5つの自分の強みが表示された。すぐに本に書いてある資質の説明を読んだ。

「これが俺の強み…?」

衝撃だった。自分のなんでもない性格が強みだと言われ、初めて自分を認めてもらえた気がした。それから自分の持っている資質の箇所をむさぼり読んだ。気付いたら本は赤線と付箋でいっぱいになっていた。

本書では「弱みではなく、強みに投資すべき」と書かれている。『さあ、才能に目覚めよう』を読んで、「なんだ、弱みではなく、強みに投資すればいいのか!」と気付くことができた。今思えばなんでもないことなのだが、当時の自分からしたら大発見だった。

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僕の強みの資質に「個別化」がある。「個別化」を強みに持つ人は、一人ひとりが持つユニークな個性に惹かれる。個人個人の違いに注目し、人の性格、動機、考え方、関係の築き方を観察している。

つまり、相手が何を考えているのかがわかるのである。

大学生の頃、同期が200人くらいいるかなり大きなインカレサークルに所属していた。そんな大きなサークルだとなかなか輪に入れず辞めていく人が多数いた。辞める理由の大半は人間関係だったりするのだが、何かやりたいことがあって前向きな理由で辞めるのならいいが、人間関係で辞めるのはもったいないと、サークルを辞めそうな人を見つけてはいつも声をかけていた。

なぜ辞めようとしているのか、またその人が何を求めてこのサークルに所属しているのか。そこがわかって解決できれば、きっと辞めなくてすむと思っていたからだ。

そして、辞めそうな人に声をかけるなんて当たり前にみんなできることだと思っていた。

しかし、ストレングスファインダーを受験して初めて、これは自分だからできる「個別化」の資質のおかげなんだと認識することができた。

衝撃だった。いや、正確には、すごく、嬉しかった。

こんな資質、比較できないから自分が秀でているなんて夢にも思わなかった。

その後、強みや自分の好きなことに時間を使うようになり、一気に毎日が楽しくなった。苦手で好きでもない勉強をやめ、時間を忘れて文章をひたすら書いた。もちろん好きなことで、「個別化」と「内省」という資質的にも向いていたので、ぐんぐん伸びていった。

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本書では終始「弱みではなく、強みに投資すべき」と書かれている。これにはもちろん同意だが、それだけではない気がしている。

ストレングスファインダーのおかげで、自分ことをもっと知ることができる。自分に強みなんて何もないと思っている人にも、何が秀でているのかを教えてくれる。

自分はこれが優れているのだと、自分を肯定してあげられるかもしれない。今の自分でいいんだと、背中を押してもらえるかもしれない。

今のありのままの自分を受け入れることができたら、きっと相手にも優しくなれる。もっと相手のことを知ろうとするきっかけにもなる。相手のことを深く理解できれば、きっと相手も自分に優しくなるだろう。そうなれば、きっと、みんな自分らしくもっともっと生きやすくなるはずだ。

「自分も大事なあの人のことも、ありのままの姿を肯定して、受け入れることができるようになる

これがストレングスファインダーの隠された本当の良さなんじゃないかなぁと思う。

強がって必死に虚勢を張っていたあの時の僕に、「ありのままの自分でいいんだ」と言ってやりたい。

それまではすぐに他人を否定してしまっていた。他人を否定することでなんとか自分を保とうとしていたからだった。それは、今のありのままの自分を受け入れられていないだけだった。

もちろん自分を甘やかすことと、そのままの自分を受け入れることは違う。

それでも、一人でやろうとせずに、苦手なことは得意な人に任せればいい。決して弱みを無視しろというわけではない。弱みとうまく付き合い、自分の強みに最大限伸ばしていく。そうすれば、きっとありのままの自分を受け入れることができるはずだ。

そして、何よりそれが幸せになれる一番の近道なんじゃないかなぁと今の僕は確信している。 

 

 

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さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

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来月の4月13日に16年ぶりの新版『さあ、才能に目覚めよう2.0』 が出るみたいです!そうです、僕の誕生日でもあります!運命なの?笑

(4月13日だからシイサーで覚えてね!)

ストレングス・リーダーシップ―さあ、リーダーの才能に目覚めよう

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人は簡単に「肩書き」に騙される

■居眠りをする学生がいなくなったほどの一言

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就活生だった頃、あるベンチャー企業のサマーインターンの説明会へ行った。

その説明会は土曜日の朝9時から始まり、大学の1限もまともに行けたことのない僕にとって辛い時間帯だった。そのため説明会の間、思わずうとうとしてしまい、居眠りをしそうになっていた。

それは周りの学生にとっても同じことで、思わず居眠りをしていた学生はかなりの人数いた。

しかも会社の説明をしていた代表取締役は、なんとサンダルにTシャツ短パンの髭面の男であった。うさんくさい風貌と説得力のない話し方で、眠さはさらにエスカレートし、「今日来たの間違いだったかなぁ」とまで思っていた。

しかし、その後である。その髭面の男が、さらっと「起業する前はGoogleにいまして……」と言った瞬間、無意識に気が引き締まって、急に目が覚めたのであった。

それはやはり僕だけではなく、周りの学生もそうで、Googleと聞いた瞬間、居眠りをする学生がいなくなったのである。

その時、サマーインターンの説明会で寝てしまったことに対してではなく、「Google」と聞いた瞬間、盲目的に話を聞き始めた自分がなんだか少し怖くなった。

 

■耳の薬を、肛門にさす

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この権威による盲目的反応は、医学界で特に起こりやすい。

こんな医療ミスがある。

ある医師が感染症で痛みを訴えている患者の右耳に、耳の薬を指すように指示した。その医師は処方箋に完全に「Right ear(右耳) 」と書かずに、 Rightを略して、「place in R ear」と書いた。この処方箋を受け取った担当の看護師は、正しく指定された滴数の耳の薬を、患者の肛門(rear)にさしたのであった。

耳痛のために直腸を治療することに意味がないのは明らかである。しかし、患者も看護師もそれを疑問に思わなかったのであった。

正当な権威者が発言する多くの状況では、たとえ権威者が間違っていても、それに対して疑問を差し挟もうとはしないのである。

 

■肩書きによる身長の歪み

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この権威による盲目的服従は、何も医者のような積み重ねられた努力をしてきた人にだけではなく、単に「肩書き」だけで起きてしまう。

試してみてほしいことがある。大学1年生に、サークルの先輩である4年生(特に代表)に身長を聞いてみてほしい。

おそらく本来の身長よりも高く見られている可能性が高いはずだ。

中学生の頃、僕は野球部だったのだが、1年生の時の3年生は実際よりもはるかに大きく見えていた。自分が3年生になっても越えられる気すらしなかったくらいだ。

肩書きによって、身長の知覚に歪みが生じることがある実験でも明らかになっている。地位が上がるごとに同じ人物の身長が平均約1.5センチずつ高く知覚され、「教授」の場合には「学生」の場合より6センチも高いと知覚されるそうだ。

他の研究では、選挙で勝利した政治家は、選挙前よりも選挙後の方が身長を高く見積もられることがわかっている。

つまり、物を大きく見せるのは、自分にとっての重要性が一役かっているのである。

 

■制服の学生は、大人の注意の的

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機械的な反応を引き起こすのは、「肩書き」だけではなく、「服装」もそうだ。

高校も大学も電車通学だったのだが、電車内で一つだけ変わったことがあった。それは「大人から注意されなくなった」ということである。

電車内での過ごし方はほとんど変わっていないにも関わらず、高校生の頃はよく知らないおじさんやおばさんに注意されてきた。

「ここで携帯使っちゃだめだぞ」「足を広げ過ぎないで」などなど。そんなことわざわざ言わなくてもと思うようなことまで言われた記憶がある。

しかし、これは私服なら言われないのである。おそらく「学校の制服という服装」が「大人からの注意されるべき的」として機能していたのであった。

 

■〝先輩マジック〟に騙されるな

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なぜ人々はこんなにも肩書きに弱いのか。

自分の頭で考えず、権威者に従うことは多くの利益をもたらしてきた。親や教師は僕たちよりも多くのことを早くから知っていて、彼らの忠告に従うことが自分のためになることを僕たちは知っているからだ。

しかし、上記で挙げたような例で、肩書きで簡単にだまされたくない人は「この権威者の言っていることは正しいことなのだろうか」と考える必要がある。権威からの要求に服従させるような強い圧力が存在しているのである。

人は見た目が9割」と言うが、肩書きや服装には本当に注意が必要だ。

「先輩」という肩書きだけでモテる〝先輩ブランド〟や〝先輩マジック〟という名の権威で、今までどちらかと言えばそれらを享受してきた身として、このブログを書くことは大変はばかられたのだが。

 

 

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人は簡単に「まぐれ」に騙される

■「好きな子と誕生日が同じ」は運命か

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10代の頃、好きになる女の子がことごとく4月生まれだった。

自分と同じ4月生まれだと知る度に「あ、運命なのかも」と思っていた。

大学に入ってからも、元カノと次に好きなった子が二人続けて4月生まれで、かつ同じ誕生日だったので、あぁやっぱり運命、と思っていた。

ところで、経営者は占いにはまる人が多いらしい。

占星術を使わない億万長者はいない」と言われるほどで、なぜ自分の力で運命を切り開いてきたであろう経営者が、よりにもよって占星術といった自分の力の及ばない占いにはまるのか?

これには明確な理由がある。

それは、億万長者といった経営者は「他に頼るものがない」からだと言われている。

経営者は孤独で、一人でもがき苦しむ。その苦しみから逃れ、未来予測してもらい、少しでも不安を解消しようと、占いに走るのである。

僕の知り合いにも「いつも住まいは占いによって決めて、運気が良いところに定期的に引っ越すことにしている」と言っている外資系生命保険会社のエグゼクティブの方がいた。

占いでこれが良いと言われ、実際にやってみたらうまくいった。だから毎回大事なときは占いに行くようになった、と。

この占いにはまる経営者と、好きな子と誕生日が同じだから運命だと感じてしまう背景には、見逃されがちな一つの共通点がある気がする。

それは、物事の裏に「ありえなさそうだが、けっこうありうる」が潜んでいるということだ。


■「株価を確実に当てる」詐欺の手口とは

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昔、こんな株式情報詐欺があった。

詐欺のカモとなる相手に対して、10週連続で株価の上下を予想して当ててみせる。それで相手を信じさせて、11週目の予想に対して金銭を要求するというものだ。

10週連続で株価を当てるなんてことが可能なのか?

これがあることをすれば、案外容易くできてしまう。

詐欺師の手口はこうだ。まず銘柄を一つ選ぶ。次に、何も知らないカモ候補を1024人選び、翌週の株価の動きの予想を送りつける。

その際、半数には株価が上がるという予想を、もう半数には下がるという予想を送る。株価は必ず上がるか下がるので、カモ候補の半数の512人にははずれの予想が、もう半数には当たりが届く。翌週、はずれ予想が送られた人のことは忘れ、当たり予想が届いた人だけを相手にする。

という具合に、この方法を繰り返すだけ。10週経ったとき、詐欺師が相手をするのは一人だけになる。

その人から見れば、予想は10週連続当たったことになる。相手に株価のことを熟知しているかのような錯覚させることができるのである。

そうして詐欺師は翌週の予想に対して、金銭を要求し、大金を巻き上げたのであった。

詐欺師は株価の成り行きの可能なすべてのパターンを予想してそれぞれを異なる人に割り当てており、そのため予測したパターンのどれか一つは必ず当たる。

そして当たったパターンを自分が未来を予測する能力を持っている証拠として提示する。

このように「起こりうるすべての結果を一覧にしたなら、そのうちのどれかが必ず起こる」のである。

____
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少し前の話になるが、2010年に行われたサッカーワールドカップで、「タコのパウル君」が、ドイツ代表による7試合と決勝の結果を当てたという"奇跡"のニュースを覚えているだろうか。

このタコのパウル君に未来を予測できる能力があるわけでもなんでもない。

8試合を当てる確率は256分の1なので、256に近い数の動物を連れていけば、予想が当たる動物が見つかる可能性は高まるというだけの話なのである。

実際、取り上げられはしなかったものの、各国7試合までは当てたという動物は他にも多数存在していた。(8試合目で外したから当然そこまで取り上げられず知られていない)

最後まで残ったのがタコのパウル君であったというだけで、「何かが必ず起こる」という単純な話なのである。

確率的には起こってもおかしくない出来事を、多くの人が奇跡だと勘違いする背景にはこういったことが隠されている。

■国営ロト2回連続で「同じ当選番号」は当たり前?

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ただの偶然を奇跡や自分の実力だと勘違いする背景には、「十分に大きな数の機会があれば、どれほどとっぴな物事も起こっておかしくない」という法則も隠れている。

2009年のブルガリア国営ロトで当選番号が2回連続して同じということがあった。それに対しメディアが大騒ぎし、不正が行われたのではないかと大問題となった。

しかし、49個の整数から6個を選ぶロトが、週2回、年に104回行われるとすると、43年と少しで、どれか2回の当選番号が一致する確率は1/2を上回る。

当時、同ロトは始まって52年が経っていたので、そこまで驚くべきことではなかったのである。

そして、当選番号が2回連続して同じという結果だけが注目され、過去52年間ランダムに見えるパターンを出したほかの当選番号のことは忘れ去られるのだ。

____
好きな番組で毎週欠かさず見ている「ダウンタウンなう」というTV番組があるのだが、以前に高額の宝くじが連続して当たった人達の特集がされていた。

当選者達が宝くじを当てるコツ(西にこだわって購入する、午前中に買うと当たりやすい等)を話していたが、そのときはあぁそうなんだと思わされてしまったが、あんなのはたまたま当たっただけなのだろう。

自分に起こった偶然の一致は、他人に起こったものより驚きが大きい。それが起こる対象はほかにも大勢いるが、自分は一人しかいないので、誰かほかの人に起こった場合と比べて、大きな驚きになる。

そのため自分が選ばれし者だと勘違いし、偶然を自分の実力だと思い込んでしまうものなのである。

それに宝くじを当てるには○○した方がいい、というのは後からならいくらでも言える。

例えば、的の中心に矢を射るためには、射た後、的を書けばいいのだ。うさんくさい宝くじの当てる方法もそういうカラクリだ。

「事象が起こったあとに選べば確率はいくらでも高くできる」。当たってから方法を語ればいくらでも語れるのである。

そして、今まで説明してきたように、連続して宝くじに当たるといった幸運な出来事だろうと、落雷に当たるのような不運な出来事だろうと、「十分な数の機会さえあれば起こりうる」のである。

自分に起こる確率は低いかもしれないが、地球には70億人が生きていることを忘れてはならない。

■人は簡単に「まぐれ」に騙される

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ここまで確率マジックについて話をしてきたが、冒頭の「好きな子と誕生日が同じは運命か問題」について話を戻そう。

一つの部屋に誕生日の同じ二人がいる可能性が、いない可能性より高くなるためには、部屋に何人いなければならないのか?

答えはたった23人だ。23人以上が同じ部屋にいれば、誕生日の同じ二人がいる確率のほうがいない確率より高いのである。(詳しい計算式は『偶然の統計学』p.116)

さらに好きな子が、自分の誕生日である「4月13日生まれ」ではなく「4月生まれ」と範囲を緩めることで、いっきに確率が上がる。

つまり、好きな子が自分と同じ誕生月であっても運命でもなんでもないのである。

____
途方もなく起こりそうにない出来事がなぜ次々と起こるのか。その正体が少しずつわかってきた。

僕たちが、偶然の一致に驚くのは、今回紹介してきたような「ありえないと思う原理」を考え合わせていないからである。

確率的に見れば起こってもおかしくない出来事を「奇跡」と感じたり、「異常」だとみなしてありもしない因果関係やパターンを探し始めたりする。その結果生まれたのが、迷信や予言、神々と奇跡、超常現象といった類いである。

しかし、今まで「ありえない」と思っていたことは、実はけっこう「ありえる」のである。

人間は、確率をすぐに見誤る。偶然に騙され、それらを運命または自分の実力だと感じてしまうのである。

 

と、こういうことをわかっている確率リテラシーのある人でも、好きな子と誕生日が同じだと知ったときはやはり運命だ!と感じてしまうのかもしれない。

「恋は盲目」とはよく言ったもので、人間が確率を直感的に把握するのが苦手であること以上に、それはそれで人間の性なのかもしれない。

 

 

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「偶然」の統計学

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数字があまり出てこず、知的好奇心をそそられる話ばかりで、数学オンチでも楽しめる一冊。本文の例もいくつか本書から紹介させてもらった。

 

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

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 歴史、哲学、心理学、経済学、数学の世界を自由自在に駆けめぐり、人間の頭脳と思考の限界と、その根本的な欠陥を解き明かす超話題作。

 

 

誕生日を祝ってもらえる人と、祝ってもらえない人のたった一つの違いとは

昔々、ある遠い国に、どんなことでも「科学」で悩みを解決することのできる神様がいました。その神様のもとには、悩める老若男女が夜な夜な通い、人生相談をしに来ていました。

そして今宵も……。

コンッ、コンッ。ノックの音が聞こえた。

あなたがどんな悩みも科学で解決できる神様ですか?

あぁ、そうじゃ。わしが神じゃ。

ただの噂だと思っていましたが、ほんとにいるんですね……。早速ですが、私の悩みを聞いてくださいますか?

もちろんだとも。お前さんの納得がいくまで人生相談乗ってやろう。さぁ、部屋へお入り。

  

■悩み:友達から誕生日をあまり祝ってもらえないこと(相談者:女子大生・22歳)

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悩みの神様が長椅子に腰掛けると、ゆっくりと口を開いた。

深刻な顔をしとるが、どんな悩みを抱えておるのじゃ。見た感じ、今どきの女子大生って感じで、容姿も整っておる。何一つ不自由にしとらん気がするがなぁ。

そんなことはありません。

私は4年前に東京の大学に通うために上京してきました。つい先日、22歳の誕生日を迎えました。しかし、私はあることに気付いてしまったのです。周りの大学生よりも、あまり誕生日を祝ってもらえないことに……。

ほほぉ。友達から誕生日を祝ってもらえないことが悩みというわけじゃな。

はい、そうなんです。大学生最後の今年の誕生日こそは、盛大にやってみたくて、でも周りが計画してくれるわけもなく、自分で企画しようとしたんです。でも、それすら人数が集まりそうになくて、結局、「誕生日は家族と過ごすことになった」って嘘付いて、誕生日会を中止にしたくらいなんです。

それなのに、周りの友達たちがSNSで頻繁に「サプライズで誕生日祝ってもらいました(^O^)/」みたいな投稿をしているのを見て、すごく羨ましいし切なくって……。

本来なら楽しみであるはずの自分の誕生日なのに、祝われないで一人で過ごす自分の誕生日が来るのが怖いです。明るい性格ではないし、友達も多くないので、祝われないのは当然なんですかね。こんな悩みですが、解決できるでしょうか……。

うむ。もちろんじゃ。わしの言うことを聞いて実践すれば、必ずしっかりと祝われるようになるぞ。 

 

◆誕生日を祝ってもらえる人と、祝ってもらえない人のたった一つの違い

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ところで、お嬢ちゃん。最近いつ友達の誕生日を祝った?

友達の誕生日ですか?

うーん、そうですね……そういえば、もうしばらく祝ってないですねぇ。かれこれ2年前くらいですかね。

やはりな。祝ってもらえない原因はそれじゃ。

どういうことですか?

何か勘違いしとるかもしれないから言っておくが、誕生日を祝ってもらえる人はな、その人が周りから好かれるキャラだから、輪の中で中心にいる人気者だからとか思ってはおらんか?

え?違うんですか?

私はクラスの中心でも人気者でもないから祝ってもらえないんだと思っていたのですが……。

「誕生日を祝ってもらえない原因は、友達の誕生日を祝っていない」からなんじゃ。 

 

◆今の自分の環境は、自分の心を映す鏡

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お嬢ちゃんが「誕生日を祝ってもらえない」ということは、お嬢ちゃんが「誰か大切な人を祝わずに生きている」ということ。

現実の出来事は、一つの結果なんじゃ。その結果には必ず原因がある。その原因がどこにあるかと言うと、お嬢ちゃん、あんたの心の中にあるんじゃよ。

つまりだな、お嬢ちゃんの人生は、お嬢ちゃんの行動を映し出した鏡なんじゃ。相手は自分の鏡。これを鏡の法則というんじゃ。

鏡の法則

うむ。世の中に起こる出来事の結果には、必ず原因がある。原因をしっかりと見つめ直すことで、未来に起こる出来事、つまり結果を変えることができる。

お嬢ちゃんに起きている結果は、「大切な人から誕生日を祝ってもらえない」ということ。考えられる原因は、お嬢ちゃんが「大切な人を祝っていない」ということなんじゃ。

 

思い返してみたら、最近友達の誕生日を祝った記憶がなかった。正直、他人の誕生日に興味がなかった。自分にとって自分の誕生日はとても大切なかけがえのない日だが、自分にとって相手の誕生日はとるに足らない日。そんな風に思っていた。だから祝ってなかったのであった。

 

◆利他意識は伝染する

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鏡の法則以外に「好意の返報性」という法則も知っておくべきじゃな。

あ!それは大学の心理学の授業で聞いたことがあります!

うむ。好意の返報性とは、「他人がこちらに何らかの恩恵を与えたら、似たような形でそのお返しをしなくてはならない」と無意識で思ってしまう心理のこと。

そこでお嬢ちゃんの悩みの解決策の一つはこれじゃ。

「友達にひと月に1回「お誕生日おめでとう!」としっかり祝うこと」

まずは見返りを求めないで、祝い、与える。そして、してもらったことは覚えておいて、いつか必ず返す。

お嬢ちゃんが憧れる誕生日を祝ってもらっている人というのは、自分から祝ったり、とにかく人に何かを与え続けている人じゃ。いわゆるギブギブギブと言われるやつじゃな。それが、鏡の法則や返報性の原理などによって、回り回って返ってくるから、結果的にギブ&テイクになっているだけで、もとはギブし続けているだけなんじゃ。 

「どれだけ普段から人に与えているか」を肝に銘じておくことじゃな。仮にクラスの人気者であっても与えていなかったら、誕生日を祝ってもらえる確率は低くなる。

一方で、普段から利他行為をしている人は、利他意識が伝染し、周りにいる人達も利他行為をするようになる。その結果、回り回って自分の誕生日になったとき周囲からたくさん祝われるようになるだけじゃ。ギブギブギブが良いと言われるのはそういうことじゃな。

社会的ネットワークの性質上、そういった周囲から受ける恩恵というものは、クラスの人気者といったような「ネットワークの中心」にいる人の方が、「ネットワークの周縁」にいる人よりも享受できる。

そのためクラスの中心人物が頻繁に祝われているように見えるかもしれないが、元は普段から与え続けているだけの話なのじゃ。

 

◆大事な仲間の人生を懸けた挑戦の時は、必ず立ち合い、応援する

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自分の誕生日会に友達を誘ったのに、誰も来てくれなかったと言っておったな。

はい、悲しいことに。

また思い返してみぃ。最近、友達の誘いに断ってばっかりではなかったか?

そういえば、確かに……。ついこないだもダンスサークルの仲の良い友達から引退イベントに誘われていたのですが、あんまり興味がなくて、本当は空いていたのに「バイトがあって行けない」と言って結局行かなかったんです。今までも何度か誘われたこともあったのですが、「行けたら行くね」と言って流してしまうことばかりで……。

そうじゃろうな。お嬢ちゃんに起きていることを見れば、お嬢ちゃんの心の中を覗くことができるわい。

いいか、よく聞きぃ。ただの飲み会や遊びの誘いなら断ってもそこまで支障はないかもしれない。しかし、本当にこれからも仲良くしていきたいと思っている相手の「ここぞ!という大事な誘い」だけは絶対に断ってはいけない。

今まで何か月も何年も、ずっと努力して積み上げてきた集大成の場。そんな誘いに来てくれないということは、「その友達のことなんてどうでもいい」と間接的に言っているようなもんじゃからな。

それなのに自分の誘いは来てほしい?

そんな人の誕生日会に誰が来るんじゃ。お門違いにもほどがあるわい。ここぞ!という時に来てくれない友達は、本当の友達ではないからな。

言われてみれば、おっしゃる通りです……。ということは私が今までしてきたことは、「もうあなたとは仲良くする気はないです」という合図にもなっていたのですか……。私はなんてことをしてしまっていたんでしょうか、うぅ。。

だからな、そんな時はどんなに忙しくても、ちょっとでもいいから顔だけでも出すんじゃ。どんなに忙しくたって5分くらいは行けるだろう?

仮に友達の出番がほとんど見られなくても、「わざわざ忙しい中、自分のために顔を出してくれた」ということが相手を喜ばせるのじゃよ。

「友達に会いに行く」ということは、自分の時間を相手に割くという素敵な贈り物。

こう言うとどこかテクニックのように聞こえてしまうかもしれないが、要は相手のことや状況、立場をどこまで気遣えるか、想像できるかだと思ってくれてええじゃろう。

自分にとってはたかだが1時間のイベントでも、相手にとっては何百時間の積み重ねの上にできた1時間なんじゃ。この相手の背景をどこまで想像できて行動できるかが、人付き合いがうまくいくかの分かれ道じゃ。

そんな自分の集大成の場に来てくれた人は一生忘れないし、ずっと感謝し、次何かあったら絶対に返そう!と思うもんじゃからのぉ。

確かに、そうですよね。先日、第一志望の会社から内定をもらうことができ、無事に就職活動を終えることができました。すごくお世話になった先輩がいたので、内定報告を電話でしたんです。そうしたら、「直接おめでとうを言いたいから、すぐに今日祝わせてくれ」と言われ、内定した日に内定祝いをしてくれたんです。

内定祝いを「来週やまた今度」ではなく「内定した今日」しようと言ってくださったことが、すごく嬉しくって、思わず泣いちゃうくらい感動しました。今でも思い返すと、嬉しいですし、きっとこれからも一生忘れないと思うんです。

そうじゃろう。大事な仲間の人生のターニングポイントや、人生を懸けた挑戦の時は、必ず立ち合い、応援すべき理由がわかったじゃろう。 

 

◆まずは身近な人から、150人

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お嬢ちゃん、ダンバー数という言葉を聞いたことはあるか?

いえ、まったく。何ですかその数?

ダンバー数と言って、一人の人間が関係を結べるのは約150人までと言われておるのじゃ。

お嬢ちゃん、大学でサークルか何か入っているか?

はい、茶道サークルに所属していました。

では、そんなサークルで、メンバー全員の顔がわかるレベルで仕事ができるのは、150人くらいまでと言われておるのじゃが、今までまったく周りの人達とうまく関係を築いてこなかったやつが、いきなり毎日いろんな人を祝うは少ししんどいかもしれない。

だから、まずは本当に仲良くしたいと思うこの大事な150人の中にいる人から、コミュニケーションの仕方を変えてみてはどうじゃろうか。誕生日を祝うだけでなく、それこそ後輩の内定を祝ってやるのもよし、自分の内定を祝ってくれた先輩を大事にするのもよし。

ただ、すぐに結果を期待するではないぞ。与えたことは、全て忘れることにするのじゃ。返してくれないからといって、関係を切ってはならんぞ。そして、与えてもらったことは、全て覚えておいて返すのじゃ。

一年から二年、意識を変えて接すれば、きっと自分の誕生日が楽しみになる日もそう遠くはないじゃろうな。幸せの連鎖が続くことを祈っておるぞ。 

 

_________

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今日はありがとうございました!

自分の誕生日を祝ってもらえない本当の理由がやっとわかりました。なんだがすっきりしたし、来年以降の誕生日が楽しみです。言われたことをやってみますね!

正直、始めは悩みの神様とかうさんくさいと思っていたけど、親身に相談を乗ってくださり、私の悩みに対して多くの気付きをもらった気がします!

ということで、来年の私の誕生日の時にまた顔を出しに来ます!誕生日プレゼント待っていますね!

与えてもらいたかったら、まずは与えることですよね?ねぇ、神様♡

 

 

■悩み:友達から誕生日をあまり祝ってもらえないこと(相談者:女子大生・22歳)

■解決策

1.友達にひと月に1回「お誕生日おめでとう!」としっかり祝う。

2.大事な仲間の人生を懸けた挑戦の時は、必ず立ち合い、貢献する。

■科学の法則

1.鏡の法則:現実に起きる出来事は、自分の内面を映し出した鏡であること。

これは、心理学用語で「投影」というメカニズムが働いていて、自分の心の状態を人やモノに映し出すことを言います。

例えば、夜に桜の木を見ていたとしましょう。ある人は「綺麗で、なんて良い日なんだ」と思うかもしれませんが、ある人は「不気味で、今にも枯れそうな寂れた木だ」と思うかもしれません。同じ木を見ていても、人によって感じ方が違います。自分の内面が幸せな時には、輝いているように見え、一方で寂しい時には寂しそうに見える。このように、自分の心をモノに映し出すことを「投影」と言います。

2.好意の返報性:人から好意を受けた場合、それを相手に返そうという感情が抱く心理。

3.ネットワーク理論:ネットワークを通じて、利他意識や幸福を始め、肥満、細菌、お金、暴力、ファッション等、様々なものが伝染する

4.ダンバー数:一人の人間が関係を結べる人数は約150人。

■理論の補足説明(実験結果)

1.募金をしてほしければ、まず先に花を渡すべき?

「好意の返報性」の心理を利用して、莫大な資金を集めた宗教団体がありました。信者達の主要な財源は、公共の場所での通行人から得る寄付金です。始めは、大した効果を上げることはできませんでした。そこで、彼らは、寄付金を募る前に、狙いをつけた人に花をプレゼントしました。勧誘者は「私達からの贈り物です」と無理やり何も知らない通行人のジャケットにピンで花を留めました。

このように好意の返報性の心理を、その場に持ち込んだ上で、寄付をするよう要求します。これが恐ろしいほどうまくいき、募金を募ることに成功をおさめたのでした。返報性の心理は、要請者への嫌悪感さえ凌駕して力を発揮するので、注意が必要でもあるのです。

 

2.肥満は、友人の友人の友人まで伝染する?

ネットワークを通じて、幸福や肥満を始め、細菌、お金、暴力、ファッション等、様々なものが伝染します。

ある研究によれば、直接つながっている人(一次の隔たりにある人)が幸福だと、本人も約15%幸福になるという。しかし、幸福の広がりはそこでは止まりません。
二次の隔たりのある人(友人の友人)に対する幸福の効果は約10%、三次の隔たりのある人(友人の友人の友人)に対する効果は約6%あるそうです。この幸福の影響は、四次の隔たりまでいくと消滅します。

例えば、もし自分が肥満になると、友人の友人の友人まで肥満になる可能性が上がるのです。なんとネットワークを通じて、三次の隔たりまで私たちに影響を及ぼします。

 

3.組織の規模は何人以上になると、さぼりや病欠が増える?

組織の規模が、150人くらいまでなら、全員の顔がしっかりとわかる状態で仕事ができますが、それ以上になったら、序列構造を導入しない限り、仕事の能率は落ちると言われています。150人を超えると、さぼりや病欠が一気に増えるのです。

これはビジネスの世界だけでなく、学問の世界でも同じです。サセックス大学教育学部のトニービーチャーが理系・文系の12分野を対象に調べたところ、研究者同士が注目し合えるのは、100~200人の規模であることがわかりました。研究者の数がそれより多くなると、その学問分野はいくつかの領域に分裂する傾向にあるという実験結果が出ています。

  

 

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この記事では、「利他意識」ではなく「笑い 」が伝染するという話を「ネットワーク理論」を使って詳細に書いています。良かったらこちらもどうぞ!

 

 

■オススメ書籍

つながり 社会的ネットワークの驚くべき力

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なぜ与え続けたら回り回って自分に返ってくるのかをネットワーク理論で説明されています。 この本ほんと面白い。

 

友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学

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本文で紹介したダンバー数のダンバーさんの著書。 

 

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

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 好意の返報性について詳しく書かれています。

 

鏡の法則 人生のどんな問題も解決する魔法のルール

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 鏡の法則について。

なぜ正義の味方は、みんな〝イケメン〟なのか?

佐藤健瀬戸康史福士蒼汰菅田将暉飯島寛騎

この羅列を見て、ピンときた人はなかなかの重症だ。

共通点は、もちろん「イケメン」。そして、仮面ライダーの主人公を演じたことがある俳優である。

仮面ライダーは、子ども向けであるにも関わらず、子どもと一緒に見ていたお母さんが甘いマスクのイケメン主人公にはまってしまい、今では奥様人気もすごい。

それを聞き、正義の味方は皆〝イケメン〟であることに対して、少し疑念を抱くようになった。


■イケメンが得をする「ハロー効果」

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小学生の頃、「足が早い」というだけでモテたように、美男美女の周りには自然と人が集まってきて、人気者になったりする。

ある人が望ましい特徴を持っていることによって、その人に対する他者の見方が大きく影響を受けることを、心理学の専門用語で「ハロー効果」と言う。

簡単に言うと、外見の良い人は、才能、親切心、誠実さ、知性といった望ましい特徴をもっていると、自動的に思われる傾向があるそうだ。

こんな恐ろしい研究結果がある。

刑事裁判が開始されるときに、 74人の男性被告の身体的魅力を評定しておいた。そして、後で研究者がこれらの裁判の判決記録を調べたところ、ハンサムな男性の方がずっと軽い判決を言い渡されていることがわかった。実際、魅力的な被告で刑務所に入れられたのは、魅力的でない被告の半数しかいなかったのである。

 人は本能的に「美しい」ものに惹かれる性質がある。見た目が美しい人は、他の要素も良いと思われがちで、それだけで人から好意を抱かれるのである。

 

イケメンではない方、朗報です。

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残念ながらイケメンに生まれなかった方、安心してほしい。魅力的な容姿と同じくらい、人から好意を抱いてもらう方法がある。

社会心理学的に人から好意を持たれる理由は4つある。

「身体的魅力」「近接性」「類似性」「好意」の 4つである。

1つ目の「身体的魅力」は上記で挙げた通り。

2つ目の「近接性」は、簡単に言うと、人は何度も会えばその人に好意を抱き始めるということ。

例えば、同じクラスにすごいチャラ男で嫌いな男がいるとする。その男と特に交流があったわけではないのに、学期終わりには、その男に対しての嫌いな感情が薄れていたという経験はないだろうか。これは近接性ゆえ。

そして、3つ目の「類似性」と4つ目の「好意」がここで取り上げたい重要なポイントだ。

僕たちは自分に似ている人を好む。この事実は、意見や性格、経歴、ライフスタイルなど、どのような領域の類似性においても当てはまるそうだ。

初対面の相手と共通の友達がいたら、心の距離感がぐっと縮まって、すぐに打ち解けられたという経験をしたことがある人もいると思う。それが「類似性の効果」である。

僕は、学生時代、渋谷にある芸能事務所のスカウトマンをやっていて、いろんな人に声をかけていたのだが、この「類似性の効果」が本当に使えるかどうか実験をしてみたことがあった。

話しかけた相手に対して、出身を聞いてみたら、僕と同じ兵庫県出身です」と言われた。そこで、すかさず「僕も兵庫出身なんですよ!」と言ったらその瞬間、「あ、ほんまに?」と相手は僕に対して「敬語からタメ口」に切り替わったのである。

その後も話が盛り上がり、さっきまであんなに敬語でよそよそしかったにも関わらず、「類似性の効果」によってすぐに仲良くなることができたのであった。

それくらい「兵庫出身の上京組」という類似性によって、僕とその相手の心の距離を縮めることができたのである。

 

しかし、この事例はたまたまかもしれない。再現性を持たないと実証したうちには入らないので、就活生だった頃、就職活動の場でも「類似性の効果」の検証してみることにした。

某企業の就職活動の説明会は、学生がその場にいる社員さんと名刺交換やOB訪問することを禁じられている。理由は、一人に対応したら全員に対応しなければならなくなり、収拾がつかなくなるからだ。

就活生だった当時、説明会は社員さんとコネを作るために行っていたので、この禁止された名刺交換をなんとかくぐり抜けられないだろうかと考えた。そこで僕はある仮説を立てることにした。

説明会が終わった後、社員さんに話しかけた際、共通の話題を振り「類似性の効果」によって距離を縮め、「人事と就活生」という関係を「先輩と後輩」という関係に切り替えることができたなら、OB訪問に応じてくれるのではないだろうかと仮説を立てた。

というのも、もし自分のサークルの後輩がやってきて「また今度、お茶でも飲みながらお話を聞かせてください!」と言われたら断れないと思うからだ。

仮説を立てたら、あとは検証あるのみ。

まず1人目。とても人当りの良さそうな男性の人事Oさんに、説明会終わり「類似性の効果」を使わずに普通に話しかけてみた。

「説明会ありがとうございました。大変参考になり勉強になったのですが、もっと詳しく会社のことを知りたいので、後ほどOB訪問させていただけないでしょうか?」

結果は、もちろんNOだった。

連絡先すら教えてもらえず、「禁止されているので、説明会でではなく、自力でここまで辿り着いてください」と言われてしまった。

しかし、ここまでは想定内。

そして、2人目。ちょっと怖そうな女性人事の Rさんに今度は「類似性の効果」を使い、話しかけてみた。

共通の知り合いの人事や営業の方たちの話を出し、さらに仲が良いアピールをし、最後に「Rさんのお話も聞いてみたいので、ぜひ今度OB訪問させてください!」と。

結果は、かなりうまくいった。

名刺を切らしていたので、わざわざ紙に電話番号とメールアドレスを書いてくださり、教えてくれたのであった。

おそらく僕の仮説は正しかった。

「類似性の効果」によって距離が縮まり、「人事と就活生」という関係を「先輩と後輩」という関係に切り替えることができたのである。それくらい「類似性」は人との距離を縮め、好意を抱いてもらうために必須なのだ。


■すぐに好きと言うべき理由

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最後、4つ目の「好意」について。僕たちは、相手から好意を伝えられると自動的に望ましい反応をしてしまう。

世界で最も偉大な自動車セールスマン、ジョー・ジラードは、自分の成功の秘密はお客さんが自分を好きになるようにしたことだ、と述べている。彼はその目的のために、一見すると馬鹿らしくコストが大きいと思われることをやってのけた。毎月、一万三千人以上のお得意さんの一人ひとりに、メッセージを印刷した挨拶状を送ったのであった。挨拶状の種類は毎月異なっていたが (新年、バレンタインデー、感謝祭など )、それに印刷されたメッセージは常に同じだった。「あなたが好きです」と書かれていたのである。

人は他者から好きだと言われると好きになってしまう生き物なのである。(※恋愛だけは例外で、好きと伝えても好きになってもらえない)

 

個人的な話になるが、通称「ほっこり会」という定期的に集まる 同じゼミだった5人グループがある。

大学3年のときのゼミ合宿で、夜中に深夜のテンションで、「お互いの良いところを 1人ずつ誉めていこうぜ」という謎の褒め合いが始まった。

「○○ちゃんの周りを俯瞰して見れるのは素晴らしい」
「△△くんの引きの強さは目を見張るものがあるね」
「◆◆ちゃんを初めて見たときから可愛いと思っていた」

など最初はみんな照れていたものの、途中から真剣にお互いの良いところを誉めていった。普段言えないお互いの良いところを誉め合う「ほっこり会」は想像以上に盛り上がり、終わるまでに数時間以上経っていた。

5人で誉め合っていたのだが、正直、仲が良い人ばかりではなかった。そこまで話したことがなかった人から、そんなに好きではなかった人まで。

しかし、この「ほっこり会」が終わる頃には、あろうことか僕は全員のことを好きになっていたのであった。

「この人、俺のことをこんな風に良く思ってくれていたんだ」
「あの子は、こんなところを良いと言ってくれた」

好意を抱いていなかった相手から好意を寄せられて、気付けばその人に対して好意を持つようになってしまっていたである。

それくらい、好意を伝えると相手は自分のことを好きになってくれるものなのだ。

初対面の相手とすぐに打ち解けたかったら、「好意を伝えて、類似性アピール」をしてみるべきだ。声を大にしては言えないが、これが恐ろしく効くのだ。


■〝イケメン〟ではない正義の味方

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古田新太大泉洋阿部サダヲ森山未来ムロツヨシ

仮面ライダーのその後の話として、こちらの俳優を使って描いてみてはどうだろうか。

そして、俳優としてはもちろん一流だが3枚目と言われる俳優が、お互いを誉め合うというのはどうだろう。

「あの悪役に対しての、あの蹴り最高だったねぇ」
「絶対負けると思ったのに、ちゃんと倒しちゃうあたり、さすがだよねぇー」

高視聴率は期待できないものの、少なくとも一定層からは共感してもらえるはずだ。

ハロー効果がどうとか、類似性や好意がどうだとか、散々いろいろなことを言ってきたが、結論はやはりこれに尽きる。

 

 

あぁ、イケメンに生まれたかった。

 

 

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影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

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人間の心理を知るためのバイブル。 

女の子に「学ランを返して」と言えない

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世界からはみ出してしまっている人がすごく気になる。

・合コンに来ているのに何もしゃべらない人。
・すごくキラキラしたリア充集団のイベサーにいるのに、はじっこでぽつんとしている人。
・ボウリングでストライクを取ったのに誰ともハイタッチすることになく冷静に帰ってくる人。

世界からはみ出さないようにギリギリで生きている人が気になってしまう。というのもぼくも世界からはみ出さないように生きてきたからだ。(しかし、はみ出してしまっていたと思う)

大学生になって初めて飲み会というものを知った。

飲み会が苦手だった。
両隣の人が反対を向いて話し始めてしまったら、もう世界から取り残されてしまう。前に座っている人の話に入ろうとしても入れない。すぐにゲームオーバーだ。

この世界からはみ出し、マイナスの輝きを放ってしまうことになる。
_____

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中学3年生だった頃の話。
秋になりみんなが学ランを着始める頃、ぼくだけカッターシャツのままだったことがあった。

理由は、なに大したことではない。貸した学ランが返ってきていなかったのだ。

夏に行われた体育祭で応援団をする人は、学ランを着て応援することになっていた。当然、学ランを持っていない女子は男子に借りることになる。そこでぼくは同じクラスのちひろちゃんに貸した。

それが返ってきていなかったのである。当時、内気な性格だったぼくは「学ランを返して」とは言えなかった。

体育祭が終わり、秋がやってきた。みんなが学ランを着ている中、ぼくだけシャツのままで、周りの皆から「寒ないん?」「なんで学ラン着ぃひんの?」と言われて初めて「ちひろちゃんに、学ラン貸したままでさ……」とやっと言うことができたのであった。

「あ!ごめん!!!クリーニングに出したままで取りに行ってなかった!!!!」

世界からはみ出した者は、マイナスの輝きを放ってからやっと気づいてもらえる。
学ラン一つ着るのにも、不自然さが漂う。
_____

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そんなぼくだが、最近は少し世界に触れるようになってきた気がする。飲み会も少しずつ克服できるようになってきた。

去年の年末にTwitter「年賀状が欲しい」とつぶやいたら、「年賀状書くから住所教えて!」と言ってくれた女の子がいた。

就活生だった頃のバレンタインデイでは、

「内定よりチョコがほしい。
※ただしバレンタインデイに限る」

とつぶやいたら、「チョコあげるから会いたい」と言ってくれた子がいた。

SNSのおかげで、やっと少し世界に触れるようになった気がする。

チョコが欲しいと言って、チョコがもらえるなんて、なんて良い世の中なのだ。

あぁ、今年はチョコがほしいなぁ(誰か)

 

 

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眉毛をいじられて世界に触れる

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子どもの頃、よく世界からはみ出してしまっていた。

2人1組になる類いのものが苦手だった。中学生の頃、野球部で、毎朝いつも決まった相手とキャッチボールをする。

しかし、そのキャッチボール相手が風邪で休んだ日にはもうパニックだ。代わりにキャッチボールしようよと周りを見渡しても誰とも目が合わない。

あぁまた世界からはみ出してしまった、と思う。

____

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お土産も苦手だ。

15枚入りのお煎餅。せっかく買ったものの、ほんとに仲の良い友達2、3人にしか渡せず、結局残り全部自分で食べることになる。

もちろん回転寿司で好きな物なんて頼めなかった。

店員さんに話しかけることができない。
「マグロください!」なんて言うもんなら、「あいつマグロ食べたいんだ」と思われる。何より目立ってしまい、隣にいるお客さんにさえもマグロを食べたいのがばれてしまう。

僕みたいなもんがマグロを食べていると思われるのが恥ずかしかった。だから、自分のところに欲しいお寿司が回ってくるのを永遠待っているしかないのである。

なんて不条理な世界だ。誰にも取ってもらえず回り続けている皿みたいな人生だ、なんて思っていた。
____
しかし、そんな僕でもごくたまに世界に触れられる瞬間があった。

眉毛をいじられる時だ。

中学生の頃、ワンピースのサンジの眉毛にそっくりのぐるぐる眉毛だった。

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イケてる男子と可愛い女子がわいわい話しているところに呼ばれ、「森井、眉毛がサンジみたいなんやで」といじられる。

「ほんまや~かわいい~♪」

イケてる女子の象徴である上履きと学生鞄に落書きをしている女子からそう言われる。

一瞬でもイケてるグループの会話の中心にいられるのが嬉しかった。

世界に触れた瞬間だった。

____

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先日、雰囲気の似ている友達にそんな昔話をしたら、すごく共感してくれた。

「その話すごくよくわかる!」

わたしも人の輪に入るのって本当に苦手で、、、

そして最近後輩が入ってきて、仕事を全然しないから怒りたいんだけどなかなか注意できないと言っていた。

「でも今度、勇気だして話してみるね!」

ここまでは良かったのだが、後日あらためて話を聞いたら、「ちゃんと仕事せなあかんよ!」と注意したら後輩にこう返されたらしい。

 

「え!先輩、関西弁なんですねっ!可愛い~!」

 

やはり世界は触れそうでなかなか触れない。

 

 

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「ドッチボールが地獄だった」と女の子に言われてハッとした話

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小学生の頃、僕にとって「ドッチボールが強い」ことは正義だった。

毎日毎日、休み時間はドッチボール。

体育の時間にドッチボールをするとなったときは、飛んで喜んだ。敵チームの相手に向かってボールを力強く投げつけ、いかに誰よりも長くコートにい続けられるか。

今思えばよくあんなに飽きずに同じことばかりできたなぁと思うけれど、それくらい夢中で楽しかった。

それから学年が上がり、中学生になり、いつの間にかドッチボールをしなくなっていった。

そんなことすら忘れていた最近、Twitterを何気なく見ていたら、同じゼミだった先輩が「ドッチボールは地獄だった」とつぶやいていて、思わず首を傾げた。

ドッチボールが地獄?あんなに楽しかったドッチボールが?

即座にそのツイートに返信した。ドッチボールが地獄ってどういう意味ですか?と。するとこう言われた。

「ボールに当たるのが痛いのに、ボール当てるゲームとかほんとに怖さしかなかった……人にボールを当てて何が楽しいのよ」

これを聞いて愕然とした。

仲良くなるために強制的に参加させられる男女混合のドッチボール大会。特に運動が苦手な女の子は足がすくみ、ただただ怯えた時間を過ごす。

いかに弱いボールで外野に出るか、または気配を消してゲームに参加していない空気を出すかで必死になる。

逃げ回ったら逃げ回ったで、恐怖が続く。ゲームの終盤は早いボールを投げる人しか残らないから、地獄が待っている。

僕はドッチボール強者だったのでまるで気づかなかった。ある女の子にとってドッチボールは地獄だったと知って、思わず言葉を失った。


無差別殺戮か、救済か

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前に『ねずみに支配された島』という生物多様性について書かれた本を読んだことがあったのを思い出した。

捕食者のいない島の生物は、大陸で進化した捕食者が侵入すると瞬く間に絶滅の危機に追い込まれてしまうらしい。

地球の片隅の島で絶滅に向かっているそんな動物たちを救い、捕食者を殲滅しようとする人たちの物語。

オセアニアでは、人間が連れてきたネズミのせいですでに2000種類近くの動物が消えたと書かれている。

そんな捕食者であるネズミを殲滅させるため、ネズミ駆除作戦が実行される。人間たちが連れてきたのに、いざ問題が起こると駆除するというなんとも自分勝手な話だが、考えさせられるのはここからだ。

絶滅に向かっている動物にしてみたら「救済」かもしれないが、ネズミにとってみればただの「殺戮」なのである。

それでも、ネズミを駆除しなければ、島は絶滅する。ネズミだらけの島になってしまう。保護活動家は、新しい殺鼠剤で、一匹残らずネズミを殲滅しようとする。 そしてそれを聖戦と言う。

ネズミを殺戮することは、はたして本当に聖戦なのか。どこまでが救済で、どこからが無差別殺戮なのか。

 

僕たちはどんな社会にいかに生きたいのか

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何が正義で、何が悪なのかわからなくなってきた。

自分がやっていることは本当に正しいのかを考えさせられる。正義だと思っていたことが、違う人からしたら悪な場合がある。

小学生の僕にとっての「ドッチボールが強いこと」という正義は、本当に正義だったのか。

数学の試験みたいに、これが正解!ときっぱりと答えを出せないのがとてももどかしい。

バトル漫画で、すごい悪いヤツだと思っていた敵キャラが、敵キャラは敵キャラで自分の正義にのっとって、自分の信じる道を進んだ結果であって、本当は悪いヤツではなかったのかもしれないと、倒した後になって気づくあのもどかしさにすごく似ている。

これから死ぬまでにこのもどかしさに何度か出会う日が来るかもしれない。

貫き通さねばならない正義とは、大切にすべき価値観とは。

子どものドッチボールから、戦争という大きな問題まで、社会のいたるところで意見の分かれる"正義"が起きている。

正解のないこの問いに答えるためには、僕たちはどんな社会にいかに生きたいのかを考えておく必要があるのかもしれない。

時に意見をぶつけ合い、折り合いをつけ、差異を受け入れる。

きっとどこかに共通善が存在すると信じて。

 

 

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■オススメ書籍

ねずみに支配された島

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 生物多様性について考えさせられる名著。

捕食者なき世界 (文春文庫)

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同じ著者ならこちらもオススメ。

それをお金で買いますか――市場主義の限界

それをお金で買いますか――市場主義の限界

 

 「結局のところ市場の問題は、実はわれわれがいかにして共に生きたいかという問題なのだ。」

1週間で1記事300pvから1万pv!自分にしか書けない文章術の極意8ヶ条

 

ここ2週にわたって大好きな本や文章、ブロガーさんについて書いてきまして、3部作今回でラスト。今回は文章を書く上での仮説・検証の仕方や市場の見極め方についてがメインですが、文章を書き始めてからこの約7年間で培ったものを詰め込みました。本記事16000字の超大作となっているので目次を作っておきます。

 

1.「こういうのを書きたい!」かつ「自分でも書けそう!」という文章の教科書を見つける
2.「今、ネットで何が求められているのか?」を分析する
3.自分が扱える「バズの公式」を作る
4.仮説が外れたときにすべきこと
5.無理にバズらせるより、魂をこめた記事
6.マーケット感覚を身につけよう
7.「バズの公式の作り方」ではなく「公式そのものの作り方」を学ぶ
8.マーケット感覚を養うべき本当の理由

  

自分にしか書けないウケる文章=「自分の書きたいかつ書けること」×「市場を見極める力」

この記事で言いたいことはこちらです。記事の前半では「自分の書きたいかつ書けること」について、中盤から「市場を見極める力」の話をしていきます。


■ 1.「こういうのを書きたい!」かつ「自分でも書けそう!」という文章の教科書を見つける

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文章上達の秘訣は、ずばり「真似」である。自分がいいと思う文章を見つけて、それを模倣する。それに自分の色を足していくことで、オリジナルな文章が生まれる。おそらく何をするにしても大切だと思うが、こと文章に関しても模倣が大事だと断言できる。

そのためにまず模倣すべき「自分の文章の教科書」となるものを探すべきだ。

そんな教科書となる1冊を見つけるためにはまず100冊読む。座右の書となるであろう1冊を見つけるために残りの99冊があるのである。がつんと殴られたかのような衝撃的な一冊とは、そうやって出会うもの。

では、具体的にどんな文章がいいかと言うと「こういった文章を書きたかったんだ!」「これは俺のための本なのか!」と思わされるような文章である。

しかし、ここが大事なところなのだが、読んでいて仮に面白かったとしても、それが自分に書けそうにない文章なら、それは自分の文章の教科書にしてはいけない。

「お手本とする文章なんだけど、なんか自分でも書けそう」というところがポイントだ。

「こういうのを書きたい!」かつ「自分でも書けそう!」という文章を見つけるところから始める。

「知的でウィットに富んだ文章」が好きな人もいれば「自分の体験談を赤裸々におもしろおかしく暴露するスタイルの文章」が好きな人もいる。ここはなんでもいい。

「読んでいて目から鱗で、こんな文章書きたかったのだ!」かつ「この人が書く文章のリズムや構成、内容が、なんとなく自分がいつも書いている文章と似ている」と思える文章が、自分の文章の教科書にすべきである。

「すごいと思うし読んでいて面白いんだけど、これは俺には書けないなぁ」と思ったら、その文章の流派には入門できない。

僕でいうと、オモコロのARuFaさんが書くおもしろ記事が好きだ。読んでいて笑える。ただ、全力で体を張って笑いを取りにいく記事は読む分には良いけど、そこまで自分をネタにできないので、いくら研究してもあんな風には書けるようにはならない。なので「全力で体を張ってボケる」土俵では戦ってはいけない。 


次に、お手本となる作家を見つけたら、「その人の書いた本は全部読んで研究する」。それらの着眼点・構成・リズム・言葉をひたすら模倣して書けば、文章は自然とうまくなっていく。自然とその人の文体が自分に乗り移り、「自分は作家の〇〇なんじゃないか」と思えるまで模倣できれば合格だ。

仮に構成などの入れ物というか枠組みを真似したとしても、中身が自分の体験談であればそれは決してぱくりではない。ただ、これをやると、乗り移っているので仕方がないのだが、好きな作家の文章にあまりにも似てくることがある。書いた文章は正真正銘、自分の文章なのに、見る人が見たら「あの作家のパクリではないか?」または「あの作家にインスパイアされ過ぎて、既視感がある」となってしまう。

 

そこですべきなのが、「お手本となる師匠を複数見つける」ことだ。

コラムの書き方ならこの人、エッセイならあの人、学術的な話なのにわかりやすく書く方法は××、情緒的な文章は▲▲さん、オチの書き方はいつも笑える〇〇さん、という風にである。

「この部分を真似したい、身につけたい!」という箇所を習得していくことで、自分の書ける幅が広がっていく。

そして、研究し尽くしたお手本を、複数見つけて、組み合わせる。ここまでくると自分だけのオリジナリティが文章に滲み出てくるはずだ。 

 

いろいろと組み合わせて出来上がった僕のオリジナルで、得意な文章スタイルのうちの一つは、「エロ×学問」だ。

前回に記事でマルコム・グラッドウェルという作家を文章の師匠の一人としていると言ったが、マルコム・グラッドウェルから、学術的な内容をわかりやすくストーリー仕立てで書く方法を取り入れた。

そしてこれは前々回の記事で好きと言った水野敬也さんの文章から「エロ」要素を取り入れた。ただ僕は水野さんのように赤裸々に自分の経験談を暴露できないし、しようとも思えないので、あくまでエロは外側だけだ。以下、3記事が「エロ×学問」。

読んでもらったらわかると思うが、中身は一切エロくない。外側だけエロをまぶしたポジティブ心理学行動経済学社会心理学といった学術的な内容となっている。

あとで詳しく書くが、Web上の文章はまずクリックしてもらわなければならない。そのためにはWEBでウケるいくつかの要素が必要なのだが、僕は「芸能」とか「猫」はまったく興味がないので、たくさんの方に読んでもらうために行き着いたのが「エロ」であった。

このように、マルコム・グラッドウェルと水野敬也さんから取り入れた「学問」と「エロ」を組み合わせることで僕だけのオリジナルな文章が出来上がるのである。 

 

以上、簡単にまとめるとこうなる。

①とにかくたくさん読んで、文章の教科書となる「こういうのを書きたい!」かつ「自分でも書けそう!」な文章を探す(ここが一番のポイント!)
②見つかったら、徹底的に研究する
③模倣して書く
④お手本となる師匠を複数見つける
⑤師匠から学んだ要素を組み合わせる 

⇒自分にしか書けない、オリジナルな文章の出来上がり


2.「今、ネットで何が求められているのか?」を分析する

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この記事で伝えたい、自分にしか書けないウケる文章=「自分の書きたいかつ書けること」×「市場を見極める力」の前半の説明をしたので、これから後半部分である「市場」について書いていきます。(本文16000字と大変長くなっていますが、特に■3.以降の後半が内容濃いのでどうぞ何卒最後までお付き合いくださいませ…!)

先に断っておくと、決して「バズる記事の作り方」を書くわけではない。今までバズった数なんてしれているし、そこは僕よりも語るにふさわしい人がたくさんいる。

ここではあくまで、仮説・検証の仕方と市場の見極め方について(もちろんこれも僕なんかよりも語るべき人は山ほどいますが汗)、成功事例と失敗事例を交えて、僕の経験を書くことで読者の方々にこうやって考えればいいのかと追体験してもらえるように書いていきます。 

ネットでウケる文章と自分が好きな文章は違う。僕はエッセイが好きなのだが、そんなエッセイをブログで書いてupしてもまずクリックされずほとんど読まれない。(エッセイが読まれない理由は後述しています)

自分の書きたいことをそのまま書いてたくさんの人に読んでもらえたら最高だけど、そんなことなかなかない。広く読まれるためには、その都度ちゃんと市場(時代が求めているもの)に合わせて変化させていく必要がある。

そのためまず今のネットで広く読まれる記事を書きたい!という人は、どんな文章がウケるのかを分析して、どういった要素があればバズるのか、「仮説・検証」をする必要がある。

その上ですごく参考になるのが、中川淳一郎さんの『ウェブで儲ける人と損する人の法則』に出てくる「ネットでウケる11ヶ条」だ。

 

1.話題にしたい部分がある、突っ込みどころがあるもの
2.身近であるもの、B級感があるもの
3.
非常に意見が鋭いもの
4.
テレビで一度紹介されているもの、テレビで人気があるもの、Yahooトピックスが選ぶもの
5.
モラルを問うもの
6.
芸能人関係のもの
7.
エロ
8.
美人
9.
時事性があるもの
10.
他人の不幸
11.
自分の人生と関係した政策、法改正など

これぞ「ネット文脈に合ったネタ」であり、これらの要素が一つでも入っていない限り、今のネットでは読まれないし、拡散もされないと中川さんは断言する。

前置きが長くなったが、では具体的に僕がブログでどう仮説・検証を繰り返し、ネットでウケる文章を探っていったのかを書いていく。 

 

3.自分が扱える「バズの公式」を作る

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成功事例1.

まずネットでウケる文章を書くためにすべきことは、冒頭で書いたことと同じで、「バズった記事の研究・分析」である。バズった文章をたくさん読み込む。そうしたらなんとなく見えてくるものがあるはずだ。

タイトルにエロが入っているとか、感情に訴えるストーリー性がある、サムネイルが「猫」だとか。モテる人モテない人の特徴について書いた記事やまとめ記事、韓国やガリガリ君など。

このバズった記事の共通原則である「バズ要素」を探す。

見つかればあとは実際に「バズ要素」として合っているのか、検証作業だ。まず僕は「エロ」と「ストーリー」を検証することにした。

中川さんの言う「ネットでウケる11ヶ条」の一つである「エロ」は「バズ要素」だと知っていたが、これも後述するが「知っている」のと「実感として理解している」とでは雲泥の差なので、本当に「バズ要素」なのか、試してみることにした。

そこで、「感動的なストーリー性のある記事はシェアされやすい」と、さらにこれに「エロ要素を加えるとさらに拡散されるのでないか?」と、仮説を立てた。

出来上がった記事がこちらである。

タイトルに書いた通りの話なのだが、中身は幸せ(ポジティブ心理学)について書いていて、「ワンチャンしまくり」と「エロ」要素を入れ、最終的には「彼女一筋になる」という「感情に訴えるストーリー」仕立てにした。

この記事は、ブログ開設してから更新7回目足らずのまったくの無名ブログだったが、バズ要素が二つも入っていたからか、1万pv以上読まれたのであった。

 

そこで次にしたことは、「ストーリー」要素を取ってみることにした。ストーリーのある記事とストーリーのない記事ではどう変わるのかを検証した。 

先ほどの記事が、2つのバズ要素(エロ+ストーリー)×着眼点(ポジティブ心理学)=1万4000pv だったので、ここから物語性を取ってしまい、バズ要素(エロ)×着眼点=??? を試してみることにした。これでもしアクセス数が変わらなければ、ストーリー性はバズ要素ではないことになる。

そこで書いた記事がこちらだ。

結果は、前回の半分の約8000pvだった。おそらく仮説は当たっていて、内容はみんなが興味ありそうな行動経済学についてでなかなか濃い内容だったにも関わらず、ストーリー性がなかったがゆえ、前回と比べそこまでシェアされきらずに終わってしまったのであった。

(ストーリーについて少し触れたが、ストーリーについて詳しく知りたい人は、『アイデアのちから』の中に出てくる「物語性」の部分を読むことをオススメする。アイデアを考える人にとって必読の一冊)

 

このように検証していき、自分が扱える「バズの公式」を作り上げていく。 

・バズ要素(エロ+ストーリー)×着眼点(ポジティブ心理学)=1万4000pv
・バズ要素(エロ)×着眼点(行動経済学)=8000pv


この着眼点という部分がコンテンツ力だと思ってもらっていい。仮にバズ要素をいくつも押さえていたとしても、内容が伴っていなければ拡散なんてされないので、決して内容を蔑ろにしてはいけない。

ちなみにpv数は、これに「自分の影響力」と「シェアしてくれる人の影響力」が掛け算されるので、当たり前だが同じ内容を書いても人によってpv数は違ってくる。同じ内容でも自分より影響力のある人が書けば、1万pvが、3万pvにも5万pvにもなりうる。


「バズ要素」×「着眼点」(コンテンツ力) ×「自分の影響力」=pv

よってこういう式が出来上がる。

 

成功事例2.

僕はエッセイが好きなので、趣味でこういうエッセイを書いている 

内容はそこまで悪くないはずなのだが、これが本当に読まれない。ものによっては1万pv以上読まれたのに、これは500pvくらいしか読まれなかった。20倍も違う。20倍面白さが違うのかと言われれば、決してそういうわけでもない。

最初、不思議で仕方がなかった。そこでこんな仮説を立ててみた。

ブログという場(ネット)では、エッセイはウケない(多くの人に読まれない)。なぜなら、主張がはっきりとしていないからだ。タイトルを見て何について書かれるかが明確ではなく、一行目に結論が書かれていない。最後まで読まなければ、言いたいことが全部伝わらない。 

おそらく隙間時間になんとなく読んでいる人の多いネットでは、繊細な表現の文章はブログ(ネット)には向いていないのである。

そこで、「主張がはっきりしていない文章」を裏返すと、「断定的な主張が明確な文章」になる。何が言いたいかというと「断定的な文章はネットでウケるのではないか?」と考えた。

個人的にあまり尖った文章を書くのが好きではないのだが、初めて断定した記事がこちらだ。 

ブログではないが、去年書いたインタビュー記事「ディスカヴァー・トゥエンティワン 干場弓子社長が語る、若者を不幸にしている嫌いな言葉とは」(2016/03/13)では、嫌いな言葉が3つあると干場社長は言う。それが若者を不幸にしているのだ!と語気を強めて言い切っている。

干場社長の影響力や内容が時代とマッチしたのももちろんあるが、記事の意見が非常に鋭かったため、約7万pvも読まれたのであった。ネットでは「意見の鋭い、断定的な文章」が刺さりやすく「バズ要素」の一つなのである。

このようにネットでウケる文章を書きたかったら、「今のネットでは何が求められているのか?」を見極める必要がある。 

 

市場について書かれた名著『マーケット感覚を身につけよう』の著者・ちきりんさんはこう述べる。

「世の中を生き抜く力と言えば、英語力や財務知識、技術や資格など手に職系のスキルを挙げる人が多いのだけど、私はそれらより前に「マーケット感覚」を身につけるコトが、何より大事だと思ってます。

だって今や 20代から 70歳近くまで 50年も働く時代だというのに、そんな長い期間(半世紀も!)役立ち続ける技術や資格なんて存在しないんです。

だから大事なのは、「今、何が求められているのか?」を見極める力なのであって、それこそが「マーケット感覚」と呼ばれるものなのです」

この「マーケット感覚」こそ、「自分にしか書けないウケる文章」を書く上で必要不可欠な力である。


4.仮説が外れたときにすべきこと

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バズるためには共通原則はあっても、必ずバズる公式なんてものはない。次に、これは広く読まれるかなと思ったのに、仮説が外れてしまった時の話をする。

◆失敗事例1.

この記事を見てほしい。

Webでウケるバズ要素の一つに「つっこみどころがある」というのがある。

思わずつっこみを入れてしまうような話題がWEBではウケると言われている。

この記事はタイトルからもわかるように、関西人はことあるごとにつっこんでしまうという内容だ。そのためもちろん文中に「ボケ」がいくつも出てくる。そのボケを綺麗に全部拾ってつっこんでいく。読んでいただいた方達にも「特に最後のオチで思わず笑ってしまった」と言っていただけて、評判も良かった。

なのでつっこみどころのあるこの記事は、少なくとも3000pv、うまくいけば5000pvくらいはいくかなぁと思っていた。しかし、いざ蓋を開けてみたら500pvくらいしかいかなかった。

理由は単純で、つっこみどころがなかったのである。僕は仮説を誤っていた。ボケは各所に散りばめられていたが、自分で全て回収し、最終的に「つっこみどころのないおもしろエッセイ」となっていたのである。

有名人ではない限り、つっこみどころのないエッセイなんてまずネットでは読まれない。つっこみどころの認識を誤っていたと、upしてみてやっと気づくことができた。

 

◆失敗事例2.

その後、改めて仮説を立て直し、「つっこみどころ」のある文章を書いたのがこちらだ。

こちら先に最後のオチを言ってしまうと「Hな雑誌の袋とじを開けたくなるという行為は、純粋な人間的心理であり、何の恥ずべき行為ではないのだ!」と書いた。

「わろたwwww」と思わずつっこみたくなるようにして、「エロ×つっこみどころ」とバズ要素が二つも入っているので今度こそ1万pvくらいいくかなと思っていた。これは間違いなくバズるぞ!と。

しかし、これがまったくはねなかったのである。

これに関しては本当に衝撃だった。つっこみどころもエロも入れているのになぜ!?と。読んだ人からも面白い!とLINEがきたりもしたのにだ。

このときは仮説が外れたというより、バズの共通原則が狂ってしまった天変地異かのような感覚に襲われたので、UPした次の日すぐにWeb文章について書かれた本を読みあさった。

そうしたら前述した中川淳一郎さんの著書『ウェブで儲ける人と損する人の法則』が出版された3年後に中川さんが書かれた『ネットのバカ』に答えは見つかった。

3年の時を経て、ネットでウケる11ヶ条になんと1ヶ条追加されていたのである。

それは「ジャズ喫茶理論に当てはまるもの」という項目だった。

ジャズ喫茶とは「互いの自己顕示欲がぶつかり合う場所」。ジャズ喫茶に行くような人は自らのセンスの良さを誇りたいという欲求があると中川さんは言う。超メジャーなジャズミュージシャンのアルバムをリクエストすると、「この素人め」とバカにされ、玄人好みのミュージシャンのアルバムをリクエストすると「おぉ!こいつわかってる!」と他の客から思われる。

これが意味することは、「衆人環視の下では、人々は〝イケてる人〟と思われたい」ということである。

この心理が顕著に出るのが、実名制のFacebookだ。匿名であれば、誰からどう思われようがあまり関係がない。匿名なSNSでは、バカげた記事がシェアされがちである。しかし、Facebookのように実名が伴うとそうも言っていられない。

そこで、もう一度僕が書いた記事のタイトルとサムネイル画像を見てほしい。 

「エロ」は、確かにクリックされる。しかし、Facebookでは拡散されにくい。なぜなら、他人の視線が気になり、人々は〝イケてる人〟と思われたいからである。

例えば、綺麗なお姉さんのハレンチな画像をクリックして、自分にとってドストライクな画像だったとしても、それをシェアするだろうか?と考えてみたら一目瞭然である。家で一人でにやにやしているだけである。

実名でやっている限り、露骨に怪しいタイトルだと誰もいいねしたがらないのである。しかも、この記事のサムネイル画像は実際に「18禁コーナー」の写真を使っている。

これにいいねをすると卑猥だと、周りからバカだと思われるかもしれないと、おそらく読者はひいてしまったのである。

 去年の夏にブログを始めて以来、必ず毎回母親からいいねされるのだが(笑)、現にこの記事だけはいいねされなかったくらいだ。

ちなみに僕のブログはいつもほぼFacebookから読まれている。Facebookで拡散されなかったらまず広く読まれない。そんなFacebookで「いいね」されないので、バズるわけがなかった。

人は、他人の視線が気になる実名制だと、途端に礼儀正しい好青年となるのである。

この記事でただ「エロ」をタイトルに入れればいいというわけではないことを知った。このへんのさじ加減は打席に立って自分で見定めるしかない。 

 

これら2つの失敗事例での学びは、先に仮説を立てて検証したからこそ気付くことができたということだ。

そして、仮に仮説が外れても、その失敗から得た知見でまた仮説を立て直せばいい。「仮説→検証→仮説外れる→情報収集→再び仮説を立てて検証→→(この繰り返し)→→大成功」と、そうすればいつか市場とマッチして、大成功(バズ)が生まれる日が来るはずだ。それまで試行錯誤して打席に立ち続ければいい。 

 

まとめると、

①バズった記事の分析
「バズ要素」を探し出す
バズ要素を入れて、文章を書いてみる
バズらなかったら、仮説を立て直す
再度、検証するため記事制作
自分の扱えるバズの公式を作り上げる 

⇒この繰り返しで、ネットでウケる文章が出来上がる

 

(この記事で散々、仮説仮説言ってきたが、仮説について詳しく知りたい人は『仮説思考』がオススメ。また「バカボンド」「ドラゴン桜」「宇宙兄弟」と数々の人気漫画を担当してきた敏腕編集者である佐渡島庸平さんの『ぼくらの仮説が世界をつくる』も良書。仮説について書かれているのは最初の60ページくらいだが、佐渡島さんが繰り返してきた仮説・検証を追体験できるのですごく面白い)

 

5.無理にバズらせるより、魂をこめた記事

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どうやったらより多くの人に見てもらえるか、仮説の立て方や市場の見極め方について書いてきたが、勘違いしてはいけないが、決してバズることがいいことであるというわけではない。

炎上でもとにかくバズればいいのであれば、バズの可能性を高めることはできるので、その公式をあてはめてやればいい。

しかし、無理にバズらせるよりも、本当に良い記事を魂こめて書いたほうが自分のためになる。

編集プロダクションであるプレスラボ代表の梅田カズヒコさんがこんなわかりやすい例えで、バズる記事について説明していたので引用させてもらう。

芸人で言うと、バズる記事を書く人は、エンタ芸人だと。エンタの神様に出ている人たち、波田陽区ダンディ坂野etc。ただ当然そうなると、一発屋になってしまい寿命が縮まってしまう。なので名前を売るためには早道ではあるけど、あまりいい方法ではない。

逆に長く愛される芸人は、バナナマンおぎやはぎetc。後者の方が視聴者から長く愛される。

このように、本格派芸人になりたければ、良い記事、価値のあると思ったことを発信した方がいい。1つの記事がハマらなくても、やり続けることが大事。

梅田さんは、以前、エレベーターの本を書いたらしい。これはバズりようがない。しかし、テレビがエレベーターの企画を組んだ時、声をかけられるのは梅田さんかエレベーター協会の会長しかいないから、仕事が回ってきたという。

得意ジャンルがあったらそれをやり続け、自分が面白いと思ったものを書く。最初は広く読まれなくても、わかっている人だけに届けばいい。本当に実力がある人は必ず浮かび上がってくるし、必ず評価される。有名になりたいという方は、小手先でバズる記事を書くよりも、長く愛される記事を書く方がいいと言う。


「良い記事」と「バズる記事」は必ずしも同じというわけではないので、自分にしか書けない記事を書くべきだ。 

・「バズ要素」×「着眼点」(コンテンツ力) ×「自分の影響力」=pv

・自分にしか書けないウケる文章=
「自分の書きたいかつ書けること」×「市場を見極める力」

 

この二つの式の、「コンテンツ力」の部分と「自分の書きたいかつ書けること」の部分を決して蔑ろにしてはいけない。むしろここを追究し続けるべきだ。

たった数回のバズで有名になって一発屋で終わってしまわないためにも、文章の基礎体力、地力をつける必要がある。

前々回の記事でも書いたが、本当に面白いと自分が思える記事を魂こめて書いたほうが読者には伝わるし、長い目でみたら自分のためにもなるのである。

 

6.マーケット感覚を身につけよう

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そして、マーケット感覚を身につけ、「自分のできること」と「時代が求めているもの」にうまくマッチさせることができるようになれれば、長く活躍し続けることができる。

第一線で売れ続けている芸人さんは、おそらくこれがしっかりとできている芸人なのだろう。一発屋で終わってしまう芸人は、たまたま自分のネタが「時代」(が求めているもの)とぶつかっただけ。意図的に当てたわけではないと、二発目を当てることができずに一発屋で終わってしまう。

そういう意味で、冒頭でこの記事は「バズらせ方の記事」ではないと書いたが、バズで一発屋にならないための、長く売れ続け、長く愛され続けるための「自分にしか書けないウケる文章の書き方」の記事なのである。

いつも炎上しているイメージのはあちゅうさんだが、この市場を見極める力が半端なく鋭いのだろう。だから、自分のできることと時代が求めているものとをぶつけることができ、よく話題になっても一発屋で終わらず、常に時代の最先端に君臨し続けている。

また芸人のオリエンタルラジオは、武勇伝に始まり、チャラ男とインテリ芸人、ラッスンゴレライ武勇伝ver.、PERFECT HUMANと現在までに4回ブレイクしたと言われている。

デビューしてすぐ売れてしまった芸人がどんどんと消えていく中、マーケット感覚を身につけているオリラジ(著書やインタビュー記事などをいろいろと読ませてもらったが、あっちゃんがこの感覚を兼ね備えていて、「次はこれが来る!」と毎回仕掛け、うまく相方の藤森氏を操っているみたいだ)は、一発屋で終わるどころか、何度もブレイクできるのである。

「今の時代、これが求められている!次はこれが話題になるはず!」と市場を見極める力が飛び抜けているオリエンタルラジオ

一方で、時代や視聴者が求めているものではなく、自分が本当に面白いと思ったお笑いを追究しようとする松本人志

www.youtube.com

(松本人志オリエンタルラジオのPERFECT HUMANに一言。この動画を見ると、同じお笑い芸人でも二人がジャンルの違うところにいることがよくわかる)

コンテンツを追究する松本人志と、マーケット感覚が優れているオリエンタルラジオ

(この両者を比べるのはナンセンスかもしれないが) いきなりコンテンツ力とマーケット感覚を両方意識するのは難しいので、どちらが得意かをまず読者は考えたらいいと思う。

自分は時代や流行に敏感で、例えば新しいWebサービスができたら使わずにはいられず、また実際に自分で新しいものを作ったり発信したい。オリエンタルラジオのように、時代が求めているものに、自分のできる得意なことをマッチさせて、話題を作りたいタイプなのか。

それとも広く一般にはウケないかもしれないが、職人的に自分の好きものについて深く掘り下げて極めたい。松本人志が撮る映画のように、視聴者から「よくわからない」と言われる可能性はあるが、それでも自分が本当に面白い!と思ったものをとことん作っていきたいタイプなのか。


自分にしか書けないウケる文章=「自分の書きたいかつ書けること」×「市場を見極める力」

「自分の書きたいかつ書けること」のコンテンツ力をひたすら極めるのか、「市場を見極める力」を上げて時代とマッチしたものを作っていくのかは、ここは得意不得意があると思うので自分と向き合った上で、楽しんで好きに書ける方をまずは選んだらいいと思う。

 

7.「バズの公式の作り方」ではなく「公式そのものの作り方」を学ぶ

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「バズ要素」×「着眼点」(コンテンツ力) ×「自分の影響力」=pv

先ほどこの公式を紹介したが、書く記事書く記事バズらせる凄腕WEBライターのよっぴーさんが言う、

「広さ」×「深さ」×「距離感」=pv

というバズるコンテンツの方程式も、WEBで文章を書く上でかなり参考になる。これも組み合わせて考えるべきなので、よっぴーさんのインタビュー記事を簡単にまとめておくので参考にしてみてほしい。


「広さ」とは「どのくらいの人たちのためのコンテンツなのか」。

例えば、山梨に取材に行って記事を作ると、それを読んで嬉しいのは、基本的に山梨の人だけ。しかし、そこに「東京から一時間で行ける!」と書くと、東京の人も巻き込める。そうやって記事の対象を広くする。

「深さ」はそのコンテンツに対して、「どれだけ思い入れ、熱量があるか」。

仮にごく少数の人にしか興味を持たれないことでも、その人たちにとってめちゃくちゃ深く刺さると、局所的に数字が取れる。よっぴーさんが書いた「Windows95ノマドする」という記事の対象は狭いが、Windows95を使っていた世代はみんな思い入れが強いから深く刺さる。

最後に「距離感」について。受け手に感じさせるコンテンツの「距離感」で、感情の動きや共感の度合いがまったく変わってくる。

近いと感じられる方が関心を持ってもらえる。例えば、テロの報道。レバノンよりフランスのテロの方が日本では話題になる。日本人にとって、レバノンよりフランスの方が心理的距離が近いのである。

他には、ユーチューバーのHIKAKINさんは、この式だと「広さ」も「深さ」もそんなにない。しかし、距離感がめちゃくちゃ近い。カメラの前で話してくれる。ニコ生主とかも。だからウケるのだと言う。


1.自分にしか書けないウケる文章=「自分の書きたいかつ書けること」×「市場を見極める力」

2.「バズ要素」×「着眼点」(コンテンツ力) ×「自分の影響力」=pv

3.「広さ」×「深さ」×「距離感」=pv

いくつか公式を紹介してきたが、こういう公式を自分で作れるようになれれば、おそらく何をやってもある程度の結果がついてくる気がする。

そういう意味で、狭い範囲で「バズの公式の作り方」ではなく「公式そのものの作り方・考え方」を紹介できたらなと思って本記事を書くに至った。こういう公式を自分で作り上げるために、まずちゃんと打席に立って仮説検証すべきだ。

もしかしたらこの式は間違っているかもしれない。しかし、仮に間違っていたとしても、それが間違っていたとわかるのはあらかじめ仮説を立てて検証したからであって、その時はまた情報収集して再度仮説を立てればいい。そうしたらより正確な公式ができあがる。

前述したオリエンタルラジオの「PERFECT HUMAN」も曲を出していきなり話題になったわけではなく、リリース6曲目だということ知っておくべきだ。全然話題にならなかった過去5曲での失敗からの得られた学びを無駄にしなかったのだろう。すべては失敗から始まり、仮説・検証を繰り返していくことで、少しずつ成功に近づいていくのである。 

 

8.マーケット感覚を養うべき本当の理由

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1.「こういうのを書きたい!」かつ「自分でも書けそう!」という文章の教科書を見つける
2.「今、ネットで何が求められているのか?」を分析する
3.自分が扱える「バズの公式」を作る
4.仮説が外れたときにすべきこと
5.無理にバズらせるより、魂をこめた記事
6.マーケット感覚を身につけよう
7.「バズの公式の作り方」ではなく「公式そのものの作り方」を学ぶ
8.マーケット感覚を養うべき本当の理由

(再度、目次)


自分にしか書けないウケる文章=「自分の書きたいかつ書けること」×「市場を見極める力」

ネットでウケる文章を書きたかったら「今、ネットで求められているもの」を理解する必要があると書いた。そして「マーケット感覚」と「自分のできる好きなこと」とをマッチさせることで長く愛され続けることができると説明してきた。

では最後に、なぜこのマーケット感覚を養った方がいいのか、僕が思う本当の理由について書かせてもらう。そのために改めて少し市場について書かかせてほしい。

市場が求めるものとは、突き詰めれば時代が求めているもの。前述した『マーケット感覚を身につけよう』の著者・ちきりんさん曰く、時代が変わり、所属していた組織が沈み、人生が100年になっても、マーケット感覚を身につけることができたら一生生きていくのに苦労しないと言う。「ブログでアクセス数を集める」というのも典型的な市場型の経験であると。 

ブログで文章を書くだけで、例えば、自分の書いた記事をシェアしてくれている層から判断すると、男性ウケする文章と女性ウケする文章の違いがわかってくる。

 

僕が書いたブログの中で、この二つが特に女性ウケが良かった記事だ。

二つに共通していることは、「ストーリー」で「感情」に訴えているということ。

もちろん女性の方が感情的だと知っている人は山ほどいる。しかし、単に「知っている」のと、経験に基づいて「実感として理解している」とでは雲泥の差である。

女性には感情に訴えた方がいいと知っている人でも、じゃあ実際に「女性に刺さる文章を書いて」と言われると、実感として理解していないなら書くのは難しいだろう。

 

一方で男性ウケの良かった記事はこちらだ。 

この二つに共通しているのは「学術的」な内容であるということ。ストーリー性はなく、非常に論理的な文章である。

一時期、『錯覚の科学』や『選択の科学』といった『〇〇の科学』といったタイトルの本が多く出版されていたが、これはおそらく圧倒的に男性の方が売れているのだろうと予測できる。(調べていないので間違っていたらすみません) 

一方で、女性は「科学」よりも「心理学」の方が好むし、女性層を取り込みたかったら『錯覚の科学』よりも『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』のようなタイトルがいいのかもしれない。 

また一般的に、女性は「恋愛・美容」に関心が強く、男性は「仕事・成功・お金」に興味があると言われている。

女性ウケした「"ワンチャン"しまくり100人斬りした慶應ボーイが、彼女一筋になった話」 (2016/10/10)は「恋愛」の話でもあるし、男性ウケが良かった「風俗嬢は彼氏にただでセックスさせるのか」(2016/11/07)は「お金」の話でもある。

「ブログでアクセス数を集める」という典型的な市場型の経験をすることで、単に知っているではなく、やっと実感として理解することができた。

僕が3年前に書いていたブログは、感情に訴えることが多かった。そのためか女子大生からファンレターをもらったこともあった。

一方で、学術的な内容である「風俗嬢は彼氏にただでセックスさせるのか」(2016/11/07)の記事で、女子大生からファンレターをもらうことはまずありえない。なぜなら、若い女性に刺さる内容ではないからだ。

この記事をUPした後、▲▼会社の代表取締役といった人には何人かありがたいことにフォローしていただけ、年齢層の高めのビジネスマンのウケは非常に良かったが、若い女性からの反響はほとんどなかった。

こんな風に何回か文章を書くだけで、どんな層にどんな文章が刺さるのかが見えてくる。もし、セールスマンがセールスレターを書かなければならなくなったとき、この男女や年齢の違いを理解していれば、層に応じて刺さる文章を書き分けることができる。より多くのお客さんに想いを届けることができるかもしれないのである。

 

◆「ブログくらい好きなことを書かせてくれよ」と思うあなたへ

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しかし、マーケットのことを考えないで、ブログくらい好きなことを書かせてくれよと思うかもしれない。先ほど本格派芸人になりたければ、良い記事、価値のあると思った好きなことを発信した方がいいと言ったばかりではないかと。

プロブロガーではない限り、確かにそれはもちろんそうだ。しかし、ブログに自分の想いなり主張を書く以上、人の目に触れるし、人に見てもらいたいからブログで書いているはずだ。人に見てもらいたくないのなら日記でいいのだから。

人に見てもらう以上、より多くの人に自分の書いた文章が読まれ、もっと言うと自分が書いた文章によって、人を感動させたり、より良い方向へ読者の行動を促すような文章であるべきだと思う。

『ヤフー・トピックスの作り方』(奥村倫弘)に、セルビア共和国コソボ自治州が、同共和国からの独立を宣言したとき、ヤフーニュースはこれを取り上げたと書いていた。

しかしこの記事は、バズ要素が入っていなかったから、ほとんど読まれなかったそうだ。ヤフー・トピックス編集部内では、読まれていないからコソボは独立しなかった」と揶揄されたと言う。

これは非常に身につまされる話で、他人事とは思えなかった。というのも僕もコソボが独立しなかった」ことがあったからだ。

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大学1年生の頃、サークルでフリーペーパーを制作していた。そこで生まれて初めてコラムを書いた。個人的に初めてにしてはよく書けたと思っていた。なので当然、周りからの反応はいいものだと思っていた。

しかし、いざ蓋を開けてみるとサークルの身内ですらほとんど誰も読んでいなかったのである。僕の書いた文章なんて誰も読んでくれてないんだってことに気づいて、悔しく悔しくて涙が出そうになった。コソボが独立しなかった」ように、誰も読んでいなかったゆえ、僕の初めてのコラムデビューは事実上なかったことに、「コラム童貞」とされてしまったのであった。

それから文章に対する考え方が変わった。ちゃんと読者を意識するようになった。書き終えたから「はい、終わり!」ではなく、読者にちゃんと届くまでが仕事であると。

具体的にどう変えていったかは割愛するが、これが僕の文章を書く上での原点だ。今でも「自分の書いた文章なんて誰も読んでくれない」と思って書くようにしている。

これが市場を意識するようになったきっかけだ。周りが何を求めていて、どういった文章がより読まれるのかを考えるようになり、少しずつだが読んでくれる人が増えてきた。 

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文章を書き始めて7年が経つ。今までに自分より面白い文章を書く人を腐るほど見てきた。毎日毎日、山ほど出版される書籍の数々。本屋へ行って新刊を手にする度に「わざわざ僕が文章を書く意義なんてないんじゃないか」と思って書くのをやめてしまおうかと思ったことは何度もあった。

しかし、こんな僕でもある年の暮れに便箋7枚ものブログのファンレターをもらったことがあった。そこには「今年は辛いことばかりで何もうまくいかなかったのですが、森井さんのブログを読んで元気になれました。来年は諦めかけていた夢を掴みにいこうと思います!」と書かれていた。

嬉しく嬉しくて、こんな風に読んでくれている人が一人でもいる限り、どんなことがあっても書き続けようと誓った。

「自分にしか書けないウケる文章」に必要な「自分の書きたいかつ書けること」と「市場を見極める力」について今回長々と書かせてもらったが、

「読者」を意識することによって、読者がプラスの方向へ進むことのできるような文章になるかもしれない。それは読者にとって、忘れられない宝物のような記事になるかもしれない。 

そうなれば、読者にとってだけでなく、自分にとってもとてもかけがえのないことになる。これがマーケット感覚を身につけるべき本当の理由だと僕は思っている。

そんな文章を書いて、読者から感謝された時はすごくすごく嬉しい。それはいつまで経っても慣れることのない喜びであり、何より文章を書いていて本当に良かったと思う瞬間なのだ。 

 

 

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本文では紹介しなかったが、この本もかなり良書。中川さん直伝の「PVの取れるニュースの方程式」が書かれている。 

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 「コソボは独立しなかった」

1000冊以上読破した僕が〝文章の教科書〟として薦めるとっておきの9冊

前回こちらで、大好きなブロガーさんや良記事を紹介しながら、自戒をこめて名文とはこういうものだ!という記事を書きましたが、今回は僕が文章の教科書、文章の師匠としている本を紹介します。


■文章の師匠が見つかれば、半分成功したようなもの

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1.毎月新聞 (佐藤雅彦)

毎月新聞 (中公文庫)

毎月新聞 (中公文庫)

 

まず紹介する一冊目は、僕の文章の教科書にしている佐藤雅彦さんのコラム集『毎月新聞』

趣味で文章を書き始めたばかりの大学1年の春、BOOKOFFでたまたまこの一冊を見つけた。

「僕が書きたかったものこれだったのか…!」と衝撃を受け、文章の書き方のイロハをまったくわかっていなかった僕は「こうやって文章を書けば、面白くなるのか!」と大興奮だった。

 ちょうどその日、家でむさぼるように読んでいたら、東日本大震災が発生した。地震から数時間後、夜がやってきた。

停電していたので家の中は真っ暗闇だったが、この『毎月新聞』をどうしても読みたくて、初めて〝月の光〟で本を読もうとした。「蛍雪の功」という慣用句があるのを思い出して、蛍の光で勉強できるなら!と意気込んだが、暗くてまったく読めなかった。月の光ではまず本は読めないことを悟った。

佐藤雅彦さんの本では『考えの整頓』もオススメ。僕のブログ名「思考の整頓」はここから拝借したくらい影響を受けている。

 

「20代のうちに、師匠が見つかったら人生半分成功したようなもの」と聞いたことがあるが、文章を書き始めたばかりの頃、佐藤雅彦さんの本に出会えてから、めきめき文章が書けるようになった。

中学生でもわかるような平易な日本語で、それでいて何度読んでも発見のある鋭い着眼点。6年前から今までも変わらず僕の師匠だ。

 

佐藤雅彦さんに影響されて書いた記事↓↓
「幸せの閾値と、子どもの世界が終わるとき」(2016/09/12)
「"鼻くそ学級会"と電通社員の自殺について思うこと」(2016/10/24) 

 

2.絶叫委員会 (穂村弘)

絶叫委員会 (ちくま文庫)

絶叫委員会 (ちくま文庫)

 

歌人穂村弘さんのエッセイ集。穂村さんの本に出会うまでは、一切エッセイを読んだことがなかった。まるで興味もなかったのだが、エッセイ観を変えられたのがこの一冊。芥川賞作家・又吉も、この穂村さんのエッセイを読んで、エッセイに対する見方が変わったと著書で絶賛していた。

「そうそう、それ俺のことだよ!」と代弁してくれる穂村さんの文章で、初めてエッセイが面白いと思った。僕のエッセイの師匠は穂村弘さん。『整形前夜』などもオススメ。

 

こういうエッセイを書くきっかけになった人。
「平和なキキまちがい」(2016/09/19)
「美容院は、子どもを大人にする通過儀礼のようなものだ」(2016/09/26)


3.天才! (マルコム・グラッドウェル)

天才!  成功する人々の法則

天才! 成功する人々の法則

 

ビジネス書一冊書くのにいったんどれだけの取材をしているのだろうと唸らされた一冊。本作りの鏡。

本書は、どんな才能や技量も、一万時間練習を続ければ“本物”になる「一万時間の法則」など、「成功」の要素を“個人の資質”だけでなく、周囲の環境や文化的な側面から考察した、いわば「21世紀の成功論」。

一見とっつきにくい学術的な話を、わかりやすくストーリーに載せて語る著者の筆致は凄まじい。学術的な内容で本来なら読みにくいだろうところがすごく面白く仕上がっている。

学術的な内容をストーリー仕立てにしている文章に憧れて、よく僕も研究結果を引き合いに出してブログを書かせてもらっている。それはこのマルコム・グラッドウェルの影響。3人目の文章の師匠だ。

他にも『逆転!』『第1感』『急に売れ始めるにはワケがある』もオススメ。 

 

マルコム・グラッドウェルに影響を受けて書いた記事↓↓
「世界がもしも連立方程式のようなものだったら」(2016/8/29)
「風俗嬢は彼氏にただでセックスさせるのか」(2016/11/07)
「18禁コーナーに入りたくなる心理を考察したら、ある一つのことがわかった」(2016/11/21)
「M-1グランプリで生まれる「笑いの爆発」の正体とは」(2016/12/03)


■文章の面白さ=体験×思考力~体験の極限は命を懸けるということ~

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4.詐欺の帝王 (溝口敦)

詐欺の帝王 (文春新書)

詐欺の帝王 (文春新書)

 

 5.謎の独立国家ソマリランド (高野秀行)

謎の独立国家ソマリランド
 

普段文章を書いていなく、おぼつかない文章にも関わらず、読んでいて面白い!と思う記事に出会うことがある。それはたいていその人の体験がぶっちぎりに面白い場合だ。その人が体験したことが稀有な体験なので、仮に文章テクニックがなくても、それをそのまま文章にしただけで興味深くなる。 

文章の面白さ=「体験」×「思考力」×「文章力」

だと思っているのだが、仮にはっとさせるような着眼点で切り込む「思考力」や、何気ない日常の話を最後まで読ませる「文章力」がなかったとしても、「体験」が今まで見たことも聞いたこともないようなことだったら、自然と文章は読みたくなる。つまり、人がしない体験をすることで、思考力を補えるのである。

その「体験」の究極形、行き着く先が「命を懸ける」ということだと思う。命を懸けて書いた文章が面白くないわけがない。

 

前置きが長くなったが、上記の二冊、ノンフィクション作家の溝口敦さんと高野秀行さんはまさに命懸けで取材を行っている。 

溝口敦さんといえば、泣く子も黙る極道取材の第一人者。その溝口さんが、裏社会について取材を進めるうちに、つい六年前まで詐欺業界の周辺で「オレオレ詐欺の帝王」といわれていた人物に出会う。その人物から現代社会の闇を暴く一冊が『詐欺の帝王』だ。

また暴力団山口組の組長交代をめぐる記事の執筆を続けたことで、激怒させ、溝口さんの長男が刃物で刺されるという事件があった。それでも闇を暴き続ける姿勢は脅威すら感じる。

 

一方、終わりなき内戦が続き、無数の武装勢力や海賊が跋扈する「崩壊国家」ソマリア。その中に、独自に武装解除し十数年も平和に暮らしている謎の独立国があるという。それが「謎の独立国家ソマリランド」だ。 

ソマリアは有名な話だが、海賊がでる。その海賊に身ぐるみをはがされないために、海賊を雇わなければならないらしい。高野さんは、「先にお金を取られるか後で取られるかだけの違いだ」と笑いながら語っていた。なんだ、このリアルワンピースの世界は。

危険を顧みず行った取材が面白くないわけがない。 

 

あとノンフィクションなら『理系の子』『紙つなげ!』も好きだ。

(ブログでノンフィクションを書いたことはないので今回は関連記事なしです) 

 

■流派の違う師匠に弟子入りする

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6.秒速5センチメートル (新海誠)

これは個人的な好みの話になるが、新海誠さんの『秒速5センチメートル』の小説からモノローグや情緒的な文章の書き方を勉強させてもらった。「君の名は。」とは違った面白さがある。

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5年前にインタビューさせてもらったときのサイン。学生の頃、好き過ぎて自分で事務所に電話し、想いの詰まったメールを送りつけ、インタビューさせてもらった。「何があっても生き続けよう」と思う。

 

関連記事↓↓
「"ワンチャン"しまくり100人斬りした慶應ボーイが、彼女一筋になった話」 (2016/10/10)

「 20歳の渋谷系ギャルが教えてくれた大切なこと」 (2016/11/28) 

 

7.まにまに (西加奈子)

まにまに

まにまに

 

西加奈子さんのおもしろエッセイ集。

人に本を紹介するときは、当然〝面白い本〟を紹介するわけだけど、僕の中で〝面白い本〟の一段上があって(ドラゴンボールで言うスーパーサイヤ人を超えたスーパーサイヤ人)、誰にも教えたくないとっておきの一冊。でもさらにその上があって(ドラゴンボールで言うスーパーサイヤ人を超えたスーパーサイヤ人のさらに上のスーパーサイヤ人3)、そこまでいくと感動で誰かに伝えずにはいられなくなる。

それがこの一冊で、これが本当に面白い!

こんなに読んでいて声を出して笑ったのは初めてかもしれない。この『まにまに』から何気ない日常を笑いに変える文章の書き方を学んだ。

 

西さんに影響されて書いた記事↓↓
・「右足と私、どっちが大事なの。」 (2016/10/17)
・「関西人はツッコミでいつも忙しい」 (2016/11/14) 

 

僕は小説をほとんど読まないので小説のことはよくわからないけれど、コラムやエッセイ、ノンフィクションならこういう本が好きだ。

僕のブログをよく読んでくださっている方なら気付いているかもしれないが、書く文体がよく変わる。これは流派の違う文章の師匠が何人かいて、それぞれに合わせて書いているからだ。コラムなら「佐藤雅彦流」で、エッセイは「穂村弘流」、笑ってほしいような文章を書きたい時は関西弁バリバリの「西加奈子流」といった感じになる。だから書く内容によって文体が変わる。そうやっていろんな流派の文章を取り入れて組み合わせることで、自分だけのオリジナルの文章になっていく。


■文章術の本30冊以上読んで、本当にオススメする2

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8.20歳の自分に受けさせたい文章講義 (古賀史健)

20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)

20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)

 

 9.早大院生と考えた文章がうまくなる13の秘訣 (近藤勝重)

早大院生と考えた文章がうまくなる13の秘訣

早大院生と考えた文章がうまくなる13の秘訣

 

文章を書き始めて7年くらい経つが、最近はまったく文章術の類の本を読まなくなっていた。文章術本は腐るほど出ているが、結局、書き方の本をいくら読んだところで、文章はうまくならないからだ。

ただ、この記事を書くにあたって、もう一度自分の文章をゼロから見つめ直そうと数十冊読んでみた。昔読んだのも入れると今までで30冊以上読んだことになる。

ライターの学校のようなものには通ったことがないので、すべて本から独学で学んできた。どの本もオリジナルな部分は全体の1割くらいで、他は似たようなことが書かれているのでさくさく読めてしまうのだが、読むのが2回目にも関わらず『20歳の自分に受けさせたい文章講義』だけは途中で読めなくなってしまった。

考えさせられてしまったからだ。

「あのとき書いた文章、どう書いたらもっと良くなったか」「ここまでしっかりと考えて書けていなかった」と反省させられてしまった。

書いていること自体はとても平易で読みやすいが、いつもの3倍くらい読むのに時間がかかってしまった。そんな本なかなかない。文章の心構えはこの一冊で決まりだ。

あと上阪徹さんの『書いて生きていくプロ文章論』『いますぐ書け、の文章法』(堀井憲一郎)も良書。

 

ただ、心構えを聞いたところで文章はうまくならないので、1、2冊これは!というのを読めば、あとは実践あるのみ。 

実践で一番役立った本は、近藤勝重さんの『早大院生と考えた文章がうまくなる13の秘訣』

「書き方の本をいくら読んだところで、文章はうまくならない」と言ったが、唯一読んだだけで(読んでちょっと実践するだけで)文章がうまくなった本がこれだ。衝撃だった。

エッセイを書きたい人ならこれは絶対に読むべきだと思う。近藤さんの著書だと『書くことが思いつかない人のための文章教室』もオススメだ。これを読むだけで、本当にエッセイが上手に書けるようになってしまう。正直のところ紹介したくない一冊だ。

 

また、最近生まれて初めて手紙を書いた。手紙の書き方がまったくわからなかったので、水野敬也さんの『たった一通の手紙が、人生を変える』を読んでみた。

水野さんの徹底的な相手を喜ばせるという姿勢を学んだ上で書いたからか、手紙を送った相手から「たった一通の手紙であんなに笑えて感動できることってなかなかない」とすごく喜んでもらえた。手紙を書こうと思っている人はぜひこの本を参考にしてみてほしい。きっとより伝わる、相手に喜んでもらえる文章になると思う。


■文章力を上げるためには「読む、書く、体験する」

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いくら文章術の本を読んだところで、結局は書かないと文章はうまくならないし、前回「読んだ人の血肉となるような魂のこもった文章を僕は読みたいのだ」(2017/01/09)こちらで、本当にこれを書きたい!という想いがあれば名文になると書いた。

あとすべきとしたら、ガツンと殴られるような感覚を与えてくれるここで紹介したような良書を読むことだと思う。

特にどんな本を読むと良いかと言うと、「みんなが読まない本」がいい。みんなが読まないというだけで、その本に書かれている情報に希少価値が上がり、優位性が生まれるからだ。では「みんなが読まない本」とは、どんな本かと言うと、「高価で分厚い本」、つまり「翻訳書」だ。しかも翻訳されて日本にやってきている時点である程度内容は保証されているので、良書である可能性がかなり高い。

人は「知らなかったことを知る」とき面白いと思う。そして知らなかったことを知ったとき、人は何かが変わった感じがする。読者の時間をいただいて自分の書いたものを読んでもらうなら、読んだ後、読む前と比べていい意味で「何かが変わった」と思ってもらわなければならない。そのためにもみんなが読まない本を読んで、みんなが知らない情報を知っておく必要がある。

①「みんなが読まない本を読む」
②「ひたすら書く」
③「人がしないユニークな体験をする」

文章上達はこの3つに尽きる。近道はない。  

 

 

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